親の会社を継ぐ跡継ぎがなぜつらいかを考えてみる

親の会社を継ぐ跡継ぎは結構つらい。
やってみないとわからない部分が多いのですが、やってみるとよくわかります。
じゃあ、そのつらさの原因って何でしょう?

親に罵倒されるから?
いつまでも半人前扱いされるから?
自分のやりたいようにやらせてもらえないから?
社内で自分が受け入れられないから?
会社を思うように動かせないから?

表現は様々ですが、まとめていうと
「尊重されていない」
っていうことが原因なのではないでしょうか。

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尊重されていないから、
ひどいことを言われる。
尊重されていないから、
いつまでも半人前扱いされる。
尊重されてないから、
自分のやりたいことをやらせてもらえない。
尊重されてないから、
社内で自分が受け入れられない。
尊重されてないから、
会社を思うように動かせない。

 

目の前に起こる困りごとは、
自分が尊重されていない
という部分に集約されそうな気もしないでもありません。

跡継ぎ的には、好きでやってるわけじゃない、
という思いもあるかもしれません。
仕方ないから、親の顔を立てるため、やってるんだ。
それなのに、そんな自分のことを誰も大事にしない。
いったいどうなっているんだ。

跡継ぎのツラさをすごくシンプルに表現すると、
こういうところに集約されるのではないでしょうか。

 

ここに、自分の会社のビジネスの将来性や、
自分が経営者として会社を担っていけるかといった不安や、
周囲が見ている自分にならなければという気負いがプラスされ、
グルグルかき混ぜられたなんとも言えない感情が、
私達の心の中に巣くう辛さの正体ではないかと思います。

Esi GrünhagenによるPixabayからの画像

 

 

 

 

 

一方で、こんな研究があります。

ドイツでの学生を対象に行われた実験。

参加した若者に、次の二つの質問を含む質問票に応えることが要求された。

【パターンA】
・あなたは最近どれくらい幸せですか?
・あなたは先月何回デートしましたか?

【パターンB】
・あなたは先月何回デートしましたか?
・あなたは最近どれくらい幸せですか?

結果は、Aのパターンでは、デートと幸せに関する相関関係はまったく見られませんでした。しかし、Bの順序の場合、デートの回数と幸福度は、心理学的な調査ではこれ以上望めないほど高い相関関係を示した。

『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』
ダニエル・カーネマン (著)

この実験は何をあらわしているかというと、
人は幸せの基準をどう決めるかを表していると考えられそうです。
パターンAは、漠然とした「どれくらい幸せ?」という質問を受けます。

きっと質問を受けた人は、幸せな時間があったかどうかを振り返ってみて、その事柄を検討したうえで、どれくらい幸せかを考えます。
その答えをした後、デートの回数を聞かれても、まったく分断された質問としか扱いません。

しかし、パターンBは、先にデートの回数を聞かれました。
若者にしてみれば、幸せの基準ともなりそうなデート回数を聞かれた(つまり意識をそこに向けさせられた)状態で、今の幸せ度を聞かれました。
すると、デート回数が多ければ「幸せ度が高い」と答えるし、少なければ「幸せ度が低い」と答える。

つまり、デートという事柄に意識が限定されたことにより、幸せの基準がデートの回数に固定されてしまったわけです。

このことが表しているのは、人は何を見るかで幸せ度が変わるという事です。

Free-PhotosによるPixabayからの画像

 

 

 

 

 

 

さて、あなたはどれくらい幸せですか?

この質問に、後継者であることの「つらさ」を感じている状態で答えるなら、
「あまり幸せとは言えない」と答えるかもしれません。
しかし、もし、そんな状況でも小さな達成感を味わっているときならば、
「けっこう幸せかも」と答えるかもしれません。

 

ちなみに、幸せを感じるのは脳です。
そしてその脳は、現実が幸せであろうと、そうでなかろうと、「ああ、幸せだなぁ」と考えたとき、幸せを感じるホルモンが分泌されます。
つまり、自分が思ったことがそのまんま、自分の感情になり、状態になります。
幸せかそうでないかは、自分次第なのです。

 

「人は何を見るかで幸せ度が変わる」
「人は自分が幸せと思ったとき、幸せを感じる」
という二つの現実を上手く使うとしたら、こんな風にしてみてはいかがでしょうか?

跡継ぎとして、家業がある事の幸せは何かを考えてみる。
その幸せをかみしめてみる。

 

え?なんだか、バカバカしいって?
ええ、そのお気持ちはわかります。
けど、やってみると、けっこう気持ちよくなれるものです。

 

ちなみに、家業を継ぐことの幸せって何でしょう?
たとえば、サラリーマンだったら避けられない転勤とか、単身赴任とかは回避できるかもしれません。
若いうちはいいですけど、子どもが学校に行きだすと、こういうことは大変ですね。
親とのなかが相当悪ければ別ですけど、なんだかんだ言って、そうそうクビにされることはない、というよさもあるかもしれません。
(逆に、その場の感情でクビにされた跡継ぎさんの話も聞きますが・・・)
あとはそこそこワガママができてるかもしれませんね。
普通のサラリーマンなら決して取り入れられない意見を、取り入れられているケースもあるかもしれません。
私が知る後継者なんて、何カ月も休職してて、クビにならないでいる人もいました。
彼、自分ではいいこと何にもないとか言って、親族後継者であるメリットを最大限活用しているようにも見えます。

物ごとには裏と表があって、いいこともあれば悪いこともある。
今の状況を嘆く人は、たいていその悪いことを見ているんですね。
悪いことにフォーカスすると、全体として「後継者って辛い」という結論に陥りがちで、最終的には跡継ぎなんてろくなもんじゃねー、という感じになってしまいがち。

いつしか私たちは、後継者=嫌な状況 という前提で物を見る癖がついているのかもしれません。
そういう癖は、これまで私たちがうけてきた仕打ちと関連は間違いなくあるのでしょうが、そこに自分の意志って見えないような気がしてきませんか?
人が自分をこう扱ったから、自分はこんな惨めな思いをしているっていう文脈。
やっぱり、周囲の人に、人生の幸せ感とかを依存しちゃってないか、と思うわけです。

 

私がおすすめするのは、跡継ぎというのは環境の1つでしかない、と考えませんか?という事。
たとえば、背が高いとか低いとか、頭がいいとか悪いとか、色が白いとか黒いとか、そういうものの一つなわけです。
家が貧しくて大学に行けない人もいれば、
家がお金持ちすぎて子供らしいふるまいをできずに成長した人もいる。
それと同じ文脈の中で、家が商売している人もいれば、親がサラリーマン、教師、政治家、AV監督や俳優、芸能人とかもあるわけです。
そんなバリエーションの1つとして、家が商売やってますってだけの話です。
あとは、それを考えてふさぎ込むのか、最大限使い切るのか。
これは結局、跡継ぎ本人がどうとらえるかに過ぎません。

 

私は最近、跡継ぎという立場が自分を人間的に成長させてくれたような気もしています。
なぜかというと、こういう環境だったから挫折もしたし、それなりに親の深い感情も理解したし、そこから抜け出す方法もいろいろと研究しました。
仕事のほうはさっぱりですが、それなりにいい経験をしてきたんじゃないか、と振り返ってます。
これはたぶん、普通のサラリーマンをしていたら体験することのできなかった人生じゃないかな、と思います。

自分が尊重されていないというところでの辛さは、確かにつらかったのですが、
それは自分で自分を尊重していないから余計につらく感じるのだ、という事がわかってからは自分を愛することを少しずつ覚えて行っているような気がします。
こんな出来事がなければたぶん、私は自分を愛せないまま生涯を終えていったのかもしれません。
そう考えると、背筋が寒くなる思いです。

今はつらいかもしれませんが、そこから学ぶことがあり、
そこで学んだことは、たぶんかけがえのないものなんだと思います。
そう思ったとき、今は、ジャンプする手前でかがんでいるタイミングなのかもしれません。
今の状況から抜け出すためにはどうするか?を考えるのもいいのですが、
今の状況を味わうことで何を学ぶことができるか?という質問にかえてみると、意外な答えが見つかるのではないでしょうか。

 

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