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跡継ぎ・二代目社長が八方塞がりの時に知っておきたい「メタ認知」を高める2つのステップ

親の会社を事業承継する跡継ぎ・二代目社長が、本当につらくて八方塞がりになる時があります。
上手くいかないことを上手くいくように力を加えるのだけど、思うように動かないし、時としてまったく別の方向からも圧力がかかったりでどこへも勧めない閉塞感を感じるとき、あるんじゃないでしょうか。

実はこういったときというのは、大体何をやっても上手くいかないものです。
なぜならば、思考がどんどん内向きになって、自分に向けられた攻撃でないものさえ自分への攻撃に見えてしまうからです。
そういったときに、現状を俯瞰することができれば意外な解決策が浮かんだりするものです。
そんな視点を獲得するコツをご案内できればと思います。

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ストレスフルな環境では視野は狭まる

何を言われても嫌味に聞こえる被害妄想!?

「ちゃんとやろうよ!」
こんな掛け声を聞いたとします。
人によっては、褌を締め直して、これから気合入れていこう!という前向きな言葉に感じるかもしれません。
しかし一方で、その時の気分次第では、「(これまではちゃんとできてなかったから、これからは)ちゃんとやろうよ!」と責められているように感じることもあるかもしれません。

人の気分というのは不思議なもので、落ち込んでいたりするとどんどんマイナス思考が加速しがち。

そして親の会社事業承継しようとする跡継ぎや二代目社長は、将来への不安、現状への不満、そして親や周囲の人間への不信感などから、長期的にストレスを受けていることが多いと思われます。
つまり、頭の中がマイナス思考モードになりがちではないでしょうか。
そして先代である親との関係性がうまくいかなかったりすると、親からの言葉はすべてが自分を責めるような言葉に聞こえることがあるかもしれません。
このような時の私たちの思考は、現実をかなり悪いほうにブースとしてイメージ化しがちです。
さらに、ストレスは「爬虫類脳」とよばれる脳の部位を刺激し、危険信号を発するため、視野を狭めてしまう傾向があります。

そうなると、頭の中に入る信号は、「辛い(つまりこの場所は自分にとって安心・安全の場所ではない)」→「逃げよ(自分の存在を揺るがすものを取り除け)」といったものになりがち。
だから会社を辞めたくなったり、親や、気に入らない社員を会社から追い出したくなるのです。

負のスパイラルから抜け出そう!

視野が狭くなっているから「辞めるか」「追い出すか」という二択の選択肢を行ったり来たりしがちです。しかし、もう少し広く視野をとると、また違った現実の解釈があり、違った退避策があり、違った対応ができるのではないでしょうか。そのきっかけとなるのが、メタ認知です。

メタという言葉は、「高次の」という意味です。
かのアインシュタインが、「問題はそれが起こった次元では解決できない」という言葉を口にしたそうです。その真意は私ごと気には完全には理解できないのかもしれませんが、実はこれはメタ認知のことを言っているのではないかと思っています。メタ認知というのはたとえば、今の自分を少し高い目で見るということ。次のセクションで、私なりのたとえを使って解説したいと思います。

メタ認知は「着ぐるみを外から見ること」

「自分」という着ぐるみをイメージしてみる

皆さんは、町を歩いていてふと、ショーウインドーなどにうつった自分を見て、「自分ってこんなに太ってたっけ?」とか「こんなヘアスタイルにしてるつもりはないんだけど」なんて思ったことはありませんか?私はよくあります。写真に写った自分を見て、「ここまで太ってないぞ!?」と思ったりします。自分の持ってる自分のイメージと、実際の自分のギャップの大きさは人それぞれでしょう。ただ、まったくそのギャップがない人というのは珍しいと思います。それぐらい、自分が思っている自分と、外から見る自分というのは違うものです。

そういう前提で考えると、もう少し話を膨らませて見て、「自分がイメージしている自分」は一人の黒子として考えたうえで、そこに自分が自分とイメージしている「着ぐるみ」を着ている状態と考えてみましょう。みんなが見ている自分は、その着ぐるみです。その中には自分が自分と思っている自分がいます。

 

メタ認知は外から見た着ぐるみと周囲の環境

着ぐるみを着ている前提で見たときに、私自身の視点は着ぐるみの「目」の部分から見える世界です。
小さな穴が着ぐるみにはあいていて、そこから世界を見ています。
ストレスフルな状況に晒された人は、こんな感じの狭い視野で世界を見ています。

ここでメタ認知の視点に切り替えてみると、着ぐるみを着ている自分を外から見ている状態です。
着ぐるみという自分のイメージ通りとは言えない自分がそこにいて、その自分が振る舞う姿を客観的に見て、自分とかかわる人たちの言葉や仕草も映画や劇を見るように少し離れた視点で見てみます。
こういった状況を私は、体外離脱したかのように全体を眺めている状態と表現することが多いのですが、メタ認知の視点というのはこんな状態だと思います。
着ぐるみの中で自分そのものになり切るのではなくて、着ぐるみの外から自分を見るというのが大事なポイントです。
当然、中から見るのではないので、小さな視野ではなく、360度の広い範囲の視界が広がっています。

自分の思いからではない世界の認識

こういったメタ認知の視点を得ることで何が起こるかというと、独善的な小さな世界ではなく、もっと広い視野で物事を見ることが可能になります。たとえば、着ぐるみを着て、その状態で行う状況把握と、着ぐるみの外から360度見渡して行う状況把握では圧倒的に情報量は違いますし、判断基準も変わってきます。
独りよがりという狭い枠組みから飛び出しやすくなるのが、メタ認知の恩恵です。
自分がスタート地点ではなく、全体を見たうえでの判断が可能になるのです。

そうすると何が起こるかというと、独りよがり視点だと腹立たしいことが、どうでもよくなったりします。なぜならば、跡継ぎ・二代目社長がたまらなく嫌な感情を持つのは、自分が尊重されない時です。しかし、全体性を見た視点で見れば、自分が尊重されてもされなくても、会社が良くなれば自分の将来も安心だかいいとか、そういった視点で物事を見ることができるようになります。
今まで気になってコントロールしたかった親の行動や、従業員の振る舞いが、まったく気にならなくなることもあります。

メタ認知を高める2つのステップ

まずは独りよがりになっていることに気付くことがスタート

ネットを検索すると、メタ認知を活用するコツがたくさん出てきます。しかし、そのまえに、自分が自分の中に入り込んでいる状態に気づくことがスタートです。そもそも私がお伝えするのは、メタ認知を知るためにメタ認知能力を高めるのではなく、八方塞がりを打破するためにメタ認知を使いましょう、ということです。だから、なんだか気分的にネガティブな状態に入っているときに、「あ!」と気づいて、自分の思考の世界に使っていないかを確認することが大事です。モヤモヤしたり、胸がキュツと締め付けられるような精神的につらい状態が起こった時、反射的に「あ、そうそう。メタ認知、メタ認知」と思考の焦点を変える癖をつけるところがスタート地点です。

二つ目は「我に返る」

誤解を恐れず非常にシンプルに表現するなら、

ネガティブな思考から我に返る

ことが私がここでいう、メタ認知です。

もんもんとネガティブで自分にとってつらい思考(妄想)で頭がいっぱいになった時、そのグルグル回る思考から「はっ」と眼をさましてください。
「我に返る」というのは、思考の罠にはまっていた自分に気付く瞬間です。
ここが第二ステップです。

感情を伴った着ぐるみの中から物を見るのではなく、自分を含めた状況を着ぐるみの外から見るようイメージしてみてください。
あるいは、先ほども申し上げたように、状況を舞台化映画のワンシーンのような形でイメージし、その登場人物の一人として自分を認識してみてください。
すると、自分以外の人の動きにも意識が行きますので、着ぐるみの中から見ている情景とは少し違った状況認識ができるのではないかと思います。

「我に返る」ためのテクニック

これは聞いたことがあるかもしれませんが、自分のふるまいについて、こんな風に表現することで着ぐるみの中から視点を引き出しやすくなります。
それは、自分のふるまいや思いをこんな風に表現してみます。
「自分は、〇〇な気持ちなんだね」
「自分は、〇〇したかったんだね」
自分の事を主観ではなく、第三者が見ているように表現することで、少し自分の感情と距離をとることができます。

また、これは以前からご紹介していますが、自分の思いを書くということもおすすめで、モーニングページと言って毎朝3ページ浮かんだことを書くというワークなどもよくお勧めしています。

気づいて俯瞰する

このように、感情や思考に溺れているときにはそのことに気付き、意識して感情から距離をとる。こういたことを繰り返し行うことで、感情や思考に溺れそうなときにはすかさずそのことに気付けるようになります。ここは筋トレのように、日々の習慣が大事ですから、小さな訓練を続けていくことが大事だと思います。
うまくコントロールできるようになると、とても広い視点で状況を見ることができるようになり、経営者としてのトレーニングとしても成果があるのではないかと思います。
特段の手間もコストもかからないことですので、ぜひ試してみてください。

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