ある友人が、親の会社を引き継いだだけではなく、後継者不在で困っている地元の古い製造業を買い取り、その会社を再生させました。
こう言うとなんだかスーパー経営者に見えますが、彼自身は勉強熱心だし、努力家だけど、スマートなプロ経営者という感じには見えません。
一部で、古い会社を買い取って、それを足掛かりに起業するという方法が流行っているようです。この会社、もし子供が後継していたら成功したでしょうか?なんとなくですが、上手くいかなかった可能性が高いような気がします。だとしたら、起業家と後継者、何が違うのでしょうか。
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冒頭の疑問に、まずは私なりの結論をお話しすると、
「目的」が違う、ということになるのではないかと思います。
起業家の目的は、起業することです。
後継者の目的は、あとを継ぐことです。
なんだか言葉遊びのようで不快に感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少し説明させていただきたいと思います。
起業家は、自分の会社、事業を大きくし、何かしらの影響力を社会に持ち、成功の実感を味わうことを喜びしている方が多いように思います。ここ数年仕事の上で、ベンチャー起業家とお目にかかることも少なからずありましたが、彼らの多くは守りが下手です。とにかく前に向かって進むことしか考えず、守りがまったくダメなことが多い。結果として、変なところで上げ足を取られたり、顧客の不興を買って事業が立ちいかなくなることがけっこうあります。場合によってはけっこうなビッグマウスで言ってることとやってることが違う、ということはけっこうあります。
もちろんすべてがそういう人ばかりではないのですが、逆にそこがしっかりできている人は多少時間がかかったとしても、会社を着実に大きくされているように思います。一方、守りがありえないほど弱い起業家は、多くのばあい数年のうちに連絡が取れなくなってしまったり、違うことを始めていたりすることがけっこうありました。
私の体感上の感覚なので、現実をリアルに表現しているかどうかはわかりませんが、そんなにひどい乖離はないんじゃないかと思います。
一方で、多くの場合後継者は守りが得意です。だから、いろんな意味でちゃんとしてます。
安定感はありますし、たぶん5年後も、10年後も、変わらず付き合えそうな安定感があります。
だけど、今あるものを守るということが目的だから、何かを新しく積み上げるというより、欠けたらそこを補うという感じになりがちです。責めることより護る事が優先されるので、やっぱり大胆な変革は起きにくい。これは後継者のマインドセットだけの問題でもなくて、従業員や先代も「後継者だから」という期待値が、会社を変容させることにブレーキをかけている可能性が高いと思われます。
ここにまったく違ったとこから起業家やプロ社長がやってきたら、会社の人間は「変わる事が前提」になるのですが、後継者という身内が代表になるという時点で、「会社は一定程度これまでの原形を保つだろう」という思い込みが働きます。後継者はこういった思い込みとの戦いもあるのが難しい部分と言えるかもしれません。
ただ、「買収起業」なんて言葉が出始めている昨今、後継者がもちたいマインドセットは「起業家たれ」ということではないかと思います。
冒頭の友人はかなり大変な思いをして古い会社を再生しましたが、それは引き継いだ時の莫大な借り入れと、売上がゼロになった会社ということもあってのことと思います。しかし、私たちの親の会社は借り入れは一定程度あるかもしれませんが、売上がゼロではないとおもいます。サラリーマンが起業する際、副業から始めるように、私たち後継者もまた「それなりに売上もあり、従業員もいて、顧客も、設備もある親の会社」を足掛かりにもう一つジャンプするチャンスを狙ってもいいように思います。逆に言えば、そういった思いがないと、事業承継その物もおぼつかないかもしれません。
後継者は、「仕事を覚えるのは中間地点」と考えているから、他の社員よりも仕事に対する学びの速度が速いのではないかと思います。
では、「親の会社を継ぐのは中間地点」という思いを持って働くことで、大きな悩みにみえることも、小さな通過地点にみえるのではないでしょうか。
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