普段は結構「いい人」で通っている後継者・跡継ぎ・二代目社長と呼ばれる方も、家業においては人間関係をこじらせがちです。なぜこじらせるかというと、「自分は〇〇でなければならない」という思い込みというか焦燥感が主な原因です。たとえば、自分はリーダーだから強くなければならない(なめられてはいけない)とかいった感じです。
こういう状況になって悩んだ先に行きがちなのが、「今までは自分が強く出て人間関係をこじらせたので、次は相手を褒めてみよう」という方向感。悪いことではないと思うのですが、ほめるって結構難しいこと。もう少しシンプルにできることはないのでしょうか?
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ほめて育てる。
昭和的な封建的な組織への反動か、平成以降けっこうよく耳にするキーワードです。しかし、実際のところ、ほめるというのは結構難しいものです。というのも、ほめるというのは相手を評価するということに繋がります。それはすなわち、自分が評価者であるというマウンティング行為になりがちで、ほめられた側は素直に喜べる場合はいいのですが、そうでない場合は「なんか上から目線で嫌だなぁ」なんてことにもなりかねません。まあ、上司だから上から目線なのは仕方ないか、という説もありますが、上司に対する尊敬がない場合はこれはやっぱりもろばの剣になってしまいます。
実際に心理学者のトマス・ゴードン博士は「ほめる」という行為は、対人関係の中で注意を要するコミュニケーションとしています。
じゃあどうすればいいのでしょうか。ここである実験をご紹介します。
インドの大手コールセンター会社では離職率の高さに困っていました。そこで、新入社員にある2つの研修を試験的に導入しました。Aのグループには、新入社員に会社の先輩などとコミュニケーションをとる機会を作り、研修終了後、会社の名前が刷り込まれたパーカーをプレゼントしました。Bのグループには、新入社員に自分の考えを話す機会を作り、みんなでそれぞれの話に耳を傾け、研修終了後、会社の名前と新入社員自身の名前を刷り込んだパーカーをプレゼントしました。
結果、差は歴然で、数か月後の離職率はBのグループが圧倒的に低く抑えられたといいます。どうやら、新入社員の言葉に会社として関心を持っているよ、という姿勢が新入社員にとって会社の居心地を良くしたのだと考えられます。
これを応用すると、私たちは社員を無理してほめるというより、社員の話を聞く姿勢を持つということがとても大事なのではないかと思われます。私たちはあなたに関心を持っていますよ、ということを相手にわからせるということを意識すればいいのです。その一つが、「名前を呼ぶ」ということです。ついつい私たちは、人の名前を呼ぶことを省略して語りがちですが、きちんと名前を呼ぶということは、相手の存在を受け入れる証としてとても大事と思われます。そして何かをしてもらったら、それがたとえ業務上当然のことだったとしても、「ありがとう」と感謝の意を表する。(すみません、ではなくありがとう)そして実際に彼らの話に耳を傾ける姿勢を持つ。こういったことを繰り返すことで、自然と信頼関係は築かれていきます。それができたうえで「ほめる」というならまだ効果もあるかもしれませんが、そういった土台がない状態いくらほめても時に逆効果にさえなるくらいではないかと思います。
ほかには、相手が話を始めたら相手の方にきちんと体を向けて、よそごとをせずにきくといったいわば当たり前のことを私たちはやっていません。そんなとこから見直していくことで、人との人間関係をしっかりと築いていくと、後継者としても能力を発揮しやすい環境ができると思います。ぜひ意識してみてください。
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