後継者

「できない」の情報収集と「できる」の情報収集

ふと飛び込んできた言葉があります。
「できないの言い訳は通用しない」
なんだか意識高い系な印象を受けるかもしれないし、
時と場合によっては、ブラック企業で交わされる会話に聞こえるかもしれません(苦笑)

それでもやっぱり、最後の最後、自分に対してこの言葉をかけられる人は強いと思います。
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「できない」という言葉は、可能性を閉じてしまう言葉です。
できないと決めた時点で、未来の結果が出現します。
できない現実が決定するわけですね。

ところで、心理学ではカラーバス効果というのがあるそうです。
意識していることに関連する情報を、人はキャッチしやすいというものです。

たとえば、三菱デリカという車があります。
私はここ数年、この車を全く意識することがなかったのですが、友人がこの車を買ったときいて、よくこの車を見かけるようになりました。
会社の近所の車庫に停まっているのをみつけて、こんなところにもあったのか、と驚くこともあります。
別に、急に町中に三菱デリカが増えたわけでもないはずです。
しかし、ここにも、あ、ここにも、とデリカを見つけるのは、まさにこのカラーバス効果と言えるでしょう。

身近な人が妊娠したら、街中に妊婦さんをよく見かけるようになったとか、
ある職業に就いたら、その仕事に関するキーワードが新聞を開けば飛び込んでくるようになったとか、
悩み事を持っていたら、そこに関する記事や本をパッと見つけられるようになったとか、
そんなことは多くの人が経験していると思います。

 

その流れで冒頭の「できない」という話を考えてみましょう。
何か問題にあたって「できない」という認識をした瞬間、人は「できないことへの正当性」を説明する情報にアンテナが立ちます。
次から次へと、「できない」ということに関連した情報が飛び込み、「ああ、出来ないという判断は正しかったんだな」と安心するわけです。

これ、なかなかに厄介で、どう考えてもできっこない、という信念をあっという間に作り上げてしまいます。
三菱デリカという車の話と同じで、今まで気にも留めていなかった「できない情報」の存在に、次々と気づいてしまうのです。

 

世の中には、不可能を可能にする人って意外といます。
普通の人なら「無理だろう~」と誰も思いつかないことをやり遂げたりする人。
ビジネスの世界、とくに同業者という狭い世界においても「その方法があったか!」とひざを打つようなアイデアを出す人っているものです。
その人はたぶん、「できない」の情報収集をしてるわけじゃないと思います。
「できるとすれば?」という情報収集をしてるんだろうな、と思います。

世の中には、三菱デリカという車が街であちこちに存在しているのと同様、出来る理由もできない理由も、一定数存在しているんだと思います。
その数はある日突然変わることはあまりないと考えるのが妥当だと思います。
そのどちらを探すかで、結果が変わるのでしょう。
どちらを探すか?という前提に、「できない」と決めたか、「できる」と考えたかがあるのだろうと思います。

これは、好き・嫌いも同じですね。
好きだと思えば、好きな理由を探すし、
嫌いだと思えば、嫌いな理由を探す。
仲のいいカップルが別れると険悪になりがちなのは、つきあっていた期間に、好きも嫌いも含めてたくさんの情報が蓄積されていたため、元データが多い。
その分「嫌い」となった時点で、蓄積されていたデータのうち、嫌いの理由が膨大に見つかってしまうということもあるのかもしれません。

 

さて、後継者として親の会社を継ごうとしたとき、多くの人は不安を感じるようです。
その前提として、うまくできないかもしれない、という信念が心の中に芽生えているのかもしれません。
そうすると、不安要素は雪だるまのように大きくなっていき、動けなくなってしまうこともあるのかもしれません。

そういう時、ゴリゴリの意識高い系の人は、こういうかもしれません。
「自分はできる!」という思いで塗りつぶせ、と(笑)

私にはそんなことはできませんし、実はそれはあまりうまい方法とは思っていません。
たぶんそういう人は、見ていても違和感があると思います。
きっと私はこういう人を見ると、「強がってるだけ」じゃないですか?と感じると思います。
それよりもむしろ、まずは不安を感じてる自分を受け入れてみてください。
「ああ、自分は不安を感じてるんだな」「きっと新しいことをやることが怖いんだよねー」
そんな感じで一旦受け入れると、どこか他人事のように見えるようになります。
そうやってほんのちょっと落ち着きを取り戻したとき、自分にこう語りかけてみましょう。

できないの言い訳は通用しない。
ならば、今の自分でもできるとするとどんな方法があるだろうか?

未知の世界に踏み出すのはなかなかに怖いし、足がすくみます。
だから「できない」と、門を閉じてしまうことも責められることではないと思います。
それでもずっと頭の片隅からそのことが離れないとしたら、そこへ進まざるを得ないということなのかもしれません。
決心するまでに何年もかかることもある場合もあるでしょう。
それでも、前にさえ進んでいれば、いつしかそれが日常の一部になる事も少なからずあります。

10年前のあなたに、今の自分が想像できたでしょうか?
たぶん、10年前の自分の予想以上のことをやっているんじゃないでしょうか。
それと同様、10年後のあなたは、今の自分が想像できないことをやってることと思います。

きっと10年後のあなたが目の前に現れたとすれば、こういうでしょう。
「大丈夫。10年後の僕を作ったのは今のあなたの行動だから」

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