後継者

親である先代と後継者のトラブル。その後どうなるのか?

同族会社の事業承継の過程では親である先代と、子である後継者のトラブル話は尽きることがありません。
実際にその渦中にいると、その意見の食い違いがどのような結末を見るのかが分からず不安になる事も多いと思います。
しかし、私のみる限り、つぎの5つのパターンに集約されます。

①それでも後継者は親に従い続ける
②親を追い出す、あるいは自分が会社を去る
③親に追い出される
④親が折れて後継者に従う
⑤親が何を言ってもあまり気にならなくなる

少し詳しく見てまいりましょう。

 

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親子経営のトラブルが起こった際に辿りがちな5つのパターン

①それでも後継者は親に従い続ける

親子で意見が食い違い、けっこう大きな衝突を繰り広げたのちどうなるかというと、割と多いのが仕方ないか、とばかりに後継者が引き下がるパターンです。基本的には今までは親の考えでやってきて、うまくいっているかどうかはともかくとして、とにかく倒産はしていないわけです。ということは、それは「会社を存続させている実績」となります。特に、先代は仮に会社が借金まみれであったとしても、それを社内外にひた隠しにする傾向がありますから、周囲から見れば「親が正しい」という判断になるのでしょう。後継者にとっては分が悪いので、仕方なく従う。そしてまた後継者の錨が頂点に立った時、トラブルが起こる。そしてまた元さやに戻る。その繰り返しです。

これが自然に変化するのは、たとえば先代が体調をくずすとか、加齢などでパワーバランスが崩れるタイミングになるのではないかと思います。近年は男性でも75歳を過ぎても元気な場合が多いので、本格的な代替わりは先代が80歳をまたぐあたりになるケースも少なからず見かけます。

②親を追い出す、あるいは自分が会社を飛び出す

比較的自分の腕に自信のある後継者がとる行動パターンです。親を追い出すというのは完全に会社から席を外すというより、何かしらの形で役員として名前を残すケースが多いように思います。先代が若いうちなら立場に適応してもらえると思いますが、65歳を過ぎてこういった強攻策をとると認知症が出た、という話を割とよく耳にします。あるケースでは、毎日何十回もお客様に電話をするので携帯を取り上げ、施設に入れたものの、こんどは会社に毎日何回も電話をしてくるなんて言うことがあったと聞いています。これは何とも寂しい話です。

自分が会社を飛び出すというパターンは、最近よく耳にします。それだけ「自分でやっていける」という自信があり、自らそう決めて行う行動ならば私個人的には応援したいなと思います。その結果はわりと対照的で、勘当されて親とコミュニケーションがなくなるケースと、ほとぼりが冷めれば親も理解してくれて「こうやってよかったね」と言える関係を構築しているケースもあるようです。どっちに転ぶかというのは、親子双方の度量と、その後の内省・心的成長が影響するように思います。

③親に追い出される

親に会社をクビにされるパターンですね。これも結構あります。クビになって自分の仕事を見つけ、生活の基盤を作り始めたころ、親から再び呼び戻されるというパターンや、親が病気で倒れて呼び戻されるパターンなどもあります。こうなると、親はかまってちゃんモードが起動しているのかもしれませんね。個人的には、そう言う親の意向に振り回されていると、けっこう大変なのでどこかで線引きが必要ではないかと思います。親に追い出される経験その物は、屈辱的でもあり、悲しいことでもあるのですが、人生の通過地点としては後継者の人間形成にプラスに影響することもあるように思います。そこは前向きに受け取ることができると、その時点で一回り大きくなれるように思います。

④親が折れて後継者に従う

親である先代が物の見方が完全に変わってこういう状態になるならばすごくいい状態だと思います。ただ、我慢しながらついてくるという場合はちょっと気をつけたほうがいいかもしれません。いずれ爆発する可能性もないとは言い切れません。その場合ほどほどに親を立てることを気遣うと、双方ハッピーになれるように思いますがいかがでしょうか。

⑤親が何を言ってもあまり気にならなくなる

これも一つの理想の形かと思います。何を言っても気にならないというのは無視をするという意味ではなくて、ちゃんと耳を傾けたうえで、さほど感情的ではなく当然のことのように対処できる状態です。そこに至るには後継者自身の心理的な成長が伴うことが求められます。何があってもOKと思える状態を作り出すことができれば、とても強いと思います。

良し悪しで判断することに意味はない

「良いか悪いか」は他人基準

こういったことを悩む後継者の多くは、自分が正しいことをしているか、誤っているかを非常に気にします。しかし、事業承継の話に限らず、経営においてよいことも悪いことも、正しいことも誤りもありません。成長する企業は多くの場合、「そんなことできるはずがない」という多くの人が言われたことをやったから、成長しているのです。だから親子関係も、誰かが決めた良し悪しとか、正誤はまったく気にする必要はありません。大事なのは当事者である自分たちが快か、不快か、で考えればいい、と私は考えています。自分たちのことですから、他人基準で考えることはあまり意味がないのではないでしょうか。

そうなると、親の会社を子が継ぐというのも、正誤で考えると答えはありません。親には親の、子には子の人生があって、その人生を全うするにあたってその会社を継ぎ、存続すべきかどうかを考えればいいと思います。ただ、不思議なことですが、何か世の中に影響を及ぼそうと思ったとき、すでに形になっている会社が手の届く場所にあるのはけっこうありがたいこと、と感じられることも少なからずあるんじゃないかと思います。そんな風に見てみると、親の会社も違った見え方がするかもしれませんね。

 

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