後継者

後継者のこれから

2020年11月現在、コロナ禍はまたぶり返しているようです。
その現実は現実として大変なことです。
ただ、さらにそこから派生して起こっているのが日本中の事業が何かしらの影響を受けている事もまた大きな問題です。
なんとなくこの状況、戦後の日本をほうふつさせるような状況と思うのですがいかがでしょうか。

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「戦後」ということで思い出すドラマがあります。
詳しいことは覚えていませんが、主人公である教師の目を通してみた終戦です。
彼は、終戦までは先生として敬われ、彼は生徒に「国のために命を捧げよ」といった教育をしていました。
しかし終戦になって、多くの保護者との対話の中でこんな風になじられます。
「あんたが、子供に命を懸けて国を守れなんてことを言うから、子供は戦地に赴き死んだ」のだ、と。

昨日までとは正反対。
まさに価値観が一気に変わったと言ってもいいでしょう。

現在、コロナの影響で、たとえば「会社に行って長時間会社に尽くして働くこと」が美徳という昭和から続く価値観がかなり崩れてきたように思います。
ブラック企業なんて言う言葉が生まれる背景には、会社に命を捧げざるを得なかった環境がそこにあったのでしょう。
そういった価値観が一気に変わり、副業が当たり前、という世論ができ始め、会社に行かないのがだんだんとスタンダードになりつつあります。
もちろん、すぐにはそういうわけにはいかないですが、方向感としてはそちらに向いている傾向は少なからずあると思います。

そして焼け野原・・・というわけではないのですが、やっぱり経済が大打撃を受けています。
そんな中で、たとえば既得権益を握りしめていた人たちが、ちょっとできなくなってしまうような環境になっている一面もあるように思います。
なかなか動かなかった大企業がテレワーク導入したり、今日のニュースではANAがスマホ決済参入ということで従来の本業だけでは会社の意地が難しい台所事情を創造せざるを得ません。

そんな風に大きく時代が変わる中では、やっぱり大きな志というのが大事なのではないかと思います。
周囲からはバカにされそうな志も、いまの時代だったら「もしかしたら・・・」なんて言うことがありそうです。
というのも、今までは、完全に出来上がっていた社会だと思うのです。
パズルでいうと、完成形の状態だったのだと思います。
これが、いまは、ピースが解体されて、バラバラになりつつある状態です。
これを再度組み替えようという力が動き始めてると思うのですが、そういったときに、いろんな物事の勢力図が変わりがちです。

この時期に、世代交代を行う事業承継真っ只中の企業は強いと思います。
大企業は社長が変わっても、せいぜい年齢は数歳若返るか、大抜擢といわれる人事でも10歳若返るぐらいのものです。
しかし中小企業、特に同族企業は社長が30歳若返るのが普通です。
まさにそれが促進されるのがいまではないかと思います。

そんなタイミングで親の会社を継ぐ後継者は恐らく、会社をいかに維持するかという考えよりも、新しい日本を形作る中で自分たちがどんな役割を果たすかを考えたほうが答えを得やすいような気がします。
そもそも、今の会社は、歴史のなかでの疲労が大きいというか、時代の流れの中ですこし取り残されている傾向があるのではないでしょか。
それを調整するというよりむしろ、そこから新たなものを生み出すという思考こそが大事なのだと私は思います。
もちろん、すぐに答えを得られるわけではないと思うのですが、少なくともベクトルはそこへ合わせていきたいと思います。

新しい日本を作っていく。
そんな気概を持ちたいな、と思う今日この頃です。

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