家業を継ごうと親の会社に入った後継者は、一定期間を過ぎると自分の「ダメな部分」に目が行きがちになってはいないでしょうか?
こういう部分がまだまだだ、
こんな勉強をもっとしないといけない、
経験不足でいつもビクビクしている・・・などなど。
結果、後継者はいつも「自信がない」「不安だ」という言葉が頭の中に行ったり来たりされるケースが多いように思います。
これ、足りないものばかり見ている状態じゃないでしょうか。
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Contents
なぜか「弱い部分」を補強しようとする後継者
オールラウンドプレーヤーという幻想
親の会社に入った後継者は、はじめのころはきっと希望もあり、未来もあり、期待感に胸を躍らせていた事でしょう。
しかしそんなはつらつとした様子もだんだんとどんよりしてくることがけっこうあるように思います。
それはいろんな原因がありますが、だんだんと家業の仕事を知ることで、「自分の足りなさ」を意識し始めるのではないでしょうか。
どんな仕事も奥深い世界があります。
特に職人めいた仕事に関して言えば、10年やっても20年やってもゴールの見えないくらいの奥の深さがあるのではないでしょうか。
それはモノ作りだけに限らず、サービス業におけるお客様への共感力や、気づき力、営業などであれば驚くようなお客様を誘う力などベテランの方とは比べようもないほどの差を感じたりします。
その相手が親である社長だったりすると、もう雲泥の差ですよね。
そんな事を感じ始めると、だんだんと自分を減点し始めるんですね。
はじめは期待に胸を膨らませていたのに、慣れてくるほどに「ああ、これが足りない、あれが足りない」と足りないものにフォーカスしてしまう。
そもそも、日本の教育制度や、企業での評価制度がまさに減点法がベースになっているので、やっぱり「足りないものを補おう」という気持ちが強く働くのかもしれません。
それが時にモチベーションにつながることもありますが、多くの場合プレッシャーとなって苦しい息切れを興すことも少なからずあります。
それでもなぜか、私たちは何でもできることを目指そうとしがちではないでしょうか。
得意分野を伸ばすか、苦手分野を克服するか
私たちは、高校、大学と、受験において恐らく多くの方が、得意分野を伸ばすこと以上に苦手分野克服に力を入れた利したのではないでしょうか。
試験は100点、200点という上限があるために、得意分野を幾ら伸ばしてもたとえば90点が95点になるのは大変な苦労ですし、98点を100点にするのはたった2点ではあるもののかなり大変です。
一方で、苦手分野が100点満点中50点しか取れていなかったとすれば、これに10点、20点を上乗せすることは比較的簡単にできてしまいます。
結果として、極端な苦手科目があるならば、それを底上げしたほうが全体の点数は大きく上がるというカラクリもあるわけですから、苦手分野でもせめて平均値くらいには引き上げよう、という事を考えることもあるんじゃないかと思います。
しかし、社会においては、たとえば会社全体の商品ラインナップの平均点をお客様が評価するわけではありません。100種類の商品のうち、たった一つのヒット商品があるだけで会社の認知度は上がり、財務状況は大きく改善します。これは会社を組織する一人一人にも言えることです。営業が得意な人、マネジメントが得意な人、数字を触るのが得意な人、など異能の人が集まって全体でパフォーマンスを出していくのが会社です。
そういう状況のなかとはいえ、中小企業の場合、経営者は何でも屋。
営業、開発、総務、経理、法務、人材の採用・育成など、すべてのジャンルに精通している必要がある・・・と思いがちです。
確かにすべてにおいて能力を発揮できれば素晴らしいのでしょうが、有限な時間をどこに振り向けるかは生き方として大事な部分があります。
一方で、どんなジャンルにも専門家がいます。
これからますます社外の提携先との関係が大事になっていくように私は考えていますが、場合によっては苦手な分野はそこに任せるという選択肢もあります。
また、自分は出遅れていると感じていることも、実はまだその内容を知らないだけで、やってみたら「なーんだ、そんな簡単なことだったのか」と思うこともあるでしょう。
とかく、創業社長は、「自分はすごいことをやっている」と思わせるのが上手な人が多いので、ふたを開ければ拍子抜けするようなこともあります。
何が言いたいかというと、社会においては、オールラウンダーで特徴がない人よりも、ちょっと偏ったぐらいの人のほうが成功しやすいんじゃないかと思います。
なぜなら、ビジネスにおいては、学生時代のテストのように「満点」という点数の上限が存在しないからです。
弱者であるから強みで勝負
弱者の戦略
恐らく一般的な中小企業では、親である社長と後継者、どちらが立場が弱いかといえば後継者のほうだと思います。
そして弱いほうが、強い人に勝つには、まあ普通にやっても勝てないわけです。
勝ち負けで表すのもどうかと思いますが、便宜上、ご容赦ください。
そもそも、親である経営者は、基本的に自分が苦手な状況は社内で作らないようにしているはずです。
ですから今の社長のポジション、仕事の進め方、社員との接し方などは、すべて親である社長の好みというか、得意分野に合わせて作られていると考えられます。
この親の土俵で後継者が振る舞うとなると、なかなかに苦しい状況が明確になってきます。
これはたとえば、ゴルフのトッププレイヤーに、始めたばかりの後継者がゴルフで勝とうというようなものです。
しかし仮に後継者が長年テニスをやっていたとすれば、きっと「テニスに関して言えば、絶対に負けない」という思いも持てるでしょう。
なのに、会社の中で後継者は、親のゴルフプレーのマネをしようとするのです。
立派な向上心だと思いますが、戦略としてはどうかと思います。
後継者の強み
ここでぜひ、後継者が今親の会社に居る意義を考えてみましょう。
それはおそらく、後継者がもっている経験や知識を最大限に活かすことで、会社に良い影響を与えることだと思います。
親のゴルフ見習いをするというより、親が見落としている部分をサポートするとか、親が苦手でできていなかった部分を増強するとか、そういった考えが必要なのではないかと思います。
だから、後継者にアドバイスとしてお伝えしたいことは、何かしら仕事に役立ちそうなことを狭く深く、つきつめていただきたいな、と思います。
実はこれは私の感覚的な話というより、たとえば恐らく日本でトップ5に入るほど有名な経営コンサルタント故舩井幸雄先生が創業した船井総研で言われている『長所伸展法』と呼ばれる戦略でもあり、古くから学術的な戦争に関する論文を経営に応用した『ランチェスター戦略』における『集中の原則』にも通ずるところだと思います。
強みをの知り、それを伸ばし、その強みが仕事の中でどう生きるかという関連性を探す。後継者はこのことを常に意識することが大事ではないかと私は考えています。
はじめは小さな場所からでいい
自分の長所を活かすといっても、いきなり「みんな、俺の長所は●●だから、これを活かすための新事業を始めるぞ!」なんて言い出すのは、ちょっと空気が読めなさすぎるかもしれません。状況が許せばそれもアリですが、まずは今の業務の中で自分の長所が生かせる小さな工夫はないかを実践してみてはいかがでしょうか。
こういったときにやりがちなミスは、自分から動き出すのではなく、あれこれ周囲を動してふんぞり返るパターン。はじめてのことは、まずは自分がちゃんと首を突っ込むほうが私はいいと思います。やってみて、感触を得る。そしてそれを社員の人たちと共有する。こういったステップバイステップが大事だと思います。
焦らず一歩ずつ。
それでいいのではないかと思います。
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