後継者

後継者が会社の未来を考えることは、自分と向き合う事

親の会社を継ごうと親の会社に入った後継者が考えることはどんなことでしょうか。
おそらく、早く一人前になって、親を助けたいと思ったり、
親のように成長した自分が将来会社を引っ張っている様子をイメージしたりするのでしょう。

しかし、ちょっと待ってください。
それで後継者であるあなたが幸せならいいのですが、いかがでしょうか。
陥りがちなパターンが、自己犠牲的なマインドセットです。
自分の個性を押さえつけてでも、自分が苦手でいやなことであっても「やらねばならぬ」の精神でやりきる。
社員のため、会社のためには、そうせざるを得ない。
そう考える人は結構多いのではないでしょうか。

それをご本人が納得されているなら、何も言いませんが、何かに悩んでいるとか重い気持ちが晴れないとすれば、本当は納得しきれていないのではないでしょうか。

本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

——————————————

■後継者向けセミナー開催日程はこちら

 

 

■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ
■YouTubeチャンネルで動画配信も行っています!こちらをご覧ください。

やりたくない戦略を敷いてしまった後継者

イベント嫌いな後継者

ある後継者の会社では、先代はイベント好きで、毎月のように何かしらのイベントを開催していました。後継者もそれを見習って、毎週末はイベント三昧。たしかに、そういったイベントから新しいお客様と出会うこともありますが、労力に見合った成果とは考えられなかったといいます。

先代にしてみれば、そういったお世話が大好きだったので、休日返上で準備をし、開催することが生きがいだったと思うのですが、毎週毎週駆り出される後継者は、妻や子供からはいつも嫌味を言われていました。それでも仕事だから…と家を空けがちになっており、本人は仕事と家族の板挟みで、疲れ果てていました。

顧客との距離感に息の詰まりそうな後継者

また別の後継者にあっては、顧客との距離感に非常に困惑していました。毎週のようにゴルフに同席する先代。まあ彼らは友人のような関係かもしれませんが、後継者にとっては、気の休まる暇もありません。顧客と親しくなることは悪いことではないと思うのですが、やはりどこかで線引きをしたいと思う後継者。

やらなければならない、と考えるのが普通だった時代

私の若いころは、こういったときに言われるのは「慣れろ」という話です。
親の時代にやってきてうまく行っていたことを、後継者も引き継ぐべきだというわけです。
しかし、後継者も人間です。
何もかも犠牲にして、会社を守るなんてちょっとおかしいと思います。

一昔前は、成功のロールモデルがありました。
例えば一般的なサラリーマンであれば、いい大学を出て、いい会社に入り、そこで出世するということが「成功」の基本パターン。
誰もがそれを疑うことなく今まで来ました。
しかし今やそのロールモデルをなぞらされたある若者は、メガバンクへの就職を決めた途端に数万人単位のリストラを発表されるという時代です。
それでも「メガバンクで勤めたいから頑張ってきた」人ならともかく、「それが世の中の成功だから」と言い聞かされてやってきた人には愕然とする現実でしょう。

後継者の在り方も同様で、従来は、親の会社をそのまま引き継ぎ、そのまま同じルールの中で親を超えていくという事が求められたロールモデルでした。
しかし、もはやそのモデルはさび付いたモデル。
親と同じことをやっていて、この先10年単位で生き残れる中小企業がどの程度あるでしょうか。
過去を見て「こうあるべき」という人は信用してはいけません。
それが今の後継者が断つべき立場ではないかと思います。

これから何をやっていくのか?

戦略は自分に合ったものを

経営戦略という名のビジネスのかじ取りは世の中に無数にあります。
最もわかりやすいのが、ニッチな世界でトップになれ、というものです。
これはたとえば、ランチェスター戦略の言う弱者の法則でも定番ですし、長所を伸ばすことで特定分野で突き抜けろという故舩井幸雄先生の考えにも通じるところでもあると思います。
だから戦略としてはかなりの確率で正しいし、成果も出やすいと思われます。
しかし、それが肌に合わない人も中に入るのかもしれません。
そうした時に、セオリーを優先させるか、自分の個性を優先させるかと言えば、私は個性を優先させた方がいいのではないかと思うのです。

たとえば、ルールに縛られるのがキライな人が、社員やお客さんをルールで縛ったビジネスをするってどうでしょう?
たぶん、効率は滅茶苦茶いいはずなんですが、精神的にきついんじゃないでしょうか。
人には向き不向き、得意下手があるものです。

もっとわかりやすく言えば、いつでもだれか人と一緒にいてなければならない人と、
必ず一人の時間を持たなければ疲弊してしまう人がいます。

同じ後継者という立場の人でも、前者であれば社員一丸となって、という会社の運営が望ましいと思いますし、後者の場合、ある程度一緒にいる時間と個別に頑張る時間を取ったほうがいいと思います。
自分のパフォーマンスと人生の価値を最大化できる働き方が、後継者にとっては大事だと思うのです。(後継者に限った話ではありませんが)

やらない仕事を決める

そういった自分の人生戦略において、最も手っ取り早く始められるのが「やらない仕事を決める」という事です。
そしてある程度の準備や段階は必要ですが、頑固なまでにその仕事をやらない方法を考え、実践します。
急激な変化は難しい環境かもしれませんが、少しの間、やらないこと(つまり苦手なことや合わないこと)をや目ることに集中してみてください。
そうすると、霧が晴れたようにクリアになる場合と、自分の手元の仕事に生まれる空白で不安になることがあります。

もし不安になったら、その時に、自分だからこそ求められる仕事は何なのかをあらためて考えてみてください。
それは自分の得意分野を明確にすることとつながってきます。
もし、そんな自分の得意分野に特化することができれば、あなたの生産性は人生において最大値になるはずです。
最高さ偉大な自分で経営にあたって、うまくいけばハッピーだし、ダメならあきらめもつくでしょう。
しかし多くの後継者は、苦手なこともやろうとしながら上手くいかなくなって今う人がけっこう多いのです。
だからぜひ、得意な仕事に集中する環境を勝ち取るべく努力してまいりましょう。

そのことが、自分のためにもなり、周囲の人のためにもなるはずです。

そんな考え方の転換につかえる手軽な場、考え方の壁打ち相手探しとして、後継者のみなさんが集える場所を作りました。
良かったら見に来てください。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
後継者ONLINE倶楽部

 

本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

——————————————

■後継者向けセミナー開催日程はこちら

 

 

■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ

 

 

Daniel VerhoefによるPixabayからの画像

関連記事

  1. 誰でもできることと、後継者しかできないこと

  2. 親の会社を継ぐ後継者は「リスクをとる」という事を検討してみよう

  3. 後継者が先代を思い通りに動かす世間で封印されたスキルとは?

  4. 親子経営では後継者をどう教育し、後継者は何に努力をすればいいのか?

  5. 脅威と感じるか?機会と感じるか?~後継者がもっておきたい「普通」の感覚…

  6. 2人で残業しながらやっていた仕事を1人で定時に終わる仕事にした後継者の…

  7. 自信がないという後継者の方へ 自信はどこからやってくるか?

  8. 後継者・二代目社長は功を焦るとうまくいきにくい