逃れられない親の影響

私が子どものころ、親の会社を継ぐというのはこんな風に言われることがありました。
「それは、親が敷いたレールの上を生きる事」
確かに一理あります。

親が何かしら生み出した道のわだちを辿って行けば、口笛吹ながら道を進むことができたかもしれません。
30年ほど前の事業承継なら・・・。
しかし今は様変わり。
さすがにそんな言葉を口にする素人もいなくなってきたのではないでしょうか。

それでも親の敷いたレールを逸脱するのは難しい。
それは経営している場合のみならず、親子である以上は相当な離れ業なのです。

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たとえば、親がジャイアンツファンで、うちの弟はタイガースファンです。
明らかに、アンチジャイアンツの色が濃い。
これは親への反発という要素が少なからずあります。
この時点で彼は、親のレールから逸脱できていないことになります。
なぜならば、親の影響を受けているという意味で、親の敷いたレールを走らされているのです。

親がゴルフをやりますが、私はゴルフを毛嫌いしています。
これもまた、親の影響を受けまくっています。

 

それ以外にも好きなものが親と一緒なら、それは親の影響の可能性は大いにあるし、
親と反対の嗜好なら、それも親の影響を逆の意味で受けている可能性は大いにあります。

 

会社で親の言いなりになることも、
会社でいちいち親のいう事に反抗するのも、
前提としてそこに親がいます。
もっというと、親が基準である、という事になっています。

 

こういう状況から完全に逃れることは難しい。

だから、自分が親の呪縛から逃れられていない人が、他人に対して「親の敷いたレールを歩いていていいのか!?」みたいなことをいいだすのです(苦笑)

 

ある意味、人が生きて、社会に出て、様々な苦労をすることの大部分は、そんな親の呪縛から飛び立つための訓練なのかもしれません。
何しろ人は、生活力を手にするまでの20年近くを親の庇護のもと暮らします。
この時代に人間形成が行われる中で、親の影響を受けないわけはないし、この時期に親と接する機会が希薄であればそれを取り戻そうと次の20年、40年、60年を生きようとします。
そこを逸脱するというのは、実は言葉で言うほど簡単なことではないのです。

だから親離れできない人が、親離れっぽい自分を味わうために、親の反対をやろうとする(意地を張る)と親の子の確執の出来上がりです。

 

親子の事業承継というのは、どんな家庭にもある親への依存心、あるいは親への影響力を卒業するための家庭を、仕事という公の場で行う過程とも言えます。
そこではビジネスセオリーと、感情というか人間性がないまぜになって、噴出してしまいます。
これを第三者的視点で見るともう本当にカオス。
そういうことをやってるんです。

だから難しくってあたりまえ。
ちょっとやそっとうまくいかないからって、頭を抱えてしまう必要はないんです。
みんなそういう過程を経ているものです。
そして面白いことに、だんだんと、その頭を抱える状況を、気が付いたら抜け出したりしてるんですね。
月日は少しかかるかもしれませんが。
ただ、次には別の頭を抱える問題があるかもしれませんが。

けどそうやって悩みごとのレベルが少しずつ上がって行って、いずれ卒業することもある(かもしれません)。
そこを目指して僕らは頑張るわけですが、けどやっぱり苦しいことには変わりがない。
じゃあなんで、ずっと苦しいんでしょう。
それは、ゴールがないからなんです。

会社をどうしたいとか、業績をどうしたいとかいう夢はあるかもしれません。
けど自分としてどうなっていたいというゴール、ありますか?
どんな状態になっていたら、あなたの事業承継は完了ですか?
これ聞かれても、答えられない後継者は、99.8%。(私調べ)

ゴールがないんだからそりゃあ辛い。
だからまず、自分がどうなっていたいかを考えてみてください。
もう少しわかりやすく言うと、「どうなればあなたは幸せですか?」
この問いに対する答えが見えれば、もう少し日々が楽しくなるんじゃないでしょうか。

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Blanka ŠejdováによるPixabayからの画像

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