子どもから見たとき、親は絶対的な立場にいます。
じゃあその親が、成熟した大人と言えるでしょうか?
最近は必ずしもそうとは言えないな、と感じることが多いです。
それは自分の親や、その人たちと同世代の人々を見てもそうですし、
そもそも50歳代に入った私自身もまた同じです。
実は、いい年になるまで人として成長する機会を得られなかった人も少なからずいます。
そういった親子が経営という場に立つと、広い意味での公私混同がおこります。
それが親子の事業承継をややこしくする原因の一つとも言えそうです。
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朝の通勤ラッシュの電車のホーム。
駅員さんにかみつく年配の方がいらっしゃいます。
原因は、電車の遅延。
駅員のせいでもないし、彼にかみついたところで状況は改善しません。
まともな大人なら、考えなくともわかる事です。
それでも言わずにはおれない。
だから、目の前の人にあたる。
これ、成熟した大人のふるまいでしょうか。
たぶん違いますよね。
人が成長するときはたいてい、何か困ったことがおこった時です。
今までの考え方や行動を続けていると上手くいかなくなった時、人はそれを変える必要性を感じます。
しかし、厄介なことに、そこで自分を変えることなく、相手にムチャ振りをすることで切り抜けていた人もいます。
むしろ、昭和の時代はそういった力業が、美徳とされていた一面もあるのではないでしょうか。
例えば部下のモチベーションが下がっているとき、どうすれば部下が自主的に動くかを考え、学び、実践すればその上司は成長できます。
しかし、自分が学んだり、自分が何かを変えることなく、ただ圧力だけで部下を動かそうとすると、一時的には状況は思い通りに動いたかのように見えますが、いずれそれはぼろを出します。
それをだましだまし、定年年齢まで続けてきた人は、仕事を離れると誰も寄り付かなくなった、なんていう話もあります。
能力が高いと評された著名人ほど、寂しい老後を過ごしている、なんていう話もたまに耳にします。
自分が学び、成長することを先送りしてしまった結果なのかもしれません。
そういった人たちが子どもを育てると、子どもは自己肯定感の低い状態になりがちです。
なぜかというと、親は自分の思いどおり子供を操ろうとするからです。
一人の人間として尊重されないまま干渉を続けられた子供は、独り立ちが難しくなってきます。
そしてその関係を持ち越したまま、親子で経営したりすると、わりとヤヤコシイ話になるのです。
実際のところ、中小企業の経営者というのはトリッキーな方が多いと思います。
逆にそうでなければ、経営者なんて務まらないでしょう。
ここがジレンマなのですが、経営者として個性を発揮する以上はむしろ物わかりのいい大人でないほうが、能力を発揮しやすい。
しかし、そういった個性を保ち第一線で活躍してきた人は、とげが多すぎて付き合いにくいのです。
そういった人が君臨する経営者、という立場を自分と転換しなければならない後継者の立ち位置というのはけっこう大変なものです。
たぶん、多くの親世代の人が、壁にぶつかった時、自分を変えずに壁を動かそうとしてきました。
そうやって仁王立ちしてきた親が、こんどは後継者の壁として立ちはだかることがあります。
ここで親は、壁となる事をやめるかと言えば、多分やめないでしょう。
しかし、親がこれまでやってきたように、障がいをはねつけるということを子どもがやろうとすると、一騎打ちになってしまいます。
するとやっぱり結果は、かなり激しい争いが勃発するんじゃないでしょうか。
だからと言って私は後継者に引き下がれというつもりはありません。
ただ不毛な争いをする前に、それを「自分が変わる機会」ととらえるのがいいんじゃないか、と思っています。
今、未成熟な大人が溢れているなかで、まず自分からいい感じの大人になろうよ、という提案です。
いい感じというのは、世の中に迎合するという意味ではなく、懐が深い、という意味です。
親子の事業承継の中で問題を感じ始めたとしたら、それは、いろんなものを受け止められる大人になるチャンス。
そんな風に考えています。
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