自分でも感じることがあるのですが、
跡継ぎ・後継者の方(に限った話ではないですが)
どこかに正解があって、その正解を探すことに労力を割いていないでしょうか?
それが実は、私たちの不安の原因ではないでしょうか?
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たまたま、ローランドさんの本を読んでました。
あの、ホストのローランドさんです。(『俺か、俺以外か。 ローランドという生き方 』)
で、けっこう「なるほどなぁ」と思ったのが、彼のこんな言葉でした。
先の見えない人生が怖いって?俺は先の見えてしまった人生のほうがよっぽど怖いね!
この言葉で、ある大手金融機関に勤める友人の言葉を思い出しました。
彼は言います。
「自分はこのまま働いて、5年後くらいにはあの課長の椅子に座ることになると思う。
そしてさらに10年くらいミスしないでいくと、うまくいけば部長になるかもしれない。
たぶん、自分のこの会社でのすごろくはそこが上がりで、その先は何もない」
彼に言わせると、それはあくまでベストなシナリオ。
会社が傾いてリストラをされるとか、問題を起こして降格されるとか、
そういった可能性も結構あるとのこと。
そう考えたとき、このまま今の会社にしがみついていて幸せだろうか?
と考えたとき、彼はいてもたってもいられなく、不本意な異動の辞令がでたとき、会社を辞めたそうです。
今は地元の中小企業のナンバーツーとして勤めていますが、かなりやりがいを感じているそうで、「まったく後悔はない」と言っています。
そんなことを言っている矢先、その会社は大規模なリストラを発表したのですが・・・。
跡継ぎ・後継者という立場に立ち、どこかしら不安を感じることもあるのではないでしょうか。
吹けば飛ぶような小さな会社かもしれないし、将来性のないビジネスにしがみついてる会社かもしれません。
しかし、大企業のサラリーマンと違うのは、自分の力が及ばないところで自分の処遇が決まるわけではない、という事です。
大企業は「安定している」と言われていますが、多くの人がリストラにおびえ、自分たちの都合に関係なく転勤させられたり、会社が合併されたりと、環境は意外と大きな変化があるのではないでしょうか。
特に今の時代、大企業だから安定しているとはいいがたい部分があるように思います。
ローランドさんの言う、先の見えてしまった人生というのは「ベストなシナリオがこの程度」というガッカリ感に支配されたビジョンだと思います。
だから彼は、ハイリスクではあるけど、ハイリターンを目指して、普通の道を歩むことをやめたようです。
幸か不幸か、経営者の将来というのは、シナリオが固定されていません。
会社は上場してしまうかもしれないし、
はたまた潰れてしまうかもしれません。
中小企業の経営者として何が不安かというと、会社をつぶすのは雲の上の誰かではなく、自分である、という点にあるのではないでしょうか。
自分に責任がかかっているから不安だし、怖いんじゃないかと思います。
これを背負う覚悟ができると、割と楽しさが勝ってくるんじゃないかと思います。
じゃあ、どうすれば覚悟ができるか?というと、もう気にしない、というのにつきます(笑)
私は、事業承継において、多くの人が「正解」を探しすぎているんじゃないかと思うのです。
行っておくと、事業承継にも経営にも、誰もが認める「正解」なんてありません。
しかし、子どものころから、学校や先生が用意した「正解」を探すことを教え込まれてきた私たちは、社会の中でも正解を探しがちです。
そこには先生も学校もないので、まあたいていは先代である親に「正解」を求めます。
親の姿がきっと正解で、その通りにやらなければだめなんだ、と思いがちです。
しかし、親の通りやるとたいていうまくいきません。
なぜならば、親と子どもでは持ってる個性も、経験も、全く別物だからです。
本当はそれこそが大事で、時代がどんどん変わっているからこそ、跡継ぎ・後継者の感性を活かすことがとても重要になってきます。
つねに、答えのある問題を解く癖を持っている私たち。
しかし、答えがない経営というジャンルにおいて何が必要かというと「課題」の設定です。
そもそも私たちは、どんな課題を解決するためにビジネスをするのか。
そのビジネスを行うにあたって、どんな課題があるのか。
・・・といったところでしょうね。
かつては誰かの問いにたいする模範解答ばかりを探し求めていましたが、
これからは、模範解答のない問いを自らに発することが重要になってきます。
そして模範解答がないという事は、未来どうなるかは見えないという事。
見えないという事は、不安につながるわけですが、それを補完するのがいわゆるビジョンと言えるものなのかもしれません。
もちろんそれで不安が解消するとは言いませんが、不安でいいんじゃないでしょうか。
誰かに答えを教えてもらっても、表向きの不安は解消できても、それが正解とは限りません。
とすると、結局は未来は見えないのです。
だから、見えないものを無理に見ようとするのではなく、不確定であることを楽しもうとする気持ちの余裕が大事なのかもしれませんね。
人生のネタバレ、ないほうが楽しいと思いますよ。
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