後継者

後継者が苦しい時の乗り越え方 

親の会社を継ぐ後継者は、たいてい孤独です。
経営者は孤独と言いますが、ある意味それ以上かもしれません。
そんな時、どうしようもなくツラかったり、泣きたいくらい苦しい時もあろうかと思います。
けど、後継者たるもの、弱いところを見せてはならぬ、なんて考えてませんか?

私はそうでした。

しかし、それは自分を追い込むことにもなりかねません。
自分一人で抱え込まないでほしいのです。


私の著書です。

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親の会社を継ぐ技術

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社員が一斉退職した時に私が考えた事

後継者として自分が何とかしなきゃ……

今から10年ほど前、事務社員が一斉退職したことがありました。
引き継ぎ期間は殆どなく、困り果てたことがあります。
それでも、誰かがその仕事をやらねばなりません。
結果、私がその仕事をやりました。
わき目もふらず、ただ、必死でやりました。

営業社員には、出来ることは自分でやるように指示。
一切の文句は受け付けず。
そして、なんとか自分だけでやり遂げなくては、と必死でした。
どこにもそのストレスを吐き出すこともできず、ただ黙々と仕事をする。

けど、思うのです。
残ってくれた人もいるのだから、素直に頭を下げて協力してもらえばよかったのです。

どんなに苦しくても仲間がいれば大丈夫

本当につらいとき、その辛さを誰かに持ってもらうことなんてできません。
けど不思議なことに、一緒に居てくれるだけでほんの少し心が楽になることだってあります。

次の動画は、病気か何かで頭をそらなくてはならなかった女性の動画。
苦しい思いを一人ためて、涙をこらえています。
けど、店員さんが「俺も」とばかりに頭をそり始める。
それだけで彼女はすくわれたのです。
頑張ろうと思えたのです。

 

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人間って不思議なもので、何一つ物事が解決していなくても、
想いを分かつことで、頑張ろうという気持ちが湧いてきます。

つまり、物事の直接的な解決が、私たちの悩みの解決につながっている、というわけでもないのです。

とはいえ、社員が皆辞めてしまった後継者にとって、仲間って誰なのでしょう。

後継者が日頃の悩みを解消できる場所・方法

後継者にとって最も大事な孤独からの脱出

後継者は孤独に陥りがち、という話を冒頭にしています。
しかし、孤独というのはとても危険です。
だからぜひ、友達を作ってほしいのです。
もしかしたら、学生時代の友人や、それ以外でもいいし、配偶者や強打でもいいのです。
今の自分の悩みを吐露し、それを聞いて、共感してくれる人さえいればいい。

アドバイスをくれる人がいいと思いがちですが、それは良し悪しです。
本当に的確なアドバイスをできる人は限定的ですし、所詮他人事なのでその精度は期待できるものではありません。
ただ、一緒に居てくれる。
そんな人を見つけてほしいと思います。

身近に思いつかない場合は、経営者団体や各種コミュニティの中でいろんな人とかかわってみることをお勧めします。
きっと、自分の居場所がいつかは見つかるのではないかと思います。

後継者が周囲に期待することはいったん忘れてみる

もう一つ言えるのは、私達後継者は、自分のコントロールできない所に意識が向きがちです。
先代や社員が自分のお思い通りに動てくれないという。
そうすると、そこにばかり気持ちが行ってしまいます。
そして、不平不満をじっくり味わってしまうわけですね。
頭の中では、「自分は正しいのになんでわかってくれないんだ?」って思いがぐるぐる回ります。
そのグルグルを意識していると、どんどんグルグルのスパイラルにはまってしまいます。
すると、しんどいんですね。

意固地になって周囲を変えようとするほど、周囲の人や状況も意固地に変わるまいと構えがちです。
そういった場合には、どちらかの主張を貫くというより第三案を考えるのが現実的。
そこまで考える前に、まずは、「相手の意見を受入れる」というゆとりを持つことが必要になります。

私たちの主張をする前に、相手の主張にしっかり耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

後継者は物の見方を変えてみよう

たとえば、冒頭の話のように社員が一斉退職したとします。
経営者としては、至らなかったところがあったのだろうか、何か間違えていたのだろうか、など様々な思いが渦巻きます。
そして、失った人員を育ててきたこれまでの苦労を振り返りながら、なんとも残念な気持ちにもなるでしょう。
結構凹みます。

けど、それは別の意味を見てみると、社内の仕事を刷新するチャンスでもあります。
人が変われば空気も変わるし、色んなリセット効果もあるでしょう。
これはムリヤリ物事をポジティブに受け取るというわけではなく、物事にはポジティブな側面と、ネガティブな側面の両方があるという事です。
そのどちらに光を当てるか、なのです。

経営なんてものをやっていると、日々トラブルの連続です。
それが、ただの苦行とか、ただの災厄と思って逃げ惑うだけなら何の意味もありません。
しかし、それを自己成長だったり、会社の円陣をブーストするチャンスととらえることができれば、より良い未来につながっていると考えられるのではないでしょうか。

この三つの事は、私が後継者という立場を30年続ける中で感じた後継者の生き方のコツです。
これが必要な方に届けば嬉しいと思います。

 


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