親の会社に入って少し時間のたったころ、あることを考える機会がありました。
それはウチの会社の、創業精神的なものってどんなものだろう?ということです。
そこで、親にインタビューをしてみました。
「どんな思いで会社を立ち上げたんですか?」と。
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インタビューの結果は衝撃的なモノでした。
「食べていくために」。
いやー、もう衝撃でした。
ウチの創業精神は、自分の生活を成り立たせるためにだったのか!と(笑)
まあ、その時は若かったんで、なんとなく親をさげすんだ気持ちになりました。
なんと意識の低い事か、と。
最近の起業はどちらかと言えば、世の中でどう役に立つかとか、
どう世の中を変えていくかとかいう想いをもって行われることが多いようです。
とはいえ、実のところ本当は、もっとお金持ちになりたいとか、世の中に認められたいとか、割と私的な理由で起業することがやっぱり多いんじゃないでしょうか。
ちょっと嫌らしい言い方をすると、後付けで創業精神ができてくるんじゃないかと。
自分に余裕がない時に、世のため人のため、っていうのはなかなか難しいんだと思います。
もちろん中には本当に、世のため人のために働いている人はいると思いますけど、どちらかと言えば起業家、それも成功する起業家はやっぱりはじまりは自分のためのことが多いように思います。
そんな父へのインタビューから、もう10年以上たちますが、自分なりの結論はこんな感じです。
私利私欲を優先させるフェーズもあれば、世のため人のために働くフェーズもある。
それを恥じることじゃないな、と思いました。
ビジネスにおいて、美学は結構大事だと思っています。
けど、美学より実利を優先させなければならない時は、やっぱりあると思います。
後継者に関して言うと、起業間もないころのお金のない時期を経験しないこともおいと思います。
潤沢かどうかは別として、とりあえず食べるには事欠かないお金がある状態で会社を引き継ぐ。
そうすると、美学をそこそこ重視するフェーズに入っている可能性が高いかもしれません。
だからといって、実利優先で起業した親を批判するのはちょっと行きすぎだと思います
大事なのは、フェーズが変わるタイミングです。
「ワンマン経営」が批判される企業の多くは、そのフェーズの転換ができなかったのがその原因にあるんじゃないかと思います。
特に、決定権が一人に集中していると、その決定賢者の心的変化を伴わないと、会社のカラーは変わりません。
それができる人と、出来ない人がいるのは事実です。
それを変える役目が、もしかしたら後継者にあるのかもしれないし、ないのかもしれない。
まあそこは個社の判断、ということになるのでしょう。
じゃあ、その美学って何よ?ということもまた、時代の変遷があるんじゃないかと思います。
だいたい、その業界が正しいと思ってることは、一般常識から外れていることも多い。
なかには、自分の世界、自分の考えるプロフェッショナリズムに酔っている人も結構います。
自分の正しさを顧客に認めさせることが美学と考える人ですね。
これはこれでありだと思いますし、顧客の本当に求めるものに最大限寄り添うことが美学と考える人もいます。
これまた、選択の問題なので、どちらでもご自由にどうぞ、ということになるかと思います。
どんな美学であれ、ないのが一番困ります。
なにしろ、顧客にとっての選択基準がないわけですから。
・・・ということで、つらつらと書き連ねてきましたが、結論が見えない、とお嘆きかもしれませんね。
ごめんなさい。
けどたぶん、結論は、私じゃなくて、当事者その人が出す問題だと思います。
私ならこう考える、という話はいくらでもできますが、決めるのは本人でなければならないのです。
実利優先か、美学を追求するかは、今の会社の状況、自分の心境、社会の動向、その他もろもろを見たうえで自分で考えるしかないと思います。
で、何が言いたかったかと言えば、美学も実利も大事なので、状況に沿った判断を自分でしましょう、ということです。
その答えは、自分の外にはないんじゃないかと思います。
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