親子で経営する後継者は総じてまじめです。
いえ、めちゃくちゃな放蕩息子か、まじめかのどちらかと言ったほうが正しいかもしれません。
しかし、まじめゆえの過ちというものがあります。
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親が経営者で、子が後継者。
こういう立場にあると、子はかなりまじめな人が多いです。
すると何が起こるか?というと、努力の方向を誤ることがあります。
具体的な話をしましょう。
ある保険代理店のTさんの話。
彼の業界は、メーカーである保険会社の委託を受けてその商品を販売する仕事です。
そのメーカーは支配的な立場をとっており、商品・サービスだけでなく、様々な要求を彼の会社に着きつけます。
たとえば、事務のやり方から、商品販売戦略まで。
ああしろ、こうしろ、とうるさいわけです。
そして、彼はまじめゆえ、それにすべて従いました。
たとえば、事務品質を上げるために、ずいぶんと厳しい指標をクリアするよう、事務社員に強いていました。
結果、事務社員は毎日残業の日々。
この残業手当は当然、Tさんの会社のコストで賄わざるを得ません。
Tさんご自身も、働けど働けど、収入は増やせません。
そんな状況を何とかできないものか?と相談を受けました。
私はまず伺いました。
その事務指標に、どんな意味があるのですか?
彼は言います。
「これをやらなければいけない、と言われているので」
さらに私は聞きます。
逆にやらなければ、何が起こりますか?
彼は答えます。
「メーカーに叱られます」
それだけですか?
たとえばお客様に迷惑をかけるとか、実質的な問題が起こるとか、ないのですか?
「ああ、ここと、この指標は、私たちの手数料収入(売り上げ)に関わってきます」
このビジネス、メーカーの評価を得るために、要求された事務をこなす必要があるわけです。
じゃあ、そこだけやるとどうなりますか?
さらに私は問います。
「ああ、そうすればだいぶ楽になるかも・・・」
私の見込みからすれば、仮に手数料収入が下がるであろう分野に切り込んだとしても、支払う残業手当を考えると会社としては楽になるのでは?と思うことさえあります。
そこまですれば、残業はおろか事務社員を一人減らせるかもしれない、とさえ思っています。
メーカーが上を目指せというのは、メーカーの都合です。
しかし、それを選択するかどうかは、あなたの選択です。
もちろん、メーカーとの関係を崩すことはよい事とは思いません。
ですからある程度、メーカーの方針を理解し、可能な限り協力することは大事なことです。
しかし、それにも限度があります。
できることとできないことや、会社の未来像をイメージして、今の仕事をコントロールすることは大事なことだと思います。
今回はメーカーの要望でしたが、たとえば税理士が提示した指標や、その他さまざまな人が「こういう指標を目指せ」ということを言います。
驚くのは、その価値を今一つ見いだせないくせに、「人並み以上の水準」を目指し、自慢げに語る社長も時折見かけます。
それがお客様のためになる事なら否定はしません。
しかし、そのいい子ぶりっこに振り回される周囲の人は、かわいそうだなとさえ思います。
指標というのは、あくまで経営を測る手段でしかありません。
その指標が達成された先に何があるのかをイメージできないものにこだわっているとしたら、
それを盲信と言わずしてなんというのでしょう。
指標に縛られて目的を見失うこと、けっこうあります。
(実は、ワタシもYouTubeに必要以上の時間をかけ始めてる現実がありますが・・・(;^_^A)
後継者という立場にいるあなたは、その行動の先の目的を見失わないことに注意を傾けていただきたいと思います。
とくに、先代が言う「やらなければならない」という言葉の中身は、目的が明確のないものも多いと思われます。
無責任な指標で会社を振り回すことなく、その目的を見抜く目を養いたいものです。
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