まさに敷かれたレールの上を歩いているかのよう。
後継者の多くが感じている事ではないでしょうか。
そう感じ始めると、そんなレールがどうしようもつまらなく感じられる。
じゃあ、そこから外れるにはどうすればいいのか?
なかなか答えが出ない。
そんな時に確認してみると参考になる事があります。
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後継者は不自由だ。
そんな風に感じる人は多いのではないでしょうか。
気が付いたら、親の会社を継ぐのが当たり前、的状態にある。
何も考えず、ここまで来たけれど、なんだか息の詰まる状況を考えたとき、
ああ、これは自分のやりたかったことじゃないのかもしれない、と気づく。
じゃあ、何がやりたいのか。
この問いにはっきりと答えられる後継者は意外と少ない。
「こうかもしれない」「ああかもしれない」
いろいろとぼんやりした思いはあるけど、
親のこと、社員のこと、またいまのそこそこ安定した収入を捨ててまで飛び込めるほど強い思いではない。
このどっちつかずの状況が気持ち悪くて、何かないかと探し続ける。
もうこうなると出口のない迷路のようなものです。
ジョン・F・ディマティーニは、著書『ザ・ミッション 人生の目的の見つけ方』で
こんなヒントを提供してくれています。
その迷路から抜け出す方法の一つに、
「あなたが何にお金をかけているか?」
という問いを立てるということです。
後継者に限らず、「成功者になりたい」とぼんやりと思い浮かべている人は多いと思います。
じゃあ、成功って何だろう?というと、たくさん稼ぐ人、というイメージが浮かびやすい。
後継者の方でも、会社の売上を上げ、たくさん稼ぐことが、かなり重要なミッションと感じてる方はいらっしゃるのではないでしょうか。
「ああ、きっと自分はお金が好きなんだ」と感じたとします。
となると、お金が好きな人は、それを貯蓄に回すはずです。
え?と思われるかもしれませんが、お金自体が好きならお金を残すために必死になるわけです。
決して使う(お金を手放す)なんてことはしない。
え、それはちょっと違うなぁ、と思ったとしましょう。
じゃあ何だろうと考えたときに、その大事なお金を何に投資しているかが大事になります。
その時に気を付けたいのは、表面的な部分だけ見ても答えは見つからないということです。
「車が好きで、いいクルマをちょくちょく乗り換えている」
ということなら、本当のカーマニアであるケースと、クルマという道具を使って自分をアピールしているケースがあると思います。
ファッションなんかについてもそうですね。
時計が大好きなら、時計を幾ら見ていても飽きないはずですが、他人の前でつける時計が高級ブランドでなければならないという人は、違う目的で高給時計を買っているかもしれません。
いえ、そもそもそういったものが好きなら、クルマを扱う仕事や、時計を扱う仕事をすればいいのです。
しかし、多くの人は、「ちょっと違うなぁ」と感じることでしょう。
こういった場合、自分を飾ることにお金を使っている、という可能性が高いのではないでしょうか。
私の場合は、仕事を始めてから、自分の知識やスキルを高めることにずいぶんと投資をしてきました。
書籍、セミナー、自己啓発プログラムなどなど。
怪しげなモノにも手を出したこともあります(苦笑)
今の私は、5,000円の本を買うのに躊躇はありませんし、
そこそこしっかりしたセミナーなら、5,000円はやすい。
いえ、50,000円でも安いと感じることもあります。
しかし、洋服に出す5,000円はかなり精神的にきつい。
Tシャツ1枚で5,000円とかいわれると、もう愕然としてしまいます(笑)
これ、二つのとらえ方があって、多種多様な知識を得ることで自分の弱さをカバーしようとしている可能性と、
自分を成長させたいという可能性があるんじゃないかと思います。
10年前の私はまちがいなく前者でした。
今ならかなり後者の要素が強いんじゃないかと思っています。
つまり、私はもちろん、多くの人は自分の「欠けた部分」を埋めようとしているのではないかと思います。
そして、前出のジョン・F・ディマティーニは、かけた部分を満たすことがその人のミッションである、と言います。
とすると、実は何をやっても、満たされない時は満たされないし、
満たされるときは満たされる。
目の前の仕事がどうとか、後継者という立場がどうとか、そういう問題じゃない、と言えるのかもしれません。
要は、欠けた部分をどう満たしていくかという手段自体は、なんでもいいわけです。
やりたいことがわからないのは、やりたいことを見ないようにしているだけなのかもしれません。
とはいえ、嫌だなぁと思いながら日々を過ごすのも精神衛生上あまり良くない。
だったら、月並みな話ですが、そのなかでも「やりたくないこと」をどうすればやらずに済ませるかを考えてみるというのはわかりやすい戦略です。
私の場合、販売会社に居ながら、営業するのをやめました。
しかも、販売会社に居ながら、営業社員をなくそうとさえ考えています。
そんなことでも、前向きに考えていると、可能性は見えてくるものです。
そしてそれはたいてい会社の大掛かりな改革につながります。
たぶん、業種の隔たりを飛び越えることにもなるでしょう。
ちょっとやり始めるとこれがけっこう楽しい。
じつは、「やりたいこと」って、何か一つ心の中に集約されたものがあるというものではなく、
手段は様々だけど、ちょっと抽象的なこと、ひとことで表現できないものなのかもしれません。
また、今ある特定の仕事なんかじゃなくって、今世の中にないものである可能性もあります。
そんな前提で、少し探索範囲を広げてみてはいかがでしょうか。
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