後継者

後継者が現状を笑い飛ばせるくらい楽になる方法

後継者の相談に乗っていると、一部の方である傾向が見てきます。
それは、自分の環境がいかに厳しいかを力説するのです。
大変なことはよくわかりますから、その心情は理解できます。
そして、それを相談する先がないことも。

しかし、人生に繰り返し現れるあるパターンに着目すると、その苦しみもエンターテイメントとなる可能性があります。





中小企業二代目サポーター
田村薫です。

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日々の日常がすでにしんどい。
会社へ行くことがつらい。
仕事自体も好きになれない人もいるかもしれない。
それでも休むことなど許されない。
なぜなら、私は後継者だから。

弱音を吐くことも、会社で弱みを見せることもできない。
誰かを誘って、飲みながら愚痴ることもできない。
けっきょく、後継者は自己完結が求められる。

 

ある人は、そこまで顕著な状況ではないかもしれない。
ただなんとなく、このままでいいのだろうか?という疑問が頭から離れない。
取り立てて何かが問題というわけではないけど、何かが足りない気がする。

 

またある人は、将来が不安でたまらない。
強い先代がいるから、今の会社はそれなりにまとまっている。
自分もその一員として、わずかながらも貢献していると思う。
しかし、将来経営者になる立場の自分としては、先代を失う恐怖は計り知れない。

 

これは、後継者や二代目経営者に限ったことではないかもしれません。
しかし、ぼんやりと思うのです。
普通の会社に勤めていたら、こんな思いはしないのだろうな、と。
人並みの仕事、人並みの生活、人並みの家庭を築けることができばそれでいいのに。
そう考えたところで、後継者であるがゆえ、人並みであることは許されない。

 

そんな日常から、一歩踏み出す方法。
後継者の方は、それを探しているのでしょう。
ある日突然、自分の立場が変化するような何かを。

たまたま自分がかかわった仕事が、とんでもない売り上げをもたらしたとか、
遊び半分で手を出した投資が、ありえないパフォーマンスだったとか、
自分がマスコミに取り上げられて一夜にして日本を代表する専門家になったとか。

しかし、残念ながらそんなことはめったには起こらない。
そもそも、そのための仕掛けをしないことには、うまくいくはずがない。
現実は残酷で、そんな仕掛けをしようとするなら社内からは猛反発。
袋小路に追い込まれたかのような状況に見える。

まるで檻の中にとらわれたライオンのように、小さな檻の中をぐるぐる回っているだけ。
持てる能力を生かすこともできず、一生を終えていく。
そんな風に考えると、ますますどんよりとしてしまう。

 

このループを抜け出すのには、何が必要なのだろう?

 

多くの場合、これを周囲のせいにします。
立場が悪い、環境が悪い、先代が悪い、社員が悪い、社会が悪い。
残念ながら、この思考をしているうちは、よっぽどの幸運がなければ状況が変わらない。
いえ、変わったとしても、変わった環境の中でまた似たような悩みのループに入ってしまう。
周りが変わっても、根本的解決に至ることはおそらく、ない。

では、自分はどうあればいいか。
この状態では、妙案は浮かばないことが多い。
檻の中のライオンは、檻の外の様子が見えないからです。

 

ここで、一つ提案をしたいと思います。
それは、檻の外から状況を眺めてみること。
すると、今まで見えなかったものが見えてくるのです。

 

あるシーンを想像してみてください。
何の変化もない日常の中で、ふと思いついた新たなプロジェクト。
これをやろう!と決意する。
詳細な計画を練り、社内で提案しようと画策する。
しかし、こう思う。
こんな大胆なプラン、先代が承認するわけがない。
お金もかかるし、失敗したら大変だ。
いったんは、そのプランをお蔵入りにする。

この時点で、主人公の目には、自分が落ちていく様子しか見えない。
ああ、やっぱりだめだ。
そんなあきらめに似た感情が自分を覆いつくします。
図はその様子を表しています。
オレンジのラインは、主人公の感情のライン。
人の形のアイコンは、主人公の立っている状況。

彼の正面に見えているのは、谷の奥底。
おそらく、そこは暗くて底が見えないのです。
だから、いつ抜けられるともわからない、闇の中をどんどん潜っていくイメージでしょう。
負の感情に支配されると、頭の中には、負の関連キーワードが次々と呼び起こされます。
今のつらい状況のみならず、過去の嫌だったことの感情があふれ出てきます。

当事者視点を持つと、このように目の前の出来事しか見えない。
いつ終わるともわからない苦しみの中でもがくことになる。

 

では、第三者の視点を獲得するとどうなるのでしょうか。
第三者としてあなたが見ている図は、落ちるラインの後にはのぼりのラインがあることがわかる。
つまり、ここを頑張れば、この先にはよりよい未来があることがわかるわけです。
人は、未来によくなることがわかると、結構な苦痛にも耐えられるものではないでしょうか。

逆に、第三者としてみるならば、起伏のない物語ほど面白くないものはない。
2時間の映画で、始まりから終わりまで、主人公が悩み続ける映画など、ヒットするはずもないでしょう。
私ならごめんです。
また、始めから終わりまで、うまくいきすぎる主人公にも共感は難しい。
そこに深みもなければ、学びもない。
絵空事として、二度と見ることはないでしょう。

努力して、挫折して、また起き上がって走り出す。
こういう物語だけが、人の心を引き付ける。
シナリオライティングの世界ではそういわれているようです。

あなたが自分の人生を俯瞰するとしたら、果たしてどちらを選ぶでしょうか。
檻の中で一生を終えるライオンのように、持てる力を発揮することなく一生を終えていきますか?
それとも自分の力を発揮できる状態を作るために、努力をしてみますか?

 

さて、今は苦しいし、悩んでいるし、不安もある。
これを消し去る簡単な方法は、未来を知ることです。
といっても、超能力を身に着けるとか、占いに頼れというわけではありません。
人は、あるストーリーをなぞるように生きることが多い。
これを知ると、未来をある程度読むことができます。
ここを抜けたらうまくいく。
それがわかると、つらい状況もまた、物語のエッセンスとして楽しむことができます。
少なくとも私はそうでした。

人がなぞりがちな流れ。
これを知ることで、今の苦境が、エンターテイメントになるはずです。

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