後継者

発想の癖を広げる

自転車(ママチャリ)に無数の傷がついているとしましょう。
それをピカピカに修理するのにいくらかかるかを見積もってください。
こんなミッションを課せられたらどうしますか?

普通は、傷に塗装をし直す、なんていうことを考えると思いますがママチャリにそんなことをしてくれる自転車屋さんがあるように思えません。
じゃあどうすればいいかと頭を悩まされていると、あるアドバイスを頂きました。
「傷がついたパーツをすべて交換する前提の見積もりを出せばいいのでは?」

なるほど、と思いました。
あたりまえと言えば当たり前ですが、私の感覚では自動車と同じように鈑金塗装をしないといけないイメージでした。
ただ自転車ですから、パーツを変えればいいというだけなわけです。
コスト的にはどっちがどうかはわかりませんが、コストの低い方法を求められているわけではありません。

私は、「自転車の塗装を治すというのは、たぶん自動車の塗装と同じなのだろう」「コストを抑えた方法を考えるべきだろう」という思い込みの中にいました。
そこから抜け出せたのは、ある方の何気ない一言だったわけです。

こういった思い込みというのは、他人から言われて初めて違う思考ができる事に気付くものです。
私たち後継者は、この「思い込みを外し、違う方向からの視点」を獲得することが大事だと思うのですがいかがでしょうか。

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自分達の職場の常識から物事を判断している

私が抜けられなかった思考の罠

冒頭の話は実際に私が経験した話です。家業の損害保険の仕事をしていますので、自動車事故の保険手続きを良くやっていたわけです。自動車は衝突すれば、たいてい、板金塗装が必要になります。
そういった日常の中で、まったく別の保険の事故対応の関係で、冒頭のお話のように自転車のキズについての話がありました。
保険会社が保険金を支払う前提には、それなりに正しいと思われる金額(損害額)を確定しなければなりません。
そこで、大事なのが、修理業者による修理見積書です。

しかし私の思考の癖は、自動車修理を自転車にも応用していました。ところがそんな修理見積は果たして出してくれるかどうかはかなり怪しそうです。(そんな修理作業をしているシーンを見たこともありませんし)
どうすればいいのかと頭を悩まされていたら、すかさず「部品交換の場合の修理代を見積もればいい」とのアドバイス。
これは私にとっては目からウロコです。

後から考えれば当たり前のことなんですが、自分が思い込んでいる思考があるとなかなかその思い込みから抜け出せないものです。

「常識」が世間を狭くする

こういった事例を挙げるまでもなく、私たちは「常識」というものにとらわれていることが多く、そこから外れたことに着想はおろか受容さえできないことが多いのではないかと思います。
今では少ないとは思いますが、以前よくあったのは、タクシーなどの上座。
上司を運転席の後ろの席に座らせようと奥に押しやりますが、上司が例えば足が悪いとしたら、それは決して上司のためにはなりません。
それでも奥に入っていただくのが常識だからそれを外せない人、昭和の時代にはけっこういました。

こういう仕事は、女性には任せられない、という思い込みも結構根強いものがあります。
私の家業における損害保険業界では、女性事務員がお客様から来る事故の報告のお電話に対応することはあまり行われていませんでした。(昭和の時代の話です)

こういった思い込みの数々は、本人が常識と思っているだけに、それを疑うことさえありません。
つまり、自分で囲い込んだ常識の枠の中から、自分から飛び出すというのはなかなかできることではないのです。

それを可能にするのが、
・葛藤や障害によって今までのように物事を進められなくなった
・他人のアドバイスや振舞に拠る気づき
などの外的な刺激です。

常識の中に埋もれがちな私たち

wnk1029によるPixabayからの画像

同じ常識を持つ中にいると居心地がいい

さて、こういった常識を破る一つのルートは、他人とのコミュニケーションがきっかけとなることが多いと思います。
しかし一方で、人はたいてい同じ常識感を持つコミュニティの中に所属しがちです。
なぜなら居心地がいいからです。
同じ感性を持つため、衝突が起こりにくいわけです。

となると、ここでは自分の常識を疑う機会に恵まれませんので、同じコミュニティに属し続ける限り、そこでの新たな気づきは得にくい可能性があります。
さらに、「常識」というのはコミュニティの多数意見です。
その常識から外れた思考をするという事は、コミュニティとは少し離れた思考回路を持つという事です。
だから時として、今まで居心地のよかったコミュニティがいづらくなることもあります。
そんなリスクがあるから、そのコミュニティの常識に染まっていたい、という無意識の思いもあるかもしれません。

だからどうしても私たちは、今まで信じていた常識を手放したくない、と感じることが多いように思います。

変化を起こすには違う視点を

とはいっても、今目の前にある状況が、葛藤や障害であるとしたら何かしら違う方法を試すべきタイミングなのではないかとおもいます。
その際に必要なのは、違う視点。
何かしらのひらめきがなければ、どうしても従来型の思考をぐるぐると試すだけになってしまいます。

そこに新たな視点を提供してくれるのは、たとえば本やセミナー、ネット情報などが手軽です。
一方で、日頃コミュニケーションをとらない人たちとの対話はとても刺激的なブレイクスルーを起こす可能性があります。
私自身色んなセミナーで出会った人たちとの交流は、なかなか聞くことのない意見がたくさんあってとても参考になったことを思い出します。
そんなコミュニティの中でもまれる中で、まさに冒頭のようなAHA!体験をすることで、大きく人の行動が変わってくるケースが多いのではないでしょうか。

ぜひ、今までにない人たちとの交流を楽しんでみてください。
切った何か変化が訪れるはずです。

 

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