後継者

後継者は親を超えてはいけない!?

「お父さんを超えるような経営者になりなさい」
ま、後継者ならよくそんなことを言われると思います。
お気楽にそんなアドバイスをする人は、実情をよく知らない人です。
その教えを真に受けるとひどい目にあうこともあります。
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「鏡よ、鏡、鏡さん・・・」
かの有名な白雪姫のワンシーン。

鏡に誰が世界で一番美しいか?と問うと、鏡は「王妃様」と答えます。
それがある日を境に、違う答えをつぶやき始めた。
世界で一番美しいのは、白雪姫だという。
王妃は嫉妬に怒り狂い、白雪姫を亡き者にしようと策を弄する。

 

おとぎ話だけに、極端にも見える反応ですが、リアル世界でも似た思いをすることはあります。
王妃は、社内の王、先代経営者。
鏡は、先代のイエスマンである番頭さん。
白雪姫が後継者。
このような配役にすると、親子経営で起こる確執の背景が見えやすくなります。

社内で絶対的な支配力を持つ先代は、番頭さんたちの忠誠を確かめながら経営をしています。
常に経営の実権を握り、他人に譲ろうとしない経営者は、そうやって社内外の注目を集めることで心の平和を保っています。
「あなたが世界で一番美しい」ではありませんが、「あなたが社内で一番有能である」というメッセージを受け取ることができる状況を作っています。
そんな折、白雪姫ならぬ後継者が頭角を現すと、先代は心穏やかならぬ日々になります。

白雪姫における王妃は「美しさ」ことが彼女の生存価値、と自分では感じていたことでしょう。
先代経営者においては、「経営者」として周囲から頼りにされるのが生存価値であることが多い。
王妃も、先代経営者も、その生存価値を失うことは、生きる意味を失うことです。

 

王妃は美しさを白雪姫に奪われて、嫉妬に狂った。
先代経営者は、後継者が力をつければつけるほど、それを阻もうとする傾向が強くなってきます。
また、後継者もまた自分の地位を確保したいから、先代を排除しようとする。
どちらが先に仕掛けるかは、個社によって事情は違うでしょうが、そこから親子の確執が生まれます。

残念ながら、手放しで双方の成長を祝えるほどに単純な関係性ではないのです。

そんなことを、外野の人たちは知っては知らずか、親を超えろと簡単に言う。
で、多くの後継者は、まじめに努力して親を超えようとする。
子がしっかりしてくると、親は抵抗し始め、
子が能力を発揮できないでいると、無能とののしられる。

その解決策をおとぎ話に求めてみよう・・・
と探してみましたが、この手の話の終わりはハッピーエンドと言っても見方が一元的です。
お姫様は幸せになったかのように見えますが、イジメていた人たちは失脚して終了。
つまり、主人公から見た「敵」は、舞台から消え去ります。
その引き金を引くのは、たいてい主人公なわけです。
物語の中では、それでいいのかもしれませんが、現実的にそれは後味の悪い話です。
また、完全に息の根を止めなければ、報復が待っているでしょう。
もはやここまでくれば泥沼です。
(その様子を、皆さんは有名企業の”お家騒動”という形で見聞きしているはずです)

 

参考になるネタがないとなると、新しい物語を紡がねばなりません。
たとえば、白雪姫の話から考えると、そもそも競い合うからいがみ合う。
それぞれの場所を意識して確保すればいいのです。
このヒントだけで、ああそうか、と思える人も、そうでない人もいるかもしれません。
けど、そんな視点でちょっと考えてみてください。
すると、今まで見えなかったものが見えてくるはずです。

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