後継者

あなたのゴールはどこに? 親子経営で見えにくくなる人生の目的

世の中には、理解しがたい人がいるものです。
死と隣り合わせの冒険を繰り返す人、
野生動物に襲われる危険をものともせず自然保護のために活躍する人、
紛争地域でいつ爆弾に吹き飛ばされてもおかしくない地でボランティアをする人など。

子供のころは、そんな人をみると、理解不能としか言えませんでした。
しかし、今は全く違う感情を抱いてしまします。


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親の会社を継ぐ技術

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世の中にはこう主張する人が多くいます。
「ゴールを設定しよう!」
もっともな話です。

ならば聞きます。
「あなたの人生のゴールは?」

まぁ、こんな話をすると、
コイツおかしい?とか思われそうですね。
冷めた人なら、
「最後はみんな死ぬんだし、ゴールは死?」
なんて答えるかもしれません。

 

確かに、それが現実です。
人は生まれた瞬間から、死へのカウントダウンが始まっています。
その期間が長いか、短いかだけの違い。

しかし、誰も、死ぬために生きているわけではありません。
冒頭の”無謀な人たち”は少なくとも死ぬために生きているとは思えません。

私は、子供のころ、こういう人たちの事が理解不能でした。
しかし、今は少し違った感情を持っています。
とてもうらやましく思うのです。

 

私が中学時代、やけに頭にこびりついていた言葉があります。
「敷かれたレールに乗せられた人生なんて…」
ちょうど、校内暴力まっさかっり。
尾崎豊が一世を風靡した時代ですから、
わたしだけの感情ではないのかもしれません。

それがいつの間にか、敷かれたレールにすっかりのっかった訳です。
家業の跡取りとして仕事を始めたのですから。
なんとも皮肉なものです。

 

しかし、そこまではあまり人生の意味など考える事もありませんでした。
今から考えると、日々をとりあえずやり過ごせばいいと思っていたかもしれません。

人生のゴールって何だろう?
そんな思いを持っているのは私だけだろうと恥ずかしい思いを持っていました。
そんな事を口にすれば、きっと変な奴と言われるだろうな、とあまり人に話すこともありません。
しかし見ていると、人生のゴールを見つけられず、ただ毎日をやり過ごしている人をたくさん見かけます。

 

それを自分で認め、受け入れている人もいれば、
その虚無感を
仲間とつるんだり、
お酒で紛らわせたり、
優等生を演じて賞賛を受けたり、
人をののしったり、
そんな事で埋め合わせて、気づかないようにしている人もいるように見受けます。

 

この虚無感がどこからやってくるか。
それはどうやら、自分の本性を隠してるシグナルのようです。
”本質的な自分”で生きていないんですね。

 

特に跡取り息子(娘)なんてことになると、非常にややこしい。
両親の子供としての自分、
二代目としての立場にある自分、
会社の経営者・経営幹部としての自分、
家庭人としての自分、
・・・と際限なく続くわけですが、色んな役割を”演じて”ます。

何となく感じたのは、
二代目だからこうあるべきとか、
経営者だからこうあるべきとか、
そういうことを捨てちゃうんです。
社員を守らなければならないとか、
「べき」とか「なければならない」という言い回しの言葉を使っているうちは、
多分、人生の目的なんて見つからない。

こういったとってつけた用の感情を捨てたときに、
私はどうしたいのか?と問うてみる。

 

そうすると、ちょっとずつ緩んでくるんですね。
二代目だからこう考えるでもなく、
経営者だからこう考えるでもなく、
自分だからこうなんだ、という風に。

 

その状態で考えないと、人生のゴールなんて、見つけられるはずありません。
なにしろ、二代目視点で定めたゴールは、二代目仮面をかぶって定めたゴールですから。

 

で、冒頭の命知らずのやつら。
彼らは、多分、自分の立場とか、そんなこと考えてません。
自分の内から湧き出てくる感情に忠実にやってるんでしょう。
頭で考えたら、あんなことできるはずはありません。

普通の人なら、思考がささやくはずです。
「そんなことして何の得になるんだ。」
「そんな危ない事をして、何かあったら笑われるぞ。」
けど、そんな思考をスルーしてやっちゃってる。

彼らはもしかしたら、志半ばで命を落とすかもしれません。
しかし、何となく常識的に生きて長い人生を過ごすより、
きっと短くてもふとい人生を生きるのでしょう。
少なくとも「〇〇でなければならない。」というところに縛られているより、
充実した人生を生きているのではないでしょうか。

なにより確実なことは、彼らはまがう事無き人生の目的を明確にしている、という事。
目的のパワーがあるからこそ、あれだけ生き生きとしていられるのでしょう。

今すぐゴールが見えなくてもいいと思います。
それでも、自分の命を使って、何を成し遂げたいかを考える機会、
作ってみてはいかがでしょうか。

 

 


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