話題の本、LIFE SHIFT(100年時代の人生戦略)を読み始めました。
私、実は変なところで納得する部分がありました。
それは、まえがきの中で簡単な著者の紹介があったのですが、
本書は経済学と心理学をそれぞれ専門分野に持つ人が書いた
といった自己紹介がありました。
そこであることにはたと気づかされたのです。
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私の著書です。
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LIFE SHIFTについては、私もまださわりしか読んでいませんので、
今日の記事の内容はそこから外れているであろうことは、はじめにお話ししておきます。
さて、最近ぼんやりと感じることがあります。
それは一つの専門分野を徹底的に深めても、それが現実の社会の中でのニーズにこたえきれないということ。
一昔前の話ですが、私の会社のコンピューターネットワークに問題が出たことがありました。
パソコンのサポートに電話すると、あれこれ試したうえで「パソコンの問題ではありません」という。
ルーターのメーカーに聞いてください、と。
ルーターのメーカーサポートに聞くと、やはりあれこれ作業させられた結果、ルーターの問題ではない。
ネットにちゃんとつながるようにしたい、という当たり前のことをやるのに、たらいまわしにされたうえで望む結果が得られない。
最終的には、そのあたりの知識に明るい友達に来てもらったように記憶しています。
私が望む状態をもたらしてくれたのは、ちょっと詳しい素人でした。
さて、お客さんは何を求めているかと言えば、先の例であればネットワークが正しく動くこと。
パソコンのどんな深い知識があろうが、ルーターの専門家であろうが、お客さんにとっては関係のない話です。
あなたが何の専門家という事が重要なのではなく、お客さんが求める何ができるのかが重要な話でしょう。
となると、今目の前にある業務に関する知識がいくら深くとも、お客さんにとっては役に立たない。
今までは、技術や商品、そこに付随する知識がとても重要でした。
しかし、今の時代お客さんは、商品そのものの説明よりむしろ、自身がやりたいこと、やろうとすることをどうサポートしてくれるかが重要になってきているように思います。
といっても、メインとなる事業の深い知識が不要というわけではありません。
それはあって当たり前。
そこから更なる、分野をまたいだ専門知識が必要となるようにも思えてきます。
たとえば、社会保険労務士なら、給与制度を作る機会があるようです。
私の見る限り、多くの場合、モデル賃金規定や、大企業の事例を中小企業向けにアレンジしていることが多いようです。
しかし、経営者は、給与体系を単なる「お金の振り分け方」を目的としては考えていません。
これをベースに、社員の成長を促し、モチベーションを維持させよう、という思いがあることでしょう。
しかし、モチベーションマネジメントや、社員の学習・教育についての知識を持つ社会保険労務士はほとんど見かけません。
お客さんにとっては、「この分野の知識が深い」と言われるより、
あなたが実現したいことをお手伝いできますよ、といわれるほうが納得感があります。
ところで、親のはじめた家業に魅力を感じない。
家業が好きになれない。
そういう後継者の方は結構いらっしゃいます。
それはたぶん、家業の専門分野を突き詰める、という前提だからという側面があるのではないでしょうか?
それが好きならそこにまい進するのも一考ですが、好きになれないならもう一つ、自分なりの専門分野を作るというのは時代に即しているように思います。
新たな専門分野と、従前の専門分野をうまく組み合わせて、お客さんが望むべき状態を実現する。
これこそ後継者が目指す方向じゃないかと常々思っています。
もしかしたらその過程で、扱う商品が変わるかもしれないし、
お客さんの顔ぶれも変わるかもしれない。
数年のうちに家業は違う形になっているのではないでしょうか。
IT技術に車の”皮”をかぶせたテスラなんていうのは一つの好例かもしれませんね。
もう一つの専門分野。
それはたいてい、後継者のこれまでたどった道筋や嗜好にあるんじゃないかと思います。
あなたが、だれにも負けない知識や経験がある分野。
きっと一つくらいは思い浮かぶのではないでしょうか。
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