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制限された中で「自由」を感じる考え方~跡継ぎ・後継者・二代目社長のレッスン

事業承継で、跡継ぎ・後継者・二代目社長が抱く思いの一つに、「自由がない」というものがあろうかと思います。
さかのぼってみれば、職業選択の自由を感じられなかった経緯があったり、会社に入っても自分が好きなことをできずにいる状況があったり、常にダメ出しを食らっていたり。
そういった環境のなかでは、どんどん不自由さにフォーカスして、苦しくなってしまいがちなのですが、そこから抜け出す方法はあるのでしょうか?

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長期的ストレスで常に緊張状態を強いられる跡継ぎ・後継者・二代目社長

跡継ぎ・後継者・二代目社長の目標は「社長として成功する事」一択!?

跡継ぎ・後継者・二代目社長という役割にあると、長期的なストレスにさらされる傾向があるようです。そもそも人は、「物事を自由に選べない」という環境にストレスを感じ、そのことはやる気を失うキッカケとなります。跡継ぎ・後継者・二代目社長の場合、まずは会社に入ったいきさつからして「物事を自由に選べなかった」という思いを持っている可能性は非常に高いと思います。本当は、こんなことをしたかったんだけど、という公開を抱いている人も少なからずいらっしゃるようです。

それでも、仕事を楽しくやっていればいいのですが、跡継ぎ・後継者・二代目社長の場合、「会社をしっかりと継ぐ」までは続くプレッシャーがあります。多くの人のキャリアパスは、「上手くいけばここまで行けるかも」という状況による加点式評価のようなものですが、跡継ぎ・後継者・二代目社長の場合、ゴールは否応なく決められていて、それが完遂できなければ落ちこぼれ、的な見られ方をします。上手くいけば部長かなぁ、じゃなくて、社長一択。その壮大なゴールと自分の現状を見比べ、常にストレスを感じている跡継ぎ・後継者・二代目社長は、長い間ストレスによる緊張状態を強いられていると考えられます。

追い打ちをかける周囲のダメ出し

そんな壮大な目標が与えられる中で、じゃあ跡継ぎ・後継者・二代目社長は周囲から惜しみない後押しを受けられるのか?といえば、必ずしもそうとは言えないようです。たとえば、跡継ぎ・後継者・二代目社長のやろうとすることには多くの場合反対者が出てきます。現場の社員しかり、古参社員しかり、そして先代しかり。

跡継ぎ・後継者・二代目社長は、「会社を継ぐことが必要なのだから、会社はそこに最大にコミットした状態」である事を無意識に期待しがちです。自分が会社を継ぐにあたって、全員が全力でフォローしてくれるというのが「スタンダード」という思い込みがあるのではないでしょうか。しかし、実態は反対意見を抑えながら、前に進むというなかなかのハードなシチュエーションになります。乱暴な表現をするならば、味方のいないなかで会社を整え、前進させるというハードなタスクを私たちは背負い込んでいるのです。味方という前提だった人たちが、そうでもなかったということもまた、跡継ぎ・後継者・二代目社長のストレスを大きくする要因と言えるのではないでしょうか。

跡継ぎ・後継者・二代目社長が自由になる方法

周りを変えようとする回り道

この時にありがちなのが、跡継ぎ・後継者・二代目社長は周りを変えて、自分の自由を手にしようとすることです。社員を説き伏せ、古参社員をねじ伏せ、先代とガチで戦う。そうやって屍を乗り越えた先に自由がある…という感じでしょうか。このような行動に出る場合、跡継ぎ・後継者・二代目社長は「自分が正しい」という意識を持っていることが多いと思います。自分が正しいから、自分に対する反対意見は間違いである。だから、自分への反対意見はすべて正すべきである、という考えに至ります。しかし厄介なのは、正誤で話をしようとすると、跡継ぎ・後継者・二代目社長に反対する彼らも、彼らの正義をもとにした意見を持っています。そしてそれによると、自分達の方が正しいということになります。けっか、双方の言い分は平行線、ということになってしまいます。

余談になりますが、奴隷出身の哲学者エピクテトスが面白い主張をしています。彼は奴隷を経験していますが、その時に自由を感じていたようです。そのコツは、「どうしようもないことを思い悩まない」ということです。変えられないことを、必死に変えようとするとか、曲げられないことをなんで曲げられないんだ!と憤慨するような無駄をしても、心をふさぐだけで何一ついい事はありません。大事なのは、「自分が影響を及ぼせること」に集中しましょう、ということです。

そうした瞬間、自分が影響を及ぼせない部分(たとえば、人の心を変えるとか)が視界から消え、グッと楽になると言います。たとえば、振られた異性にいつまでも「振り向いてほしい」と思い続けるのが、不自由な状態。振られた異性のことは忘れて、次のチャンスを探すのが「自由」な状態。なにしろ、自分が変えられることだけを考えているのですから、やりたければやる、というだけのシンプルな話になってきます。道路は、「ここからここまで」と走っていい場所が明確にされています。その範囲内においては私たちは自由に運転できるのですが、これを「道路の向こう側を乗り越えて走りたい」と考える人はあまりいないと思います。走れる場所を走る、ということに集中すればあまりストレスは感じないものではないか、ということです。

出来ないことはさっさと忘れて出来ることに集中する

跡継ぎ・後継者・二代目社長にとって、やりたいことに対していろんな制止がかかると思います。このやりたいことが、本当にやりたい事であれば、たぶん、いろんな反対を乗り越えてでも実現しようと動くと思います。けどそうではなくて、ストップをかけられた時点で意気消沈するような感じであれば、それはその程度のことだったのかもしれません。本当にやろうと思ったことをやり通すことはもちろん大事だと思いますが、一方でそこまででないことに関しては、今やれることに集中して、今やれることを工夫して、やってみることが大事なのではないかと思うのです。奴隷という究極の状況にいた人が、そこに自由を感じられたのならば、私たちはもっと広い事由があるように思うのです。出来ることに着目してみてはいかがでしょうか。出来ないことに執着することはいったん辞めてみましょう。新たな世界が見えてくるかもしれません。

 

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