後継者

親子確執のタネは良し悪しが勝ち負けに変換されるというところにある

「正しいか」「誤りか」
人は、こういった判断をしがちです。

結局その話は、
「勝ったか」「負けたか」
という話にすり替わり、だれも得をしない話になりがちです。

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こんにちは。
中小企業二代目サポーター田村薫です。

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これは私も反省するところがあります。
たとえば、時代に違和感を感じる先代。
これからの時代を担う後継者。
立場的に、 後継者の主張が正しい。
そう断じることがあります。

これ、実は微妙な問題をはらみます。

 

自分が正しいなら、異を唱える相手は間違い。
正誤、良し悪しを判定しようと、相手と敵対する姿勢に入ってしまいます。
それが発展すると、双方が弁護士を従え、喧嘩を始めます。
法廷は、物事の善悪を判断する場所ではありません。
法廷は法律というルールにおいて適合しているか否かを判定する場。
当事者同士は、「勝った」「負けた」という話になります。

それで得るものがあればいいのですが、ますます対決姿勢を強めるのではないでしょうか。
法廷は、親子の感情をなだめる場所ではないわけです。
そして、正しいか誤りかを問い始めると、結局行きつく先は、
勝ち負けを決めることになってしまうのです。

 

もちろん、そんなことが必要な時もあります。
けど、普通は、いがみ合いたくない。
それが本当のところなのではないでしょうか。

 

また、正誤の判定というのは難しいものです。
算数のように答えが用意されているものではありません。
だから、会社の成長においては「正」と判定されることが、
マネジメント上は「誤」と判定されることもあるでしょう。
会社とは様々な意志の集合体ですから、
絶対的に「正」といえるものがあるのかどうかも怪しい。

 

 

しかし、企業ともなれば、いろんな考えが親子を迷わせます。
メーカーは、Aという道が善である、という。
税理士は、Bという道が善である、という。
世論は、Cであるべきだという。
顧客は、Dがいいようだし
社員は、Eとつぶやく。
それぞれが、それぞれの価値観を表現します。

もちろん、当事者は悪気はないのですが、
ああすべき、こうすべき、と意見を表明してくださいます。

つまり、人がいればいる人だけの数の”正解”がある。

 

そこで考えてみましょう。
とるべき道は、先代の考えか、後継者の考えか、
二つに一つなのでしょうか。
どちらかを全面的に採用しなければ、うまくいかないのでしょうか。

先代自身は、先代の考え以外にはありえないと思っている。
後継者もそう思っているとしたら、戦争は必至です。
相手を打ち負かして、自分の意見を通さねばなりません。
しかし、よく言います。
「打つ手は無限大」
なのに、なぜ、自分の考えにこだわるのでしょうか。
それは、視点が完全に自分視点になっているからではないでしょうか。

少し自分視点を離れて、全体を俯瞰してみましょう。
先代の言うことを一度は受け取ってみる。
ほかの社員はどう考えているだろうか。
お客さんは何を求めているだろうか。
そして社会はどう動いているだろうか。
視野を大きく広くとると、自分がこだわっていたことが意外とどうでもよくなることもあります。

別に、自分の意見を引き下げるべきといっているわけではありません。
すべての意見が、ある意味においては正しい、と知ることができれば、全体を通して動かすことができる道が見つかるのではないか。
そんな風に思うのです。
そもそも、関係者全員の考えややり方を包含した方法だって思いつくかもしれません。
私たちの本来の目的は、勝ち負けを決めることではありません。
会社が発展し、円滑な事業承継を完成させることが差し当たっての目標ですね。

一昔前、「上司は部下に嫌われてナンボ」という考え方がありました。
これは、軍隊式の組織管理という考え方が前提にあるのでしょう。
強制的に部下を動かさなくてはならない、という思い込みが前提にあったわけです。
その前提がある限り、部下に嫌われず、業績を上げるマネジメントなど思いつかなかったのでしょう。

今のマネジメントは、部下が自発的に動くための場の設定をするのが上司の役目。
部下とのコミュニケーションを図り、上司の思いを共有し、そこに向かって働きたい。
そんな方向に転換しつつある時代。
つまり、部下に嫌われる上司は、使えない上司です。

私たちは知らないだけで、まったく違った方法はいくらでもあります。
そんな時に、自分のアイデアにこだわりすぎることは、危険でさえありそうです。
私たちが目指すところは、余裕をもって周囲の意見を受け入れる。
そんな大きさを身に着けるところにあるのではないでしょうか。

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