後継者

中小企業は競争してはいけない~後継者の戦略

数年前になりますが、ある機会があり高名なコンサルタントの方に質問する機会を得ました。
そのコンサルタントの方の名前は、神田昌典先生。
その時に言われたことは、今でも心の中に強く印象に残っています。

それは、今までの価値観を揺るがすものでした。


私の著書です。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

親の会社を継ぐ技術

親の会社を継ぐ技術

 

 

 

 

 

 

ブラッシュアップアカデミー(無料版)


 

■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ
■YouTubeチャンネルで動画配信も行っています!こちらをご覧ください。

 

私の家業は保険代理店です。
私はこの事業の将来性を疑問視していました。
実は、近い将来、保険という商品は今の形で存在しないのではないか?という予測を立てたからです。

そもそも保険というものの成り立ちは、「助け合い」の考え方から始まっています。
そのルーツをたどると、石器時代にさかのぼるという説があります。
仮に両親を事故で失ったとしても、石器時代のコミュニティの中では、村の人々が共同で子供を育てたわけです。
人々の得たい結果は、お金をもらう事ではなく、そういった危険に接しても今まで通りの生活ができる状態です。
当時は、お金という概念がなかった分、シンプルにコミュニティが解決してきたわけです。

 

それが歴史を経て、通貨が発達し、核家族化がすすみ、それをビジネスとして成り立たせたのが保険です。
しかし、その仕組みも10年ほど前から軋みが出てきていたように私は感じていました。
そもそも、こういった公共性の高い仕組みを、営利企業が胴元をやっている時点で違和感があります。
一昔前なら、社会的意義を感じて働いていた人も、妙なグローバリゼーションの中で方向感を誤っている感じが否めなかったのです。

つまり、私たちもまた、今のままではいけない、と感じてはいました。
しかし残念ながら、ではどうすればいいのか?という答えは見つかりませんでした。

 

そんな折、たまたま巡ってきた、神田昌典先生に直接質問をする機会。
何か質問しなければ損、とばかりにとっさに出た質問がこれでした。
「手っ取り早く火災保険方法を売る方法はありませんか?」

今から考えると、顔から火が出る思いです。
その時にいただいた回答を要約するとこんな感じでした。

「保険の世界は、差別化が難しい。
だからひたすら同業他社との競争なんです。
同業者と競争して、一位を取るというのが好きならいい。
その方法はいくつかあります。
しかし、それでは疲弊してしまうでしょ?
そもそも、これからの時代、○○業というふうに、従来の業種区分で区切られるビジネスは厳しくなる。
もうすこし根本的な解決策を考えたほうがいいのでは?」

 

その時、何となく自分の中にある、わだかまりのようなものを言い当てられてしまった、
と冷や汗をかいたものです。

余談ですが、このやり取り、実は、神田先生の書籍にダメな例として掲載されています(汗)

 

さて、恐らく多くの方は、保険という商品がそうそう大きく変化するイメージは抱きにくいのではないでしょうか。
実は、業界の中にいるほとんどの人は、少なくとも1~2年前まではそんなイメージを持っていなかったと思います。
しかし、テクノロジーや社会の変化に加え、今では行政が動いて相当大きな変化がおこり始めています。
そもそも、業者間の競争を業者が「顧客の不利益につながる可能性がある」と見始めているわけです。

同業他社と同じ戦略では、市場のみならず、監督官庁からも見放される時代が始まりつつあります。

 

とくに、中小企業においては、大企業とまともに戦っては消耗戦となり、勝てる要素はほとんどなくなります。
そういったときに、唯一普遍的に正しいと考えられそうな戦略が、ニッチ戦略です。
大企業と同じことをやろうとするのではなく、同業他社と同じことをやろうとするのではなく、
独自の自分たちが必ず勝てる市場を作るという事です。

そこで得意分野に集中して、そこだけを深堀する、というのが最も失敗の少ない方法ではないかと思います。

 

しかし、そこにはたくさんの障害があります。
私の家業においても、その方向で舵を切ろうと七転八倒しますが、社員がその意図を理解できない。
なにより、先代はもっと理解できません。
結果として、一部の売上を切り捨てる覚悟が必要なので、なかなか進まないのです。
やればかなりの確率で上手くいくことが、感覚的なところで動きにくい状況がある。
特に過渡期には一番厳しい状態になる可能性もあるので、社内からの反発は激しいものがあるでしょう。

 

こういった、苦しい状況の中、そこに気づいてしまった後継者は改革に取り組むか、放置するかの選択肢で苦しみます。
しかも、失敗すれば、無能な二代目とののしられ、放置すればじりじり下がる売り上げに、やはり無能な二代目と揶揄される。
それでも、放置できないのが二代目経営者となるあなたではないでしょうか。

だとすると、どうせどうやっても批判されるなら、後悔のないよう、前に進めてみるのがいいのではないでしょうか。
確かにいろんなことがおこります。
けど、自分的には、大変だとは感じながらも、エンターテイメントとして楽しめる部分もあると思います。
どこかしら、そんな楽天的な部分が、二代目経営者には必要なのかもしれませんよ。

こういった問題、境遇を同じくする仲間で考えてみませんか?

後継者ONLINE倶楽部

なるものを開設しております。
よろしければ、詳細、ご確認ください。


私の著書です。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

親の会社を継ぐ技術

親の会社を継ぐ技術

 

 

 

 

 

 

ブラッシュアップアカデミー(無料版)


 

■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ
■YouTubeチャンネルで動画配信も行っています!こちらをご覧ください。

関連記事

  1. 社員が自主性を発揮しないのはリーダーに〇〇がないから

  2. 後継者が事業革新を行うための教科書

  3. 経営理念は事業承継において万能なのか?

  4. 後継者が学ぶべき、最も大切なこと。

  5. 後継者向けの本を読みまくって感じたこと

  6. 同じ1年を30回繰り返すか、ちがった1年を重ねた30年か?

  7. 後継者が振りまく”老害”!?

  8. 仕方なくやっているときと、積極的にやっているときの違いを体感する方法

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。