後継者

サラリーマンか?家業を継ぐか?親を経営者にもつ子の選択

家業を継ぐべし。
場合によっては、ほとんど選択の余地もなく突き付けられる現実。
しかし、いやいややっても上手くいくほど甘いものではありません。
逆に、そこから逃げ出すとそれはそれでバツが悪い。

親を経営者に持つ子と言うのは、究極の選択を迫られます。
こんな時、どう考えればいいのでしょうか。

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親が経営者だったばっかりに受けるとばっちり(?)

サラリーマンとして安定した生活を確保したかった

ある後継者の方は、こういいます。
大学を卒業し、大手の金融機関への就職の内定ももらった。
3年ほど勤め、やっと仕事の面白さを感じ始めていた時、親に懇願されて親の会社を継ぐことになった。
これまでピカピカのスーツを着て仕事をしていたのに、一転工場の作業着。
扱う金額は、サラリーマン時代よりゼロが2つほど違う。
その現実に直面したとき、自分の立場を呪ったといいます。

確かに、大手金融機関への就職といえば、かつて「勝ち組」と言われた職業。
他の業界と比べ、高額の報酬、手厚い福利厚生制度、社会的なステイタスもある。
家業でまさっている点は、金融機関時代の肩書は「主任」だったのが、家業に入り「専務」になったぐらいかもしれません。

10年後の状態が見えるという事

一方、同じ金融業界に勤めるあるサラリーマンはこういいます。
私たちは、すでに未来が見えてるんです。
ああ、特にしくじることもなければ、俺はあの席に座ってるんだろうな。
彼は、支社長の席をイメージしてそうつぶやきます。

さらに言います。
あの席に座ること自体が夢な人はいいんでしょう。
けど、支社長だってやってることは変わらない。
むしろ、上と下からプレッシャーをかけられて大変そうですよ。

未来が見えて、その未来に夢を感じないほどつらいことはないですよ。
だから、起業出来るよう、今、人脈作りにいそしんでいます。

サラリーマンは安定しているのか?

一時のサラリーマンは、確かに安定した仕事だったかもしれません。
しかし、今、大企業のサラリーマンが安定した職場と考えている人は少ないのではないでしょうか。
会社の都合で、いつ、今の地位が脅かされるかわからない。
出る杭は打たれ、しくじれば飛ばされる。
そもそも、大企業間の合併が行われるたびに、バケツの水がこぼれるかのように次々と人がリストラされていく。

自由度が少ない分、閉塞感は強いかもしれません。

後継者が背負う十字架

継がなくても継いでも目の前に現れる苦難

なにより、親の事業の経営を継承しない、という選択をした時、何が起こるのでしょうか。
時折耳にするのは、その事に対する罪悪感です。
事業の承継を断り、サラリーマンとして、また起業家として生きていく中で、親との関係が切れるわけではありません。
盆や正月には帰省することもあるでしょう。
その時に感じるのは、親の事業を継がなかったという罪悪感を感じる、という方は結構いらっしゃいます。

もちろん、後悔はないのでしょうが、ずっとそのことが気がかりだ、というのです。
結果として、起業した方は、それが成功すれば親の会社も何とかできないか?と考える方も時折見かけます。

一方、いやいやであっても親の事業を継ごうと決めたとします。
そうすると、次から次へと抵抗勢力がやってきて、あなたの行動を制約します。
この辺りは、これまでのブログの中で様々な形でご案内してますから、そちらを読んでいただくとイメージがわくかもしれません。

つまり、親を事業化として持つ子供は、何を選択してもどこかしら心に引っかかるものを抱えることが多いようです。

自分自身の優先順位はどこにある?

結局、どちらを選んでも、スムーズにいきそうにないように見えるかもしれません。
つまり、損得や楽か大変か、という基準で選ぶと結局は消去法になってしまいます。
すると何か問題がおこったときに、必ずと言っていいほど、この選択肢を選んだことを後悔することになります。

また、ありがちなのが、周囲の人たちの基準で選びがちなこともあります。
親の会社を継ぐことを蹴ってしまえば、誰かに後ろ指をさされるのではないか?
嫌な思いをするのではないか?
こういった事を考え始めると、迷宮に入ってしまいます。

そこで考えてほしいのは、自分の本心はどこにあるのか?という事です。
もし、どうしてもやりたいことがある、とすればそのやりたいことを実現するために、親の会社を活用できないか?という視点で考えてみてはいかがでしょうか。
そのラインで考えても答えが見つからないときは、本当にやりたいことを追えばいいのではないかと思います。
「嫌だから別の道を探す」というより、「やりたい事」を優先したほうが、結果が出やすいのではないかと思います。

選んでしまえばどこにでも行ける

ただ、面白い事もあるもので、一度や二度の選択ミスはリカバーできるものです。
もちろん、形式的なことを考えると、一度後継者として親の会社を継ぐ、と言ってしまえば逃げ道はありません。
それでも、そんな環境の中に身を置く中で、やりたいことを見つけたときにはいろんな方法があるものです。

例えば、私は何かを作り出すことが好きなようですが、親の仕事はどちらかといえば規制の中でがんじがらめの業界です。
この業界に入った時から、この業界に不信感を持ち、これではいけないという思いが年々強くなっています。
20年以上悶々とその中で仕事をしていましたが、そのガチガチの世界が今変わりつつあります。
真の意味で、私のいる業界のパラダイムシフトが起こり始めている中では、常に自分の業界を批判的に見ていた私は優位に立てると思っています。

私が、後継者として入社したときから自分の業界大好き、親の家業大好きだったら見えなかったものが視ていたんだと今になってわかりました。
そしてまた、家業を一歩引いた目で見ていたからこそ、今、このようなブログも書いているわけです。

何がどこで繋がっているかはわからない

アップルのスティーブ・ジョブズの有名な演説はご存知かと思います。
ジョブズ氏はこういっています。

将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。運命、カルマ…、何にせよ我々は何かを信じないとやっていけないのです。私はこのやり方で後悔したことはありません。むしろ、今になって大きな差をもたらしてくれたと思います。(「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳 米スタンフォード大卒業式(2005年6月)にて 日本経済新聞)

今起こっている事の意味の分からないことも、20年、30年たった時に、その意味がわかることもあるようです。
私自身、まだ十分とは言えませんが、営業で上手くいかなかったこと、社員が一斉にやめたこと、家業が好きになれなかったこと、
そんなものが繋がり始めているような気がします。

その場その場の決断は重要ですが、その一点を重視するあまり動けなくなるのはちょっときついですね。
(恐らく”動けなくなる”こと自体も、後に意味がある事と知ることになるのだとは思いますが。)
比較的後悔の少ない決断方法は、「嫌なことから逃げる」でも「損得による」決断ではなく、「やりたいことをやる」ための決断。
それさえ意識していれば、何とかなるのではないでしょうか。

結果として、家業を継ごうが継ぐまいが、それは決して重要なことではなくて、あなたがコミットできる決断を導けばいいだけの話です。
もしかしたら、途中、その決断を後悔することもあるかもしれません。
しかし将来の自分が振り返ったとき、その決断があったからこそ今の自分がある、といえる時が来るのではないかと思います。

肩の力を抜いて、自分はなにをやりたいのか。
そんな問いかけを行ってみてはいかがでしょうか。

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後継者倶楽部
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はこちらから。

もう少し突っ込んだ記事を書いています。
よろしければこちらもどうぞ。

家業を継ぐか継がないか迷ったとき、メリットとデメリットを見ても答えが出ない理由

 

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