ある商品を買うとき、人は何か決定的な動機があるものです。
さっきまではぼんやりと「ほしいなぁ」と思っていたものを、
ある瞬間から「買いたい」と動かす衝動。
創業者が会社を起業するとき、
跡継ぎが会社を継ごうと決める時、
そこには必ず動機があります。
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以前、ある創業社長の方から、
「息子が会社を継ごうとしないけど、どうすればいいでしょう?」
という相談を受けたことがあります。
一時期、こういった相談が非常に多かったのです。
そのような方に、
「なぜ息子さんに会社に来てもらいたいのですか?」
と聞くと、実は明確な答えは返ってきません。
会社を存続させたいとか、
有り体な話はあるものの、
それが本心とは到底思えないのです。
私はこう見ています。
自分が退いた後も、会社とのかかわりを断ちたくないのです。
社員を社長にあげるとそれが難しくなる。
自分の会社ではなくなる。
それを察知しているのです。
では、後継者はなぜ会社を継ごうとするのでしょう。
私に関していえば、ハッキリ言ってしまえば打算です。
私が学生時代、将来についてぼんやりと思い描いていたことがいくつかありました。
業種は問わないけど、何かしら商品開発に関わりたいな、と。
そういったアイデアを形にする仕事につきたい。
そう思っていました。
もともと人とのコミュニケーションが苦手な方でしたから、
一人こもってする仕事もいいかな、なんていう考えもありました。
それはそれとして、中学生になる頃には親の仕事を継ぐ前提がなんとなくありました。
私が学生の頃、親にはこういわれていました。
保険の仕事(我が家の家業)は固い。
まじめにさえやっていれば、会社が傾くことはまずない。
今あるお客さんをきちんと守っていけば、
一生食べるには事欠かない。
正直なところ、それは親の会社に入る決定打ではありませんでしたが、
重要な要素だったことは間違いありません。
最終的に、何が決定打になったかというと、
時間切れだったと言わざるを得ません。
いくつか就職活動のまねごともしましたが、
結局、家業という手っ取り早い就職先に決めてしまったのです。
色んなきっかけはあれど最も大きかったのは、一般のサラリーマンとは違い、
ある程度自由に仕事ができそうな気がしたというところかもしれません。
しかし、当時の親の言葉は時代の変遷とともに、幻と消え、
今やまじめにがんばっても上手くいかない時代になってしまいました。
しかも、普通の会社以上に監視の目が厳しく感じられる。
自由とは正反対の環境にさえ思えました。
そんな現実とのギャップに、心で叫んでいました。
騙された!(笑)
自由を求めた後継者(というか私)。
会社とのかかわりを求めた創業者。
この価値観は、どうしてもぶつかります。
創業者が会社に関わり続けるという事は、
厳しい言い方をすれば後継者は飼い殺しです。
後継者が自由を求めるという事は、
息子という特権に淡い期待を抱いています。
じゃあ、お互いいたわりあえばいいのでしょうか?
それは少し違うような気がします。
親子二人だけで家業を営んでいるならそれもいいでしょう。
しかし、実際にはそこに、血のつながらない社員を雇っている事がほとんどでしょう。
家族のなれ合いに付き合わされる社員はたまったものではありません。
創業者としての意志があり、
後継者としての意志がある。
そして、ここにないのは、「会社としての意志」です。
いわゆる理念です。
双方に、内に秘めた思惑があるのは仕方がありません。
しかし、問題なのはその思惑に、当事者が気づいていない点です。
会社のためという言葉を隠れ蓑に、
自分の思い通りに動かそうとしているのです。
これが無意識の行為だから厄介なのです。
双方、自分は会社の事を考えている、といい、議論は平行線。
そろそろお互い、認めたほうがいいのではないのでしょうか。
裏の動機を認めたときに、初めて胸襟を開いた話ができるのです。
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