後継者

先代の「言ってること」と「やってること」が違う時、後継者・二代目社長はどう捉えればいいか?

経営者に限らず、言ってることとやってることが違う人、違う時ってあるものです。
親子の事業承継では、「早く代を譲りたい」というものの、代を譲るようなそぶりを全く見せないというか、その言葉を真に受けていろいろと聞きたいと思って先代に効くと、ピシっとシャットアウトされるとか。
こういったとき、多くの人は相手の「言葉」を信用しがちです。しかし、たびたびそれは裏切られるから、後継者・二代目社長は頭を抱えがちです。その結果、自分がふがいないからかも、と余計な不安の沼にハマってしまいがちですが、ちょっと待ってください。

先代の本当の意向は、その行動を見て判断してみてください。

 

 

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「やるやる詐欺」なんて言葉を耳にすることがありますが、口ではこうするといいつつ行動が伴わない。程度の差こそあれ誰にでもそんなシーンはあると思います。親子での経営においてよくあるのがこんなパターン。
先代60歳時「65歳になったら引退するから準備しておけ」
先代65歳時「70歳まであと5年だけ頑張る」
先代70歳時「お前(後継者)がまだしっかりしないから、もう少し続ける」
先代75歳時「こんな社会情勢だからもう少し頑張る」
先代80歳時「生涯現役だ」
如何ですか?
割とよくあるパターンだと思います。

これを「言葉」を信用して、わりとせっせと真面目に準備しようとする後継者・二代目社長は多いと思います。しかし自分が頑張ろうとしても、先代が協力的でなかったり、「まあ、そのうち」なんて話を先延ばしされたり、一向に話が前に進まないことが多いのではないでしょうか。もしそうだとすると、「口では引退をほのめかしていつつ、行動はそれを拒んでいる」ということが分かるのではないでしょうか。

そしてこの言いっぷりを見てみると、70歳あたりから、理由をつけ始めています。それも自分の問題ではなく、後継者の問題である、と。そもそもはじめに言った通り代が譲られない時点で、後継者は自己否定を始める方が多いと思います。自分の能力が足りないから、いつまでも代を譲ってくれないに違いない・・・的な。それを直接的に言われるとカチンとくることもあるかもしれません。
自分は一生懸命頑張っているつもりだけど、協力的でない親がいて、そして自分のせいにされる。なんか踏んだり蹴ったりのような気がするわけです。

この辺りから後継者・二代目社長はけっこう意地になって、社内のマネジメントを強化したりして自分の能力を誇示しようとするパターンが増え始めます。なかなか親に認めてもらえないので、せめて社員には自分のリーダーとしての立場を認めさせようと躍起になるわけです。そうやって今度は社員さんとの関係をこじらせて、前にも後ろにも進めなくなってしまうのがよくあるパターンです。

こういった状態に陥らないために大事なのは、あんまりいい響きではないのですが、「口で言ったこと」を過信してはいけないということかもしれません。本当に代を譲るつもりなら、それに応じた行動が伴うはずです。先代はまったくその気がないわけではないのでしょうが、「譲るべきだよなぁ」と思いつつ、「譲りたくない」という葛藤を乗り越えようと頑張っているのかもしれません。私がよく先代世代のお話を伺っていると、「口を出さないほうがいいのはわかってるけど、ついつい口や手が出てしまう」ということがあります。頭ではわかってるし、譲るタイミングが大事とは思っているけど、体というか自分の感情がそれを許さない。そんな状況と闘っているのだと思います。

こんな状況において、後継者はどうすればいいのでしょうか。
いろんな状況はあろうかと思いますが、一つは、先代の言葉に過度な期待をしないということが大事だと思います。期待値が高いほど、それが裏切られた時の感情の揺らぎは大きくなります。言葉より行動で先代の本心をはかってください。もう一つは、先代の本心は多くの場合、会社を離れたくない、ということです。その意向を汲むかどうかは難しいところですが、いずれにしても後継者・二代目社長はどういったかかわり方をするかを決めて自分主導で動くことが必要となってくるように思います。

じつはこの後継者・二代目社長の行動も興味深いものがあって、言っている事とやっていることが乖離している方が結構いらっしゃいます。たとえば、先代を尊敬しているといいながらけっこう敬ってるとは思えない仕打ちをしているとか・・・。そんな場合は自問自答が必要なのかもしれませんね。

本心をストレートに表現するのはいろいろと問題も生み出しがちですが、案外、本音を隠しながら中途半端に「口だけ」になるほうが問題の根を深めることが多いような気がします。本音で生きるというのも楽ではありませんが、方向感としては本音度合いを少し増やしていくことで状況に変化がみられるケースは多いようにもうのですがいかがでしょうか。

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Gerd AltmannによるPixabayからの画像

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