学べば学ぶほど先代と後継者の溝が深まるというジレンマ

YUCASEEmediaによると、

20代30代のビジネスパーソンは1年間で平均3.1冊の本を読むという統計があります。1カ月に換算すると、0.26冊です。
その一方で、30代で年収3000万円の人は1カ月間で平均9.88冊も本を読むのです。

その差は実に38倍。

私の知る限り、後継者の方は勉強熱心な方が多い。
ある経営コンサルタントの方は、「センスは、その情報に触れた量だけ磨かれる。」といいます。
経営を学ぶ後継者が、最もコストパフォーマンスの高い”経営センスの磨き方”は読書といえるかもしれません。

しかし、一方で、経営を学べば学ぶほど、先代の感覚との距離感を感じることはないでしょうか?
このジレンマに対し、私たちはどのように対応していけばいいのでしょうか。

 

こんにちは。
中小企業二代目サポーター田村薫です。

 

私自身、学生時代の勉強は苦行そのものでした。
そんな私でも、後継者として会社を背負わなければならない身となれば、一生懸命勉強します。
多くは、将来への不安だったり、現在の困り事の解決を、本という情報に求めるケースが多かったようにおもいます。

今、目の前の現実を変えるためには、何か違った事をしなければならない。
そうはいっても、どんなことをすればいいのかわからない。
そんな疑問を解決するために、書店に行ってはビジネス書のコーナーに居座り、あれこれと物色して本を買い込むのです。

すっかり今は習慣化して、本屋に行けば何冊も本を買ってしまいます。
休日にショッピングモールに行くと、妻と娘は洋服を見に行くのですが、私が近くをうろうろしてると落ち着かないのでどこかで暇をつぶすよう言われます。
シンプルに言えば、私は送り迎えの運転手ですね。
仕方なく、服屋さんで別れて本屋で待ち合わせする、という事になるのですが、待ち時間に比例して私がレジに持ち運ぶ本の量が増えていきます。
頼むから、買い物につき合わせないでくれ、と懇願したこともありました(笑)

 

ところで、たくさんの本を読んで、いざ実践!というときには時折障害に出くわします。
ピカピカで最新のビジネス書の考え方ほど、先代世代には合わないことが多いのです。
フラットな関係の人から見ると、たくさん本を読んでいると「よく勉強してるなぁ。」となるのですが、先代にとっては「頭でっかち」という批判の対象です。
勘と経験を重視する先代経営者からは、最先端のビジネスメソッドにはまる後継者は、新興宗教にハマっているかのように見られるものです。

この時点で、先代と後継者は別々の道を歩むかのような状態になってしまいます。
松の葉が枝分かれした先は決して交わることのないように、先代と後継者の関係もどんどん離れていってしまいます。
結果起こるのが、心を病んでしまったり、会社を分割してしまったり、会社から飛び出してしまったり、という悲しい状態。
同じ方向を向いているつもりだったものが、気が付けば心は誰よりも遠く離れている状態になってしまいます。

 

これが、ただのビジネス上の問題であれば、お互いの道を歩めばいいと割り切ることも可能でしょう。
しかし血族の場合、ビジネスだけでなく家族としての関係があるので、そう簡単に割り切れるものではありません。
二人の間の距離は、あり得ないほど遠いのですが、もとはといえば会社をちゃんと存続させようというところが始まりだったはずです。

歩み寄りは、双方が距離を詰めなくてはなりませんが、そのきっかけの多くは先代の体調不良などといったトラブルであることが多い。
複雑に絡み合った感情を持ちながらも、仕方なく歩み寄らざるを得ない状況が生じてからです。

 

ある後継者は、先代の死を間近に控えた病床で初めてお互いがわかり合えた気がしたといいます。
彼は、それまでの後悔とともに、自分の不甲斐なさに涙しました。
一見、感動的なハッピーエンドにも見え、本人は心が通い合ったと主張するものの、今も彼は先代の亡霊のようなものを心の奥底にひきずっているように私には見えてなりません。

 

やはり、お互い話ができるうちに、関係を修復できるに越したことはありません。
とはいうものの、後継者は学んだことを実践したいし、先代はそれにNOを主張します。
シンプルに考えると、先代は後継者の「やり方」を受け入れられない事のように見えますが、実際はそうではないことが多いと感じられます。
先代は自分でも気づいていない心の奥底で、変化を拒んでいるのです。

実は、先代自身も、なぜ後継者とうまくかかわれないかと悩んでおられる方は結構いらっしゃいます。
自分の行動が後継者との距離を遠くしているとうのがわからないほど、無意識にとっている行動なのでしょう。

 

親子の関係には、様々なパターンがあり一概に言えませんが、後継者が自分の行動を制止されないためには、それなりの気遣いが必要になります。
たとえば、先代は変化しなくてもよく、今の地位は安泰であることを保証し、安心してもらうというのも一つの方法でしょう。
まったく手がないわけではないと思うのです。
逆に言えば、そういった制限の中でどれだけ自分の能力を発揮できるか?というトレーニングとしては、かけがえのないチャンスかもしれません。
近年、マネジメントは技術だけでなく、人の本質に触れなければ成功しないという考え方が大きくクローズアップされています。
はじめにボスキャラを手なずける(?)と、新たなステージが開けるはずです。

 

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