創業者

兄弟への承継にたいする私の回答

様々な理由があって、親の経営する会社に兄弟が入社することがあります。
親の立場からすれば、子供はみな平等。
つまり、子供が自分の会社で働きたいといったとき、それを断ることは非常に難しいでしょう。

とはいえ、そのことがどういった事態を招くかをイメージすることはなかなか難しいものです。

そもそも子供からすれば、親の言う平等は、平等とはとらえません。
それが是が非かという話はありましょうが、現実問題として起こる事には対処が必要です。
 

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私のアドバイスは、○○です。


私の元に寄せられる非常に深刻なご相談の一つが、兄弟を社内に入れた場合の経営です。

まずは、見て頂きたいと思います。

これは、googleで「兄弟 会社経営」というキーワードで検索した画面です。

google

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つ一つ、内容を見ていくと、悲痛な叫びがそこにはあります。

 

私が知る限り、創業者の子供兄弟がその会社を継承した場合、
●兄弟の喧嘩別れ(分社もしくは、どちらかによる他方の会社からの放出)
●兄弟による馴れ合い経営(会社の体質は弱体化の方向)
●かろうじて体裁は繕うが、兄弟のコミュニケーションはほぼゼロ
といった状態が圧倒的に多いようです。

もちろん、中には、お互いの長所を生かして、上手に経営をしているところもあります。
ただ残念なことに、その確率は100社中数社あるかないか、というレアケースではないかと思います。
だから、私は、社内に子供がいて、さらに兄弟の入社を検討されてる社長から、「どうだろう?」と聞かれれば、間髪入れず伝えます。

いやな思いをしたくなければ、今、断る決断をしてください。

といいます。

いえ、言わざるを得ないのです。

 

兄弟の特質


良く世間話で聞かれる話ですが、
「兄弟、性格が違いましてね。」
というお話。

 

これは、実は「当然」のことだといえます。
性格は、遺伝などによるものも多分にあるのでしょうが、後天的な要素も強いようです。

さらに申し上げますと、親が与える子供の性格形成上の影響は当然ながら非常に大きいわけです。
すると、第一子と末子では、全く扱いが違うため、違う性格になるのは当然である、という事になります。

 

例えば、リビングに子供が触ってはいけないものがあったとします。
第一子は、自分が手に取ってみて、叱られます。
このことはつまり、良し悪しの判断は身をもって体験することになります。
また、生まれてから独占してきた親の愛を、第二子誕生とともに、一気に奪われてしまう事になります。

さらに、「兄・姉」の役割を与えられ、「お兄ちゃんだから我慢しなさい。」「お姉ちゃんだから、下の子を見ていてね」と早く大人になる事を求められます。

結果として、第一子は、保守的な傾向が強く、責任感も強くなることが多いと思われます。親にしてみれば、頼りになる存在でもあり、とくに高齢化してくると第一子に頼る傾向が強く表れます。

 

一方、末子は全く別の傾向が出ます。
なぜなら、末子は家族中から庇護をうけます。
つまり、何かを自分で決めなくとも、親や兄姉から自分の方向を強制されます。

親は、最後の子供、という認識が強く、長男の場合とは正反対で、「子供で居続ける事」を末子に望みます。
末子は、甘え上手であり、依存心が強い傾向が出てきます。
自分で何かを決めるというより、周囲に流されて生きることが楽であることを小さいころから学んでいるのでしょう。

兄弟にもまれ、対人能力は高い事が多いようです。

中間子である、例えば第二子については、上と下に挟まれ、その中で自分の立ち位置を常に図るため、現実主義といえそうです。
夢を見ず、ただ目の前の現実に淡々と対処する、という事になります。

もちろん、あくまで傾向です。
第一子に関しては、保守的の傾向が強いといいましたが、反抗期などをきっかけにかなり破天荒になる事がありますので、一概には言えません。

ただ、ここで親の感覚としては、「自分たちのできる範囲で、注げるだけの愛情を注いだ」という事でしょう。親が悪いわけではありませんが、子供たちは子供たちの立場でその愛情を評価します。

第一子は、自分に干渉しすぎることに対して、うっとうしいと感じます。
第二子は、兄姉ばかりが、親の愛情を受けていることに、憤りを感じます。
末子は、兄姉ばかりが親の信頼を得ていると感じます。

ここで言いたいことは、兄弟姉妹、多くの場合心の奥底に、不公平感を感じている、という前提を知っていただきたい、という事です。

 

仲が良く見えた兄弟関係が崩壊する過程


こういった、兄弟姉妹は、ふつう、それぞれが家庭を持つことで距離を保つようになります。距離を保つことで、確保される安定感というものもあるでしょう。しかし、会社経営で、毎日顔を合わせるとなると、そういうわけにもいきません。

恐らく、普通の家庭では知りえなかった性格を、目にすることになります。これは、親子間であっても、兄弟間であっても同じことなのですが、少し質が違います。

親子間は、どう転んでも親子なのです。

そして、兄弟の関係は、親を介しての関係となることが多いといえます。さらに言えば、兄弟というのは生まれついてのライバルとも言えます。子供のころは、親の愛情をどれだけ受けるかを競って育ってきています。会社経営においても、実は本質は変わらないのです。

そこで、兄弟のうち「経営」に目覚めた人から、親との確執を持ち始めます。これは、言ってみれば、大人の反抗期といってもいいかもしれません。親との確執を、仮に第一子が持ったとすれば、それ以外の兄弟は親のサイドに立ちます。会社の経営を良くして、改革を行おう落とした子は、そうやって社内で孤立していきます。

ここで、会社の分裂の危機が訪れます。
会社を良くしようとした兄弟の一人は、当然社内の人望も厚くなります。若手を引き連れて、外へ出るか、それとも、社内から兄弟を排除するか、という選択肢を検討し始めます。

親が健在なうちは、危ういバランスを保つことも多いですが、親が会社から離れた途端、この動きは加速します。

あまりに、ネガティブなストーリーだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら、これが私の見てきた現実です。

 

親の立場でできる事


こういった泥沼の状態になって、兄弟を説得したところで、残念ながらあとくされのない解決方法などは浮かばないことが多いと思われます。現実問題として、こういった争いの火種を作らないことに注力するのが、最大・最良の方法だと、私は考えています。

だから、私は相談を受けたら、間髪入れず、こういいます。「兄弟を同じ会社に入れるのはやめてください。」と。

 

とはいっても、既に泥沼化しかけている企業も少なからずあるでしょう。そういった場合は、新規事業を立ち上げるなりして、分社を前提とした対策を早くから練るべきです。
そして、今後兄弟でどうやっていくかは、兄弟間でフラットな話し合いができるうちはそれもいいでしょう。
しかし、少しでもその関係が崩れかけているなら、親が決断してください。
なぜなら、先ほども言ったように、兄弟の関係は親を通しての関係だと私は考えているからです。

中には、
「ウチの場合は、仲良くやってるよ。」
という方もいらっしゃいます。

しかし、子供たちに話を聞くと、兄弟のどちらかがどちらかを良く思っていないことがほとんどです。この火種は、ふとしたきっかけで暴発します。

他人事としてでなく、自分のところでもこういった問題が「ある」という前提で対処されることをお勧めします。

 

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  1. 2014年 7月 17日