サッカー日本代表の賛否両論から後継者が学ぶべきこと

ワールドカップサッカーで、ポーランドとの対戦において日本代表は苦渋の選択に迫られた。
試合は0-1と負けているにもかかわらず、ラスト10分、自陣でボールを回すのみ。
リスクを冒すことなく、あからさまな時間稼ぎをした形。
その結果、日本代表はアジア唯一の決勝トーナメントに進出するチームとなったそうです。
決勝進出にこだわって、”サムライらしからぬ”戦術で、結果を手にしたわけ。

しかし、この戦術に、世界中で賛否両論が巻き起こったようです。
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はじめに断っておきますと、私はワールドカップであれ何であれ、サッカー観戦には全く興味がありません。
ただ、この試合にまつわるSNSなどで繰り広げられる論争は少し興味深く見させていただいています。

簡単に言うと、
賛成派『ルールに則って得た結果。結果を出すために、非難を受けることがわかっていてもあえてこういう決断をしたことに賞賛を送る』
反対派『あえてリスクを冒すことになったとしても、全力で戦うべき』
という風に真っ二つに意見が分かれたようです。

仮に賛成派を黒組、
反対派を白組としましょう。

黒組は、結果を重視しています。
そもそもルールに則ってやっていて、結果を求めて、何が悪いんだ、と。
一方白組は、結果も大事ではあるが、それ以上にスポーツマンシップは大事だろう、と。

お互い相いれない主張をSNSで展開します。
果たしてこの議論は、どうすれば収束するでしょうか?
普通に考えると、「白が黒に変わる」か、「黒が白に変わる」ことが必要になります。
つまり、相手を説き伏せて、みんなで一致した見解を創り出そうよ、と。
オセロのように、パタパタと全員がどちらかの色に変われば、日本の統一的な見解が出そうです。

 

しかし、現実にはそれは不可能に近い。
じつは双方が正しいからです。
結果を求めることも正しいし、
正々堂々と言うのも正しい。
前者が論理的な判断で、後者が情緒的な判断だと思います。
違う視点で一つの物事を見て、同じフィールドで話をしている。
そうするとまさに会話は平行線。
永遠に、統一的な意見などは出ないのです。

 

これ、親子の事業承継にありがちな行き違いです。
親は多くの場合、現実的な「今」の最適化を考えています。
とにもかくにも、売上を上げよ。
それがすべてに優先される、という考え方をとる方が多い。

一方、後継者は、今というより「未来」の視点で見ていることが多いでしょう。
5年先、10年先のことを見ようとしています。
だから、未来の売り上げをそうするかを考える。

今の売り上げを考えるときに大事なことと、未来の売り上げを考えるときに大事なことは基本的にやることは違います。
結果として、親子経営での親子の考え方は永遠に平行線となります。
子供にしてみれば、「これだけ説明してもわかってくれない」と言いたくなるでしょうが、それは当たり前です。
会社の売り上げという一つのことを対象にした話題であったとしても、見ている角度がまったく違うのです。

経営には絶対的な正解はないと言われています。
なのに、どちらが正しいかをついつい争ってしまいます。
これが不毛な確執を生む。

親子経営の問題を深く追及しない人に限ってこういいます。
「親子は話し合いを」
この、レイヤーの違う議論をそのままやったとしても出口は見えません。
双方が「自分が正しい」と思っていて、客観的にも「両方正しい」という議論にピリオドを打つことが難しいのは当然です。
議論というものの目的は多くの場合、相手をひれ伏させる事です。
たくさんの言葉を並べて、自陣に従わせようというわけです。(もちろんほかの目的も混在していますが)
ということはつまり、相手を打ち負かそう、ということです。

話し合いをすればするほど、言葉のパンチを繰り出しているようなものです。
それを俯瞰してみることができるのが、サッカーファンの意見の応酬です。
あの議論に結論は出ません。
なぜならどちらも正しいからです。

 

とはいえ、この過程がまったく無駄なのか?と言えばそうでもないからヤヤコシイ。
というのも、こういった意見の交換で相手の価値観を知ることができるからです。

そろそろ結論めいた話をすると、後継者はこのような考え方を持つのがいいのではないか?と思うことがあります。
まずは、後継者自身の主張を先代に理解してもらおう、というのはあきらめろとは言わないまでも、その期待値は手放したほうがいいと思います。
それを一生懸命やろうとすればするほど、話し合いはエキサイトしがちです。
話し合いをすればするほど、相手をひれ伏させようという思いが前面に出ます。
そうすると相手も、負けないために反撃の手を強めます。
だから説得しようとか、わかってもらおうとか、そういう期待はしないほうがいい。
話し合いの位置づけとしては、自分の主張を理解はしてもらえなくとも、自分の価値観を知ってもらうというステップです。

と同時に、相手の価値観もきちんと見る必要があります。
先代の主張には必ずその人の価値観が現れます。
それをしっかりと受け止める。
もちろんめちゃくちゃを言っているなら別ですが、たいていは、先代の言っていることもある意味においては正しいことはけっこうあります。
とはいっても、認める事が必要とは言いましたが、従えとは言いません。
理解し、意識はするけど従わないこともある。
それでいいのです。

どちらかが正しいとか、間違っているとかを判断する必要はありません。
どちらも正しいという前提に立った時、自分はどうするかを考えればいいのです。
そして黙々と自分が信じる行動をする。
違う意見をつぶそうとするのではなく、違う意見も存在を認めるという感じでしょうか。
繰り返しますが、違う意見に従う必要まではありませんよ。
そんなことをしようとするから、コンフリクトしてしまうのです。
後継者は「自信がない」という人が多い割に、何でもかんでもやらなければならないと考えるから余計にしんどくなるんですから。

親子での出口のない議論、もう終わりにしましょう。

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