後継者が営業部長になったとき初めに試すこと

後継者として親の会社に働き始めて数年。
後継者が、会社の営業チームを率いる営業部長に抜擢される、といったケースは結構あると思います。
もしかしたら自分より職歴が長かったり、実力の近い先輩がいたりやりにくかったりすることもあるでしょう。
そんな営業チームで業績を上げるには、どんなことをすればいいのでしょうか?

 

こんにちは。
田村薫です。

 

後継者が少し経験を積むと、大抵はスピード出世します。
その中でも、営業チームの長として活躍が期待される事があります。
そもそもそれは、先代が、会社の中で営業という仕事を重視している事にほかなりません。
せっかくのチャンスだから、ここで成果を出したいという思いもあるでしょう。
しかし、そこには山あり谷あり。なかなか簡単にはいかないようです。

 

さて、営業部長となって、張り切って活動を始めます。
あなたは、果たして何をするでしょうか?
私の知る範囲では、こんな感じです。

 

会社の目標を決め、各員の目標を決め、月に一回くらいの会議を開催するかもしれません。
売上の進捗を確認しながら、数字の足りない人間には叱咤激励。
「あと目標まで〇千万円、がんばろう!、オー!」
なんてやってるかもしれませんね。

結果、いかがですか?
満足のいく実績が出ましたか?
もしそうでなかったとすれば、何かが間違っているのかもしれません。
しかも、それでは先代と同じじゃないですか。
社員は、先代と同じことをやっても、影響力の強い先代よりあなたを評価することはまずないでしょう。
だから、後継者流のちょっと違ったアプローチが必要になります。

 

営業という仕事は、結果が数字という形で現れるので、非常に成果の良しあしが見えやすい職種です。
逆に、びっくりするほどやり方が人によって統一されていない職種でもあるといえるでしょう。
具体的に言えば、事務なら何をどの順番でやる、という事はマニュアル化されてなくとも社内では大抵決まっているでしょう。
しかし、営業はそれが決まっていないわけです。
確かに毎月のルーチンはある程度はあるかもしれませんが、殆どの事が個人の裁量。
そもそも、事務仕事のようにモチベーションがあろうがなかろうが、仕事が湧いてくる職種ではなく、自分で活動しなければ仕事がないのが営業です。

 

恐らく、営業部長となられたあなたは、少しイライラした気持ちで部下の社員を見ているのではないでしょうか?
なんでこんなことができないのか?と。

 

逆に言えばそれは当たり前のことです。
誰も教えてくれないし、誰も仕事を与えてくれない。
だから、なんとなく日々をこなすことで終わっている営業社員が結構いるんじゃないですか?
喫茶店でサボる社員でも、〇時に××商事でアポイントがあるから、行ってこい!と言われればいかないわけにはいきません。

毎月の進捗確認は、
既に終わった仕事の結果しか見えない
訳ですから、その時にはすでに遅いのです。

 

だから、結果ではなく行動を管理しなければならない、というのは営業の世界ではよく言われる話。
といっても、いきなりIT化して、営業の流れを見える化するぞ!といっても挫折する事が多いのが現実。

後継者が営業チームを率いたとき、まず心に刻んでいただきたいのが、
スーパー・セールス・パースンを作ろうとしない
という事です。

 

こんな人がいたら、いつまでもあなたの会社で働くというのは考えにくいでしょう。
なにより、ホンネレベルの話をすると、自分の地位が危うくなります(笑)
考えるべきは、一定レベルの営業社員を量産することです。
これが実現できれば、今後新しい社員を入れた際にもある程度の教育パターンができていきます。

 

そこで考えたいのは、営業にはいくつかのステップがある、という事です。
第一段階はお客様に耳を傾けて頂く、という事です。
お客様が全く聞く気もない状態で、あれこれ商品のアピールをしたってお客様の心の中では、
「いつ終わるのかな、この話。」
という状況があるのではないでしょうか。
お客様が関心を示して、身を乗り出すにはどうすればいいのか?を考えるのが一つ。

扱う商品やサービスによって違いはあるでしょうが、セールスの8割はここで決まっているのではないかと私は感じています。

第二段階は、お客様が欲しいと思う情報をどう伝えるか。
パンフレットがいいのか、別の資料を用意するのがいいのか。
あなたの商品を買う事に対してどんな不安やリスクを感じているのかを一つ一つ潰していく作業です。

第三段階は、クロージングです。
如何にして購入の決断を促すのか。

 

さて、社内のトップセールスを記録する人は、この三段階についてどのように行っているのでしょうか。
ミーティングに際しては、その様子を完全再現していただいたうえで、共有する事が営業部隊の学びになります。

そうして、ある程度のパターン化を行っていくことで、底上げできる可能性はかなりあります。
往々にして、デキる営業と、デキない営業では決定的な違いがあるものです。
そんな事を研究していくと、社内のノウハウの蓄積につながっていき、新たな社員を採用しても迷うことない「営業の作業手順書」がぼんやり見え始めます。
その中身の考え方は、色々と必要な知識もありますが、それはおいおいお伝えするとして、成果の上がった方法を社内で共有するだけでも劇的な効果は見込めます。

この方法のいいところは、あなたが先生になる必要はないという事です。
直近に実際に実績を上げた人が先生です。
しかも、それは絶対的な指導者ではなく、パーツごとに別の人の得意分野を生かしていくことで一人の意見に依存しにくくさせます。
それを取りまとめていくのが、後継者であるあなたという立ち位置です。

多くの場合、創業者が一人でたたき出す売り上げを、広く薄く全社員で作り上げる。
こういう事を営業以外のジャンルでやろうとすると、先代の反対圧力は大きくなる可能性があります。
しかし、この程度の営業会議の軌道修正でしたら、恐らくさほど大きな反対は受けないでしょう。

どんな結果が出たか?を責める会議は辞めにして、
どんな行動をすればいいか?を明らかにする会議が成功すれば、
きっとあなたも認められるでしょう。

 


 

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