親子の事業承継で、後継者はともすれば、親をお手本にしがちです。
もちろんそれは間違いではないと思うのですが、先日ある方がこんなことをおっしゃっていました。
後継者は、親がやりたかったけど成しえなかったことをやることに価値がある。
それは例えば、会社を上場させるとか、いわば、直線的成長を示すこともあるかもしれません。
しかし、それだけじゃないのではないかと思います。
たとえば、新しい事業を生み出すとか、社会的な活動をするとか、そういった部分にも「親がやりたかったけど出来なかった事」というものがあるのではないでしょうか。
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後継者はともすれば、親の会社を直線的に成長させなくては、と考えがちです。
もちろんそれはそれで素晴らしいと思います。
ただ、現実に、そこばかりを見ていると、かなり疲弊してくることが多い。
というのも、親が長年育ててきたビジネスは、そろそろ社会的に限界を迎えていることが多いからです。
つまり、そのまま成長させるというのは難しい事が多いのです。
これは後継者の能力云々だけの話ではないのです。
だから後継者としては、経営者として事業転換を行ったり、そのほか様々な手を尽くしていくことが必要になってきます。
会社をそのまま伸ばすというのは、不可能に近いケースがほとんどだと思われます。
ところで、親と子、同じ強みを持っているケースというのは少ないと思います。
親が押しが強いタイプなら、子は周囲との協調を重視するタイプに育つでしょう。
これはもっている資質というより、家族という組織の中での役割分担を行っているといえます。
人は組織で自然と自分の役割を持つものなんです。
さてそんな風に別の役割を演じた後継者は、会社においても親と同じ役割を担うのは相当難しい。
そこが後継者にとっての悩みの種の一つ。
けど、大丈夫。
親に合わせようとするより、自分の能力を生かす場をどう作るかを考えてみることをお勧めします。
そんな後継者の能力に合わせたビジネスモデルを作っていくことが後継者の役割ではないでしょうか。
そこで始めの話に戻ります。
後継者は親のなしえなかったことを実現することが大事と言いました。
それは、量的変化でなくとも、質的変化でもいい。
先代が「注目を浴びる会社」にしたいと思っていたなら、量で求められるのとは違う形で求められる自分を演じることは可能ではないでしょうか。
そんな風に考えると、後継者の視野は少し広がってくるのではないかと思います。
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