後継者

先代の城を後継者が自分の城に変える第一歩~人の採用

新たな社員を雇い入れる際、後継者にとっては非常に大きなチャンスといえます。
というのも、後継者には社内に味方が少ないからです。
多くの場合、古参社員は創業者のYesマンであることが多く、創業者は大抵後継者の進路に立ちはだかり強い支配権を行使します。
そのように味方が少ない中で、新規採用活動は後継者にとっては、非常にありがたいチャンスであるといえます。
とはいっても、気を付けなければならないのが採用の基準です。


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親の会社を継ぐ技術

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御社の新規採用の基準は、明確な方針は存在しますでしょうか?
ルール化され明文化されたものがある場合は、それを無視するわけにはいきませんが、中小企業の場合は個別で対応することが多いのではないでしょうか。
つまり、採用基準はあいまいです。さらに言えば、面接者の個人的な好みでの採用といえるでしょう。

さて、この好みですが、創業社長の場合「採用基準は?」と聞かれれば、口では
「人柄重視」
といいますが、どうも私が見る限り優先順位は違うように思えます。
傾向としては、

優先順位1位 持ってるスキル・経験・意欲
優先順位2位 長く勤められるか?(過去の転職歴や家族構成)
優先順位3位 人柄(足切り基準として)

といった形になっているように感じます。

 

例えば、営業社員を採用したいときは、「ガッツがあるか?」「営業経験があるか?」という部分が最大の関心ごとで、人柄としてはほとんど見ることはありません。
そもそも創業社長の視野は短期的な部分に強くフォーカスされているので、経験を重視し、組織の中での新入社員の立ち位置をイメージすることはあまりないようです。
これが、成功しているか、失敗しているかは、創業社長の眼力に依存しますが、スキルや経験しか見ていないことは多くの企業での共通点ではないかと思います。

 

人材派遣会社に勤務しており数千人単位の面接をしてきた知人はこういいます。
「採用面接で、スキルだけで採用すると、大抵後日派遣先からクレームが来ます。だから、どんなにスキルが高くても、その人の人格が納得いくレベルでなければすべて面接で落とすようになった。」
組織というのは、言うまでもなく人が織りなすものですから、そこに異質なものが入ると混乱をきたすもののようです。

また、ある経営コンサルタントは、講演の中でこんなことをおっしゃっていました。
「かつては、社員を教育でよくすることができると信じてました。しかし、社員教育に力を入れている企業ほど、採用に並々ならぬ力を入れており、その会社の社長はこう言いました。知識は教育で補えるけど、根っこの人間性を変えることはできない、と。」

 

つまり、社員教育で何とかなる部分と、なんともならない部分がある、という事です。
そのことについては、こちらの記事が参考になるかもしれません。  →代替わりの後、社員が辞めていくという困難にどう対処するか?

 

では、後継者が社員を採用する際にどんなことに気をつければいいでしょうか?
最大限気を使ってほしいのは、目の前に現れた応募者が、
あなたと信頼関係を築き、あなたの価値観に賛同できるか?
という視点です。

言葉にすると難しそうに聞こえますが、簡単に言ってしまえば後継者であるあなたと相性が合うか、合わないか、です。

こう言い切ってしまうと、公正さを欠くとか、周囲からもっと現実的な基準を持てとか、言われるかもしれません。
しかし、後継者はこれから自分の居場所を社内に作らなければならない立場です。
変な常識に惑わされず、その目的に一直線に進むべきだと私は考えますし、それが会社のためでもあります。

 

世の中の声に迎合するのではなく、自分の声に耳を傾けるのが、後継者としては正しい選択だと私は考えています。

 


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