ビジネス書って、基本、前向きなものが多いですね。
前進する、起業する、会社を大きくする・・・
ただ最近は、「売上を減らそう」みたいな本が大ヒットしたり、そこに時代の流れを感じたりもします。
今回取り上げたい一冊は、『仕事の辞め方』です。
私の著書です。
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。
事業承継って何が起こっているのでしょうか。
シンプルに表現すれば、先代が「辞める」という行動をし、
後継者が「経営者になる」という行動が重なって行われる状態です。
これらを「事業を引き継ぐ」という形で一緒くたにすると、その作業が上手くいかないと、どっちが悪い?みたいな話になります。
けど実際は、「辞める」と「経営者になる」を別々に評価する必要があります。
案外、「辞めきれていない」ことに問題があるケース、けっこう多いのかもしれません。
さて、今回ご紹介する、『仕事の辞め方』(鈴木おさむ) では、40歳を過ぎるとソフト老害が起こり始めるといいます。
本人はそんなつもりがなくとも、だんだんと仕事の信頼を積み上げてくると、何気なくはなった言葉が重くとらえられる。
周囲は自分にあたふたと忖度するような状態が生まれる。
そうすると、誰も悪気はないのだけれど、本意とは違ったところで全体が動いていくことは良くある話なのでしょう。
今の事業承継問題で悩ましいのは、先代80歳現役、
後継者50歳というパターンも結構多い。
私で言えば、父である先代派84歳でまだ現役で一部仕事をしてもらっています。
そして私は55歳。
もう、後継者が次の事業承継を考え始める年齢になってきています。
こういったところでの後継者の身の振り方を考えるうえでも、参考になる一冊と言えるかもしれません。
数年前、人生100年時代という言葉が流行りました。
その元ネタは、『LIFE SHIFT』という本。
長寿化の現代に在っては、かつてのように学生時代→仕事時代→老後というパターンでは生活が立ち行かないと説きます。
これからは、学生時代から仕事時代を経て、もう一度学び直しをし、次の仕事の時代を作っていく必要があるといいます。
実はここに後継者の夢が広がる時期が出てくるんじゃないかと思うのです。
後継者も50歳を過ぎれば、自分のやりたいことを追求する人生を作ってもいいのではないかと思うのです。
そんな時に、「仕事の辞め方」を向き合うことも必要なんじゃないかな、と思うのですが、いかがでしょうか。