後継者・跡継ぎが、事業承継するにあたって、そのカリスマというのが問題にされることもあります。
一過性のものならいざ知らず、継続していくものですので、その場限りの振る舞いではあまり意味がありません。
スキル・ノウハウというより、心持の問題だと思います。
が、後継者・跡継ぎが事業承継の中江、カリスマを発揮する方法を、ある会社の社長の事例を引きながら考えてみたいと思います。
私の著書です。
Contents
後継者のカリスマを発揮する方法
カリスマを発揮する三条件
何度か取り上げた、カリスマの専門家、オリビア・フォックス・カバン氏によると、
カリスマを構成する三要素は以下の通り。
- プレゼンス
- パワー
- 誠意
プレゼンスというのは簡単に言うと存在感です。
オリビア・フォックス・カバン氏はカリスマは天性のものではなく、後天的に獲得できるものだといいます。
ある経営者のカリスマ
ある経営者は、四代目社長。
もともと、小さなころからその会社に出入りして、会社が大好き。
学校を卒業後、その会社に就職するわけですが、彼が管理職になると社内では問題が勃発。
社員と喧嘩したりして、次々と人が辞めていくような会社になってしまったといいます。
しかし、彼は会社が起こしたある死亡事故が原因で心を入れ替えます。
自分が大好きな会社が、人を傷つけることに苦しみ、初めはその会社をたたもうとさえ思ったとか。
一方で、会社があるから世論でくれる人もいる。
その人たちの想いをしっかりと受け取って経営しよう、と、心を入れ替えたそうです。
そこから、ケンカばかりの社内の雰囲気が変わっていったといいます。
これを見ると、経営者の想いその物こそが、経営者のカリスマといえそうです。
実はこの社長、とっても会社の雰囲気を変えた方。
この方の事例と重ねながら、後継者のカリスマの発揮の仕方を考えてみましょう
後継者がカリスマを発揮する方法
プレゼンス(存在感)
存在感を発揮する方法の一つは、相手の話を聴くということ。
自分の事ばかり話すのではなく、相手を知ろうとする姿勢がとても大事です。
冒頭の社長は、初めての人でも、名前を呼んで挨拶をします。
相手を尊重すれば、自分の存在感が上がるという方法をとっています。
これは簡単にできますね。
パワー
パワー(力)を言い換えれば、情熱とでも言えるでしょうか。
後継者にとっては信念といえるかもしれません。
例に出した経営者は、会社を従業員の居心地のいい場所にし、自分達の仕事の価値を世界中に知ってもらうことにとても熱心です。
そういった、自分のやりたいことをしっかりとフォーカスできるとベストかと思います。
誠意
誠意というのは、言い換えると一貫性とも言えるのではないでしょうか。
ぶれない軸をもってそこに突き進む姿勢。
後継者・跡継ぎの方は、ここにコミットできないケースは多いかもしれません。
なにしろ、自分の意思ではないことで運ばれてきたことが多いでしょうから。
とはいえ、そう言い続けているわけにもいかないので、会社で何を実現したいのか。
まさに会社の理念をしっかりと練り上げることが大事なのかもしれません。
冒頭の社長の会社では、死亡事故という非常に苦しい経験の中から生まれたもの。
そんな強い刺激はそうそうあるものではありませんが、とりあえずは目の前の仕事の中で感じることを意識して見てはいかがでしょうか。
まとめ
- 専門家が言うカリスマの要件は三つ
プレゼンス・パワー・誠意 - ある経営者は会社で起こった死亡事故をきっかけにこれを獲得した
- プレゼンスは人の話を聴くこと、相手を尊重する事で獲得できる。
- パワーは、信念を持つことで獲得できる。
- 誠意は、一貫性を持つことで獲得できる。