親の会社を継ぐ後継者・アトツギは、今までに何かを加えて会社を成長させようという傾向があります。
しかし一方で、余計なものをやめるという選択も結構大事じゃないかと思います。
そして、往々にして、辞めるというのは、始めるより難しい場合が多々あります。
私の著書です。
Contents
「辞める」ことでうまくいった後継者・跡継ぎ
ヤマト運輸が辞めた事
今ではクロネコヤマトといえば、宅急便のイメージが中心です。
しかし、もともとは、個人の宅配なんていうのがなかった時代からの運送会社。
その二代目社長小倉昌男氏は、大口顧客との取引をやめました。
価格競争、無理難題を押し付けてくる顧客を切ることで、個人宅配に舵を切って今の繁栄があります。
何かをやめて成長した企業
そのような事例はヤマト運輸だけではありません。
ユニクロは、紳士服専門店をやめましたし、星野リゾートは施設の所有をやめました。
そこには、何かを削るということだけではなく、何かに資源を集中させるということがとても大事な要素のように思います。
サンテクジュペリは、小説の中でこんなセリフを書き残しています。
ある機械が完成したと言えるのは、もはや何も付け足す必要がなくなったときではなく、何も削る必要がなくなったときらしい。
これは、経営にも言えることなのかもしれません。
「選択」の大切さ
リーダーに必要な資質
リーダーに必要な資質として一番に上げられること。
それは、「決断」することです。
よく言われることですが、決断とは決めて断つこと。
違う選択肢を捨てるということでもあるんですね。
それができるかできないか、というところに成功の可否の大きな要素があるように思います。
さて、私たち後継者・跡継ぎは何を捨て、何を遺すのでしょうか。
まさに不易流行という言葉の本質を考える機会を持つ必要がありそうです。
後継者・跡継ぎは「常識」を踏み外そう
後継者・跡継ぎの強みは、長年業界に携わった先代とは違い、業界の常識に染まり切っていない所だと思います。
たとえば、ねじの製造をやっている会社を継いだ後継者が、「ねじをどうやってたくさん売ろうか?」という問いを立てても限界がありそうです。
じゃあ、そこから抜けたビジネスモデルを生み出すという発想が必要になってきます。
これは、ねじ製造一筋の先代にはなかなかできない発想。
もっているもののうち、何を活かし、何を捨てるか。
そのあたりの検討をしていく必要がありそうですね。
私の著書です。