後継者

なぜ、後継者社長はキャラの薄い人が多いのか?

創業社長や、昭和の時代を生き抜いた社長というのは非常にキャラクターが濃い人が多い。
印象としては、押しが強くて、ワガママ。
ロジカルというところとは反対の野生の勘で動く人が多い。
そんな印象がありますがいかがでしょうか?

反して、後継者はどちらかというと、無味無臭な印象の人が多い。
それは、本来持っている資質が無味無臭なのでしょうか?
私はそうは思いません。
色んな困難の逃げ道が、無味無臭でいることなのではないでしょうか。


私の著書です。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。


30年以上、経営者、あるいはそれに近い立場にいる私。
お陰様で、お客様であったり、様々な経営者団体の役員をさせていただいた関係で、けっこう多くの中小企業経営者と接してきた自負はあります。
それぞれの経営者の特徴を見ていくと……

  • 自己顕示欲が強い
  • 思いつきで物事を勧めがち(ロジカルな印象は薄い)
  • 前に進む勢いはある
  • 仕組み化や権限移譲が苦手
  • ビジネスに直結しない事には関心が薄い
  • トップダウン
  • 気が短い

などなど。

 

さて、こういった経営者の元で後継者をやるとなると、こういった経営者とうまくやっていく必要があります。
すると、自己顕示欲の強い経営者の元では、後継者が「俺が、俺が」と他者を押しのけて前に出るタイプだと、完全に経営者である先代とぶつかります。
だから後継者は、自分の本心を吐露することを避けようとします。

しかし、本音を語れないとだんだんしんどくなってきます。
そういうことから、そもそも「自分には自分の意見はない。先代の言う通りでよい」という風に自分を思いこませるようになっていきます。
これ、無意識に行っています。

結局、自分の意見を封印どころか、自分に意見があることさえ気づかないようになっていきます。

そして、先代のやることの反対部分に目が行きがちになります。
これも先代とぶつからないように、無意識にそうなるのかもしれません。
先代が思い付きで物事を進めるなら、後継者はロジカルに考える。
先代が前に進もうとするなら、後継者はしっかりと考え、計画を立てようとする。
トップダウンでやってきた組織などは、ボトムアップに変えようとする。

後継者は抑圧されているから、違う場所で力を発揮しようとする。
型破りの先代がいて、型破りの逆でセオリーに基づいた後継者が育つ。
そんな構図があるんじゃないかと思います。

常識的、といういみで後継者は薄味に見えます。
そして、だいたい社内で目立つと頭を打ちますので、おとなしくしてようと思います。

さて、このような原因があるとしたら、原因を知ったことで後継者の皆さんはそれを抜けることも可能になってきます。
「ああ、自分はこれまで結構いろんなものを抑えて来たんだな」と思ったなら、ちょっとずつ本心を介抱して言ってもいいかもしれません。
本心は一瞬頭に顔を出しますが、瞬時にそれが否定され、常識的な自分の鎧が出てきます。
その否定される前の本心を、しっかり受け止めてみてください。

それを一気に表現するとまた頭を打ちますので、先代とかぶらない部分を少しずつ、といった感じでしょうか。
先代とは対立するというより、役割分担する、という考え方が大事です。

ぜひ検討してみてもらえれば、と思います。

 

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