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先代経営者の高齢化と後継者・二代目社長の待ち時間

私が20歳代のころ、中小企業の社長に向かってよくこんな営業をしていました。
社長が65歳位になったら、会社を引退されるでしょう。その時の退職金を、生命保険を使って積み立てましょう、と。
元々定年年齢は55歳だったものが、少しずつ伸びてきて、中小企業の経営者は65歳くらいまでは働くだろうというイメージの下、中小企業の社長は65歳で引退みたいなイメージが比較的広く広がったように思います。

もちろん実体はそういうわけにはいきません。そもそも今の65歳なんて元気すぎて、困るくらいです。人生100年時代と言われる中で、55や65歳で引退すれば後の時間が長すぎます。
それでも1980年ごろの65歳と言えばそこそこ老人っぽくなって、実際に引退される経営者もいました。その当時の後継者(息子)がだいたい40歳くらい。まだ納得感はありそうです。

しかし今や、65歳引退というのはまずないでしょう。
早くて70歳。
現実には、80歳を過ぎて現役の中小企業の社長はたくさんいます。
となると後継者は、50歳ぎから60歳近く。
かつての引退年齢ぐらいまでずっとナンバーツーでいて、そこから社長をやれ、というのも何となく酷な話に見えなくもない気がします。

 

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これは私の個人的な感覚ですが、人間、いくつになっても何かを始めるのに遅くはない、とはいうものの現実問題として年を追うごとに冒険は難しくなるものだと思います。
なんとなく、精神的に守りに入っていく傾向があるのは避けられないのではないと思います。体が動く時間はだんだんと短くなりますから、ムチャをして失敗した時のリカバーが難しい年齢になってきたりもするでしょう。たとえば、多額の借金を背負ったのが40歳代なら何とか現役時代にリカバーできるかもしれませんが、60歳になってからだと結構難しい。老後動けなくなった時の備えなんてないまま老後生活に突入するリスクだってあります。

そんなもろもろのことを考えると、人は年を取るほどに冒険が難しくなってきます。
だから、ずっと二番手として親の後ろにいて、親が80歳、後継者が50歳代とかで親の体力が減退してきたから今からトップ張れ、次代の荒波の中で会社改革をやれ、といってもなかなか大変なものがあります。だからできることなら、遅くとも40歳代の間には何かしらの、会社における「冒険」の練習はしておきたいものではないかと思います。

また物事には旬というものがあります。
後継者としてはやっぱり気持ちとして盛り上がりやすい、30歳代、40歳代にいろんな経験をしておきたいと思うものだと思います。
ある時に急に「あれもやりたい」「これもやりたい」という気持ちがむくむくと湧きあがっても、それがいったん収まると、また同じ気持ちになるのはけっこう難しいと思います。
旬な時期にいろいろできなかったからと言って、50歳代、60歳代で「さあ、今から自由だ!」なんてできるか?と言えばなかなか難しいんじゃないでしょうか。
もちろん、ずっと静かに、言われることだけやっている日々が楽でいいなら、代が変わってからも余計なことをせずに日々目の前にやってくる仕事をこなせばいいと思います。けど、それで満足できない人も一定数いるんじゃないでしょうか。

私は事業承継というのは、単なる職業選択というより、生き様の選択だとよくお話しします。
仕事って恐らく、その人の人生の質を決めるとても大事な要素の一つだと思います。いい仕事をして、多くの人のお役に立てることができたら、それは人生の喜びとなります。逆に、仕事に生きがいを感じることができず、ただだらだらとやりたくもないままこなすとしたら、多大な時間を浪費しているように感じることもあるのではないかと思います。自分の人生の濃度を左右するもののうち、かなり大きなものが仕事じゃないでしょうか。そこで、無為な時間を過ごすのは私にとってはたまらないものがありました。

そこでぜひ検討していただきたいのは、譲る側としてはやはり一定程度の年齢になった時、ある程度事業を後継者に任せることを真剣に考えていただきたいと思います。ご自分の立場を守りたいということもあろうかと思うので、分社とか、社内起業とか、とにもかくにも先代の目の及ばないところで後継者を泳がせる形をご検討いただければと思います。
一方後継者は、ビビる部分も多々あると思うのですが、是非一歩を踏み出していただきたいと思います。ある事業部を任せてほしいとか、独立採算の事業を始めたいとか、そんな形でいいと思うのでできれば40歳代半ばくらいまでに、何かしらの一歩を踏み出していただけるとすごくいいんじゃないかと思います。それがうまくいかなくとも、「挑戦する癖」を持っていただけたら、それは価値がある経験になると思います。

ぜひ、お互いにとって幸せな未来に向かっての今を考えてほしいと願ってやみません。

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