会社が一気に変化するとき

経営者の書いた読み物を読んでいると、ある共通点があることに気付きます。
その共通点は、実は多くの方が感覚としてはつかんでいるはずです。
そのような物語を、私たちは数多く知っているからです。

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経営者が各自伝的な会社経営の物語をいくつか読んでみると、多くの場合、似たような筋書きであることに気付いた人もいるのではないでしょうか。
例えばこんな感じです。

  • リーマンショックで売り上げの半分を失った
  • 社員の離反で頼りにしていた番頭がいなくなり、売り上げは6割ダウン
  • 主要取引先との取引ができなくなり○億円の売り上げが消えた

こういった話を上げていくと、キリがありません。
しかし、こういった話が書物として残る以上は、この会社がそのまま消えてなくなったわけではないわけです。
実際に、多くの企業は、

こういったピンチの時に会社が一気に変化した

というストーリーをなぞり、その後大躍進を遂げたというのが、お決まりです。

 

事業承継においても、規模の大小はあれど、似たようなストーリーが存在します。

  • 全てを握る先代が病気で倒れ、長期入院を余儀なくされた
  • 先代の突然の死で、まったく引継ぎを行わないまま後継者が社長として会社を引っ張っていかざるを得なくなった
  • 会社が事故や災害で、機能不全に陥りその復旧に後継者が当たらざるを得なくなった

このような会社の存続を左右するような事件が起こったとき、現場では何が起こるのかといえば、意外なことに、

社内の結束が高まり、これまででは考えられないような一体感を感じた

というケースが意外と多いようです。
もちろん、そのままダメになった会社もたくさんあるでしょうが、このようなピンチに後継者がどうふるまうかは重要なカギなのでしょう。

 

これから会社を変えていきたい、と考える後継者にとって都合よくこのような事件が起こる可能性に期待するのもおかしな話です。
また、こういった象徴的な事件が起こると、社内の人間もピンチであることを認識しやすいでしょう。
「このままでは会社が危ない」という状態になって初めて、社内の人間は物事を本気で決断します。
後継者についていくのか、それとも、沈みゆく会社と決別するかをです。
つまり、会社のピンチで、決断を強いられるのは後継者だけではないのです。
社員一人一人もまた、決断し、覚悟せざるを得ない状況に追い込まれます。
その過程を経て出た結果ですから、誰もが真剣に取り組むことができ、会社は不死鳥のようによみがえるのです。

では、ゆでガエルのようにジワリジワリとやってくるピンチに対して、社内の人間の決断を促すにはどうすればよいのでしょうか?

その答えはシンプルで、まずは後継者自身がその状態から抜け出すという決断をする、という事。
そして、誰一人ついてこず、自分ひとりであったとしてもやり抜くという姿勢を貫く必要があります。
社内の誰かに期待するのではなく、自分一人でもやるという気概がないと、社内に非常事態宣言はいきわたりません。
その迫力があって初めて、社員は社内に事件が起こっていることを認識します。
結果、一人、二人と協力を申し出てくれる社員が出てくるものではないでしょうか。

社員にやらせる前提で決めたことに、社員を動かす力は宿らないものです。

 

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