自責と他責 ~後継者のふるまい確認

私は長いこと保険の仕事をしています。
そうすると自動車事故の当事者のお話を伺う機会がよくありました。
そして彼らの話の傾向はだいたい一致しています。

それは「相手がこうしたから、事故が起こった」という話です。
しかし、日本の法律はそういう風にはできていません。
「あなたが何をしたから(もしくはしなかったから)、事故が起こった」という考え方が基本です。

これは、人のすべての行動を見返すときにとても参考になる考え方です。
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自己弁護を始める交通事故当事者たち

遠回しに「アイツが悪い」

交通事故を起こしたとき、たぶん変な「常識」が出回っているのかもしれません。
自分の責任を認めてはいけない、謝罪してはいけない、なんていうことを信じている人がいます。
もちろん、現場で、責任の割合を判断するのはご法度です。
全部自分のせいです!というと解決は遠のくのは事実。

しかし、よく事故を起こされた当事者から聞くセリフはこんなものです。
「こちらの車の横っ腹にぶつけられた。相手がこっちが交差点を横断し始めてから突っ込んだからだ」
「相手の道には一時停止があったが、止まっていなかった。この事故は相手の責任だ」
「こんな狭い道で、相手の車はすごいスピードだった。だから自分の車のココに当たったんだ」
「あんなところに、駐車車両があったから見通しが悪くて事故になった」

直接的であったり、間接的であったり、自己弁護というか、
相手の責任が重い、ということを説得しようとする話が多いように感じます。

法律はそうは見てくれない

たしかに、走っている自動車同士の事故は責任の割合を見ていきます。
相手が9割悪いけど、1割はこちらの責任だね、という感じで割合が決まっていきます。
根拠は、過去の判例です。

事故を起こしたとき、前述のとおり多くの人は、
「相手が如何に問題があったか」
を語ります。
場合によっては、「だから、俺は悪くない」と開き直る人が一定割合いることも事実です。

しかし、法律はそのようにはできていません。
交差点でぶつかったとすれば、相手に停まれの標識があろうと、こちらにも一定数の責任が問われることが普通です。
なぜなら、車や自転車が飛び出してくる前提で運転することを、私たちは義務付けられているからです。

誰がどんな運転をしていようと、私たちには事故を起こさない、そして避ける義務があるわけです。

信号待ちで追突されたりすれば、基本は相手が100%悪いということになります。
しかし、それを避ける方法はあるんです。
自分が前の車と距離を開けて停止していれば、
そしてバックミラーで後ろの車の動きを確認すれば、
追突事故の一部は避けることが可能です。
実際に私はそれで難を逃れたことが何回かありました。
すべてではありませんが、かなりの部分は本人の努力で、事故は防ぐことができるのです。

だから、相手が何をしていたではなく、「あなたは、どんな運転をしていたんですか?」と聞かれるのです。

Free-PhotosによるPixabayからの画像

生きていく中で大事なこと

自己弁護、してませんか?

さて、先ほどのお話を、たとえば後継者が会社を継いだ時の話に代入してみましょう。
私たちは今、何を語っているでしょうか?
・先代のふるまいがこうだから、うまく事業承継できない
・社員が自分に従わないから、会社が一致団結できない
・取引先がこんな要求を突きつけるから、仕事が思うようにできない
・家族が自分をこんな風に扱うから、仕事に集中できない
こんな風に、第三者のふるまいをあれこれ批評しているとすれば、ちょっと考え直した方がいいかもしれません。

これは、事故を起こして「相手が悪い」と一人プンプン怒っているようなものです。
世間はそんな後継者を見てきっとこういうでしょう。
「なんでも周囲のせいにするのか」と。

これ、意外と自分では気づかないものです。
アイツが悪い、こういう状況が悪い、そういっていてもあまりいいことは起こりません。

自分の責任割合をどうするか?

後継者における仕事であれ、なんであれ、大事なのは他人が何をするかとか、置かれた状況がどうであるかではありません。
そういったシチュエーションは人それぞれですし、そもそも動かしがたいことです。
交通事故の例に戻りますが、他人の運転ミスを、私たちがどうこうすることはできないのです。
いくら思い悩んだところで、路上には、危険な運転をするやつもいれば、下手な人もいるし、無謀な自転車や、鬱陶しい原付だっているんです。
彼らをどうこうするのは警察の仕事であって、私たちの仕事ではありません。
私たちがやるべきは、そういった道路状況の中で、いかに快適で安全に目的地にたどり着くかに集中することです。

経営も同じです。
景気や、社内の人間や、社外の圧力・・・
いろんなものが環境に影響を及ぼしますが、それを気に病んでも何の意味もありません。
そういう状況の中で、あなたは、そしてわたしは、どうふるまうかが大事なのです。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

自分のできることにフォーカスすると意外と楽になる

後継者というのは、とかく、完ぺき主義の癖が出るものです。
だから、すべてがうまくいっていないと気に入らない。
たとえば、会社の運営について、自分が30%の責任というか、重要度を負っていたとします。
後の70%は親であったり、社員が負っているとしましょう。
とにかく、後継者的には自分の30%と他の人の70%のすべてがうまく回っていないと気持ちが悪いんです。

そうすると、70%のところを「自分の思い通り動かして」なんとかしようとします。
しかし、当然自分の思う通りに人は動いてくれません。
そうしてその不満を蓄積していくわけです。
これって、道路を走るすべての自動車や自転車、歩行者が、自分の考えるマナーとルールを守っている状態のイメージだと思います。
とはいえ、そんなことあり得ないじゃないですか。

とろとろ走る車もあれば、煽ってくる車もある。
そういう中で、自分の運転を守りながらふつうやるわけです。
会社だって、トロイやつもいれば、煽るやつもいる。
けどそんなことを含めて、自分の責任範囲をまずはしっかりとやり抜くことを考えてみましょう。
すると、残り部分は何とかなるものだと思います。

 

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