組織づくりというのはなかなか難しいものです。
特に、親の会社を事業承継する後継者にとっては、その問題はとても大きい。
ただ、ちょっと観察してみるとわかるのですが、先代の過程での在り方と、会社での在り方、似ている部分はないでしょうか。
たとえば、会社でワンマン社長な先代は、家の中でもワンマン。
そうでない場合はそうでない。
人間、外と中の顔を器用に変えられるものではないのではないでしょうか。
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たとえば、私の父は、私の会社の創業者であり、私の父でもあります。
現役時代のマネジメントスタイルはまさに、ワンマン経営でした。
何かを決めるのも自分一人。
小さな、顧客対応一つひとつとっても、自分で決めたものでなければ機嫌が悪い。
たとえば、社長があまりに忙しそうだから、と社員が自分で判断してやった顧客対応には、必ず文句をつけられていたのを記憶しています。
それは家庭内でも同じで、すべての決定権は父にあります。
父がある日突然、旅行に行くと言えば、家族の拒否権はありません。
もちろん、いつもそうだとは限りませんが、だいたいにおいてワンマンなところがあったのは否めません。
多少の質感は違えど、家の中でも外でも、リーダーシップの取り方は似通ってくるものです。
それは逆に言えば、家族とのかかわり方は、社員とのかかわり方の鏡という事。
たとえば、妻や夫、子どもたちと何かがしっくりいっていないとしたら、同じことを社員にやっている可能性もあるという事。
問題が同時多発的に起こることがあると思うのですが、それはすなわち同じ過ちを別々のコミュニティでやっているからなのかもしれません。
夫婦関係がうまくいかないとき、会社の中はうまく回っているでしょうか?
あるいは、会社がうまく回らないとき、夫婦関係がうまくいっているでしょうか?
どちらかに問題があるときは、もう一つの場所でも問題が起こっている可能性があります。
そういう意味では、先に問題が出たほうを、別のコミュニティでのリトマス試験紙として考えるのも一考ではないかと思います。
そして片方を正せば、きっともう片方もよくなる。
そんな視点で見てみてはいかがでしょうか。
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