先代がやる気がないのに実権を渡してくれない~後継者の苛立ち

家業を継ぐべく親の会社に入社したものの、先代は仕事に対してのモチベーションをすっかり失っているケースがたまに散見されます。
思ったように物事が動かない、経営がうまくいかない、自身が評価されないなどといった背景があるようです。
会社のなかにはいろんな仕事がありますが、特定の仕事だけは活き活きとするけど、他のことはほぼ放置状態。しかし、後継者がそこをフォローしようと思っても「ダメだ!」と激しく拒否をする。
そんなケースにおいて、最終的には先代がすっきり引退を決めたケースがありました。
その会社には何が起こったのでしょうか。

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創業社長である先代は会社が好調なうちは、仕事に対しても前向きで、しっかりと仕事をしていました。
しかし、景気や世の中の情勢の変化の中で、会社の業績がだんだんと下がり始めると、その創業社長は病的に仕事へのモチベーションを失っていきました。
その会社には、後継者がいて、後継者は「なんとかしたい」ともがくものの、先代の仕事への介入は一切許されない状態でした。
「苦手な部分は、自分が頑張るからそこは任せてほしい」と後継者が言うものの、先代は頑としてOKを出しません。

私は、先代と後継者の話し合いについては、あまりお勧めしていません。なぜならば、多くの場合、お互いがお互いの主張をぶつけるだけで終わる事が多く、むしろ感情的に悪化する事のほうが多いからです。
しかし、この事例は例外の一つとなりました。
後継者の方は、手を変え品を変え、親と話をしました。その際に私がアドバイスさせていただいたことは、こんな感じです。

色々とヒアリングさせた中で想定される先代を会社に縛り付けるものは、一つは「自信が周囲からどう見られているか?ということに対する不安」と、「今の状態を手放す不安」の二つが大きいのではないかと推察しました。一つ目の不安は、創業社長というのはそもそも自尊心の強い方が多いものです。言い換えれば自分が価値ある存在であることをとても重視します。そういう意味では、会社の中でたとえば後継者からバカにするような発言や態度があったりすると過敏に反応する傾向があります。後継者としては、そんな気持ちはなくても、先代は言葉へ強すぎる反応をしてしまう傾向があったようです。それに気づかないと、後継者的には悪い意味ではない言葉も、先代が良くない意味にとらえてケンカになるなんて言うシーンもしばしばあったようです。

もう一つは、今の状況を手放す不安です。これは誰しも持つもので、「人は変化に対して強い不安を持っている」といえば確かに、と思うシーンはあろうかと思います。特に高齢の男性は、変化への対応がだんだんと難しくなるので、今まで一日のうち何時間か、仕事に当てていた時間が空白になる事に対しては強い不安を感じがちです。特に年齢を重ねると、それが一時的なものではないだけに、その不安の大きさは若い人からはなかなか想像できないかもしれません。同時に自分の居場所の一つを失うわけですから、精神的にはかなりのインパクトです。

 

こういった場合、二つの方法があって、一つはけっこう強引に先代を引退に追い込む方法。もう一つはそこそこソフトランディングを目指す方法。前者は表面的な問題は一気にかたづくかもしれませんが、罪悪感やいろんな問題が後を引く可能性があります。後者は、時間はかかりますが後継者の罪悪感はあまりないと思います。ただし、先代の心変わりなどもあるので、行ったり来たりを行うこともないとは言い切りません。結局はどちらも良し悪しの部分はありますが、これはその時のシチュエーションに応じて検討することになるかと思います。

今回の事例はソフトランディング路線を後継者は希望しました。
何をやったかというと、先代の心理的安全性をまずは確保しました。無茶はしない、ということを宣言し、とても大事なのは先代の話をじっくり聞いたということです。
後継者にとってはかなり我慢強さが必要ですが、とにかく言い分を聞き続けるということを何度か繰り返しました。
もちろん言われたことを全部言いなりに実行するわけではありませんが、意向を聞くというだけで相手はそれなりに安心感を感じるものです。

そしてだんだんと先代の本音が明らかになってくると、折衷案も出せるようになってきます。
最終的には、先代には今より役員報酬は減るものの残っていただき、いくつかの仕事に関してはつどお願いしたいというところである程度話が決着しました。
実は他の社員についてもいろいろと問題があったのですが、後継者はしっかりと対応していくことで、正式な代表交代が行われ、今では前向きに仕事にまい進しておられるようです。

彼は今、「仕事が楽しくてしょうがない」そうです。

 

ところで、興味深い話を一つ。
後継者がたとえば、「先代は自分の話を聞いていくれない」ということを相談してきたとします。私はたいてい、タイミングを見計らって、「後継者であるあなたは先代の話を聞いていますか?」という質問をさせていただきます。すると、はっとされる方は多く、ただ先代の話を正面から聞くということをやっただけで関係が改善したケースは意外とあるものです。自分が「●●してくれない!」「●●してほしい!」と思っていることは、たいてい相手も思っていること。自分が気になっていることを、逆にやってあげることから始めるときっかけがつかめるかもしれません。

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