後継者

後継者は副業をしよう!

今回のコラムはちょっと誤解を招きそうなタイトル。
実は私は、親の会社を継ぐ後継者の方に本当に「副業」をしてください、とは思ってはいません。
副業はどこまで行っても副業です。
また、私だけではないと思うのですが、「手軽に成果が出る」ということに皆さんもついつい気持ちが引かれたりしませんか?
そんな言葉につられて始めた副業はたいていうまく行きません。
根性論っぽくて嫌なのですが、それでもやっぱり「一生懸命やる」ということを外して上手くいくことはあんまりないんじゃないかと思います。
じゃあ、どういう意味で副業をしよう!なんてタイトルにしたのでしょうか。

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私たち後継者・アトツギの人たちって、自分が後継者・アトツギであることにコンプレックスを感じて居たりはしないでしょうか?
わたしは大いにありました。
特に、立場上、創業社長の方とお話をする機会が多かったので、ゼロイチを経験した社長と自分を比べたときに、一定のコンプレックスを持っていました。
そもそも自分と、先代社長を比べたときに、決定的に足りない要素はまったく顧客も売り上げもゼロのところから会社を立ち上げるという部分。
その時の苦労は、相当なものであることは想像に難くないので、それを経験していない、またやり遂げたことのない私たちは先代社長に対する負い目のようなものを感じていることがありがちではないでしょうか。

また、創業社長というのは非常に強いメッセージを一方的に発するタイプの人が多いと思います。
するとそんな創業社長の逆鱗が落ちないよう、私たち後継者・アトツギもどこか小さくまとまって、「先代社長のコピー」になりがちではないでしょうか。
そもそも原本に比べてコピーは劣化しますから、それでは結果は「縮小コピー」です。
すると視野は非常に狭く、社内で起こっていることがすべて、なんてことになりがちなのが親の会社を継ごうとする後継者・アトツギです。

そこから抜け出すためには、今の会社のリソースやノウハウを活用した新たなビジネス・ビジネスモデルを生み出すという視点で社会を見ることがとても役に立つのではないかと思うのです。
そうやってプロジェクトを発案し、動かしてみるととても大変なことがわかります。
先代はリソースがなくて大変だったかと思いますが、私たちは逆にそこそこそろっているリソースがあるからこそ逆に自分の気持ちをしっかりと前に向けて動かしていくようなモチベーションが必要になるという、まったく違った苦労を経験することになります。

さて、タイトルの副業というのは失礼な話で、意識したいのは「次の会社の事業の柱」を探すチャレンジだと思います。
そういったことを経験することで、経営者マインド(というかベンチャーマインド)を育て、人をどう巻込んでいくか?ということを学び、ビジネスをカタチにしていくことを体験していく。
そんな事を意識することで、経営者としての様々な体験ができるのではないかと思います。

 

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