後継者

後継者の悩みに対処する~①自分にできるかどうかわからない不安

会社経営なんて大それたこと、自分にできるのだろうか……
いろんな経緯があって親の会社を継ぐことになったと思うのですが、きっと初めはわき目も降らずがむしゃらに仕事をしたんじゃないかと思います。しかしちょっとした節目の時に考えることは、自分にできるんだろうか、という想いが頭をよぎることがあるんじゃないかと思います。

この不安を解消するためには、あれもできるようになって、これもできるようになって、さらにはこういった部分で自信満々にできて、完璧な備えをする。そんな風に考える時期ってあると思いますが、そう考えていると一向に準備が進まないものです。じゃあどうすればいいのでしょうか。結論を言うと、「不安を感じながら進もう」というのが答えです。残念な内容かもしれませんが、もし気になる方はこの後のお話にもお付き合いいただけると幸いです。

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後継者の悩みの一つは、ぬぐおうとしてもぬぐおうとしてもぬぐうことのできない不安を、何とかして遠ざけたいということではないかと思います。しかし、この不安というやつは、それを遠ざけようとすればするほどややこしい現実を引き寄せます。

私が考えたことは例えば、自分が都度都度判断しなくてもいいように、すべてをルール化しようと考えました。あらかじめルールを決めておけば、何かが起こってもそのルールに従えばいいので私の実務的な負担は減ります。また、親である先代がやっている仕事を可能な限りマニュアルに落とし込もうとしました。それ以外にもいろいろあるのですが、こういったことをやればやるほど、先代との関係は悪化し、社内はぎすぎすしたものになりました。

なんというか常に、自分を守るような体制に会社を変えていこうとしたわけですが、その結果どうなるかというと堅苦しい大企業だったり、役所のような会社になってしまいそうになったのです。具体的に言えば、お客様のニーズよりも社内のルール優先。社員も自分で考えることを辞め、ルールばかりを気にするようになり、私自身もそのルールに縛られ窮屈な思いをします。おかげで会社はがたがた、社員とのコミュニケーションは形式ばって、先代との仲は悪化、顧客からは批判噴出。とんでもない状態です。

不安を抱えた私は、「突発的な問題が起きないためにどうするか?」ということに執心して、自分の身を守ろうとしていたんだな、と今では振り返るようになりました。しかし、考えてもみてください。何をどれだけ尽くしても会社経営をする限り、突発的な問題がゼロには絶対になくらない、と言い切れます。なぜなら、働いているのも、お客様も人間という、しばしばエラーを起こす生き物だからです。いえ、ミスを犯さないたとえば自動販売機でさえ、調子が悪くなることはあるのです。何をしていても突発的な問題が起こらないというのはありえません。

じゃあ、ルール通りにやっていたら問題はおこらないのでしょうか。それは、厳格なルールにのっとって仕事している役所や大企業だって様々な問題を抱えていることを考えてみると、多少減らすことはできるかもしれませんがゼロにはできません。逆に言うと、変化をおこそうとすれば必ず突発的な問題は起きますから、問題が起きないということは会社の停滞を表しているとも考えられそうです。

トラブル以外においても、私たち後継者は知らないことが多すぎます。会社のお金周りのことや、経理会計、戦略や、人脈など、本当は先代が持っているすべての情報や知識、関係性やつながりをオープンにしてもらいたいというのが後継者の切なる願いだと思います。しかし、先代にしてみればそれをすべてオープンにしたくないこともあるでしょう。変な表現ですが、他人に自分の弁当をまじまじと見られるのが嫌なように、自分の仕事についてみられるならきれいな部分だけであってほしいと願う人も多いと思います。無意識に、隠したくなる部分もあると思います。

さて、こういった不安を解消するために、後継者の多くは悩んだ末、いろんな勉強をし始めることが多いと思います。知ることで不安が解消されればいいな、といったところだと思います。それはそれでとても大事なことですが、おそらく、不安はどこまで言っても追いかけてくる可能性が高いと思います。

じゃあどうすればいいのか、ということになると、初めの話に戻ってくるのです。不安を感じながら進めばいい、ということです。実は私たち後継者は、後継者としての悩みとはべつに、いろんなシーンで「不安を感じながらもやってみたら何とかなった」という経験をたくさんしているのではないでしょうか。たとえば、学生時代は「こんなクラスでうまくやっていけるだろうか」という不安、「テストはこの程度の勉強で大丈夫だろうか」という不安、「彼女(彼氏)とのデートはこんな感じでいいのだろうか」という不安。いろんな不安を抱えながらも、あるいみ仕方がないから、その不安を抱えながらも前に進んでみる。その結果が今の私たちです。

学生時代のテストは逃げる方法がなかったから、不安を抱えながらも前に進みましたが、後継者という立場は逃げ場があるような気もするのでいろいろ悪あがきをします。前向きな悪あがきはどんどんやればいいと思うのですが、最後の最後に必要なのは、「不安はあるけどやってみる」という感覚じゃないかと思います。その不安を親のせいにしたり、社員のせいにしたりしたくなることはあります。もっと彼らが自分のことを配慮してくれるならもっと楽なのに、と思うこともあります。けどまあ、それができないから今の状況なのだと思います。

ならば、私たちはその環境に合わせて動くしかないんじゃないかな、と思います。不安そのものは悪いものではありません。気持ちの悪さはありますが、その不安を十分感じ取ったうえで、それでもやろう、と決断することで人は前に進むことができるのかもしれません。不安に立ち向かうヒーローを演じ切りましょう!

  
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