親の七掛け幸福論と親子での事業承継

親子での事業承継に際して、もっとも大きな問題というのはなんでしょうか。いろんなとらえ方はあるかと思いますが、私は人間関係の問題だと思っています。というのも、アメリカでの調査によると、血のつながった親子での事業承継よりも、娘婿といった関係のほうが圧倒的に事業承継後の業績がたかいというデータがあるようです。これはすなわち、血のつながった親子による確執が事業承継の中で非常に大きな問題となることを示唆していると私は考えています。

ところでたまたま、友人であるエグゼクティブコーチの若林由香さんのSNSへの投稿で見慣れない言葉を目にしました。それが、『親の七掛け幸福論』と呼ばれるものです。親子の確執を考えるにおいて、カギとなりそうな言葉について少し調べてみました。

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『親の七掛け幸福論』というのは元をたどると、心理カウンセラーの岩月謙司氏が著書で述べていることのようです。これは、親が「無意識に、自分の幸福を子供の幸福が上回らないようにふるまう」ことを指すようです。もちろん、意識的には親は子供の幸福を願っていることが大半だと思います。ただ、それが親である自分の幸福を上回りそうになると、“無意識に”それを阻もうとするのです。

代表的なものとしては、子供が自由に何かをやろうとしたとき、親の価値観に当てはめてそこからはみ出したことをやらせないといったことがあげられるかもしれません。例えば子供がミュージシャンを目指して一生懸命になっているのに、親はそれを認めず普通の会社に勤めなさい、とたしなめる。実際にある知人のお母さんは、子供がミュージシャンを目指すといったとき、もしそれがうまくいかず借金を抱えて家に帰ってきたなら、一緒に借金を返す手伝いをしてやろうと腹をくくり、子供を送り出したそうです。なかなかできることではないと思いますが、これが無条件の愛なのかもしれません。

親が親の価値観から外れないよう子供を制限するのは、一見「子供のため」という言い訳ができそうなのですが、これは子供の可能性を閉ざしてしまうことになります。親の価値観の外には想定できないリスクもたくさんあり、親はそれを心配しているといいますが、それを自分の子どもが乗り越えられると信じていないことにもなります。先の親の七掛け幸福論からいうと、親から見たときに「自分もここまでで我慢しているのだから、子供も同じエリア内にとどまるべきだ」ということを無意識に表現しているのかもしれません。こういった思いは、親が自分の人生に悔いを残している(いろんな我慢をしてきている)状態があるから発生しているのかもしれません。

なるほど、経営者となれば、いつも我慢の連続だったのかもしれません。その様子を想像すると、目頭が熱くもなりますが、大事なのは親は親であり、そういう振る舞いを自分で行ってきたということ。子供である後継者は、自分で自分の振る舞いを選ぶ必要があると思います。それぞれが独立した一人の人間であることを重視すべきで、後継者は後継者の考える道を歩むべきだと私は考えています。それが仮に親である先代の価値観の外にある道であったとしても、そこに好奇心を持ったなら、後継者はその道へ一歩踏み出す必要があるのだと思います。

後継者にとって、自分の進みたい方向へダメ出しをする親の意向がしんどく感じられる時がよくあると思います。それは後継者もまた無意識に、親の価値観に自分が閉じ込められそうな焦りのようなものを感じるからかもしれません。ただそれは親としては鮎喰ではなく、本人は心底、後継者のために必要だと思っていることが多いと思います。

さて、こういった常にダメ出しをしがちな先代がそうふるまう背景には、今はやりの自己肯定感の欠如があります。自分で自分のことを認めていないから、もっと頑張らなければならないと思っているし、後継者である子供に対してはそれ以上に頑張るべきだという考えになるのです。これって、いわば「もっと、もっと病」とでもいえる状態なので果てしなく続きます。後継者はどれだけ成長しても、先代の眼鏡にかなうことはほとんどありません。もし後継者が認められるとしたら、それは先代が自分の「もっともっと病」をいやした時だけです。後継者が親に認められないとういうのは、後継者の問題ではなくて、親の問題なのです。

もちろんだからといって後継者自身、努力もせずにいていいかというとそういう話ではありませんが、何よりも大事なのは、先代が自分を認めないのは、自分の問題ではなく仙台地震の問題であるということを知っておいたほうがいいと思います。だから後継者が目指すべきは、先代に認められることではなく、自分の中での目標であったり、社会に対しての目標を持つべきだと私は思います。

本当の親離れというのは、親に認められたいという気持ちから距離を置くこと。
本当の子離れというのは、子を信じ、すべてを任せきること。
たんに、物理的距離をとることが親離れ子離れではないと思います。

後継者は親がどういう反応をとるかに惑わされず、自分の道を考えていくことが大事なのではないでしょうか。

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