後継者

家業の後継者にとってあたりまえのこと、普通の社会人にとってあたりまえのことのあいだ

家業の後継者・跡継ぎとして親の会社に入った人にとって、入社10年もすれば自分にとってあまりありがたくない情報ばかりが目に入るかもしれません。
親である先代のふるまいはもちろんですが、自分を尊重しない社員たち。
自分に決済を求めず先代にすり寄る取引先。
ウザいことだらけですよね。

そうやって、気に入らないことばかりが目に入ると、実は後継者・跡継ぎである私たちは相当損をしてしまいます。

 

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人によって違う世界を見ている

Alexas_FotosによるPixabayからの画像

違った情報を耳にする私達

後継者・跡継ぎとして会社にいると、色々と悩ましいことがおこります。そんなことがあるからどうしても、自分は損をしているかのような感覚にとらわれてしまいます。
まあいろんな意味で、後継者・跡継ぎの人って、損な役回りだなぁと思えることが少なからずあるわけですが、物事、マイナス面だけがやってくるというのは早々多くはないと思っています。

先日ある経営者の方とお話をしました。「なぜ自分には、うまい話がやってこないのか」と嘆いておられました。
何が言いたいかというと、たとえば与沢翼とか、秒で億を稼ぐような奴らがやってるようなうまみのある話がなぜ自分のもとには来ないのか?とおっしゃいます。
たしかに、私のところにも、秒で億を稼ぐ話はやってきません(苦笑)
しかしあらためて考えてみたところ、その片鱗には近づいたことがあるけど、私はそれを「アヤシイ」といってその情報に近づかなかったことが何回かあったことを思い出しました。その話は、さすがに秒で億を稼ぐとまではいかないまでも、そこそこ短期間で(うまくいけば)大きなリターンになる話でした。

この話には2つのポイントがあって、一つは「人がアクセスできる情報には、一定の制限がある」ということ。もう一つは、「情報に出会っても拒否しているものがある」ということです。

あなただから手に入る情報

人は、みな同じ世界に住んでいるように見えて、まったく違う現実を生きている者です。たとえば、あなたが簡単にアクセスできる情報に、私はアクセスできない可能性がけっこうあります。それはたとえば、業界ごとに構築されたネットワークだったり、特定の資格やビジネスをしているから手に入る情報だったり、一定以上の収入があるからオファーされる案内だったり、その種類はいろいろです。件の与沢氏がやっていることに近づくには、やはりそういった人脈を持つことが必要で、そして彼らがやっている事というのは一般の社会人の感覚からすると「アヤシイ」と感じるものが多いのではないでしょうか。そのうえで、思い切って一線を越えて懐に入るか、入らないかで、入る情報の質や量は相当に変わるでしょう。あるいは、うまくいくまでになんども「騙された」という情報に翻弄されることもあるでしょう。そういった懲りない面々が、ああいった秒で億を稼ぐ情報にアクセスできるようになるんじゃないかと思います。

だから、単純に「秒で億を稼ぐ人になりたい」のであれば、失敗をものともせず、騙されるかもしれないという不安に打ち勝って、彼らのようなグループのコミュニティに入り、その本質を見てくればいいと思います。逆に言えば、外から眺めていても本当の情報を得ることは難しいと思います。

さて、そう考えると、皆さんはその業界なり、そのビジネスにおける「内側にいる人」なわけです。また、経営者ファミリーでもあります。実はこういった人が得る情報やコミュニティは、普通のサラリーマンが得るそれとは全く違うものになるはずです。自宅に届くダイレクトメール、セールスの電話、きっとあなたの会社の従業員さんに届く情報とは違ったものになると思います。良し悪しはともかくとして、私たち後継者・跡継ぎは、そういったものをすでに所有していることを再認識してみることが大事な気がします。

さきほど、ポイントの一つとして、「人がアクセスできる情報には、一定の制限がある」と言いましたが、その制限の中に入れるジャンルがすでにあるはずです。あまりに当たり前すぎて、私たちはそのことを忘れてしまうのです。たとえば、工場見学は今も昔も人気がありますが、その仕事をする人にとっては当たり前の日常が、日頃そういった情報に接しない人にとってはレジャーになるわけです。この優位性に、気づかない人はけっこう多いと思います。

階層をまたいで垣間見る情報

普通の人が決してアクセスできない情報の一つに、社長の本質的な人格という部分があるのではないかと思います。社員にとっては社長の顔しか知らないその人と、家族として付き合ってきた後継者は、先代である親の本質的な人格を知ることができます。これは会社の経営や未来にとっては、とても重要な情報の一つだと思います。血縁関係での継承の是非が問われることが多い中、それでも親族間の継承が行われることが多いのはこういった背景があるのかもしれません。

私たちが拒否する情報

Andrew MartinによるPixabayからの画像

「アヤシイ」という言い訳

秒で億を稼ぐという話の中で、「アヤシイ」と思われる情報やコミュニティを拒否した、ということをお話ししました。私はどちらかという時が小さいのですが、皆さんはいかがでしょうか。もしかしたらここで一発勝負をかけると、うまくいくと大化けするかも、なんて話、今まで全く聞いたことがないでしょうか。経営者或いはそこに近いところにいると、そういった怪しげな話はポツリ、ポツリ、とやってくるのではないでしょうか。たいていその手の話の多くはインチキだったり、本当に怪しい話であるわけですが、中には上手くいけば本当にすごいリターンを生む話だって混じっているのではないかと思います。けど、一般的なヒトは、そのわずかな確率にかけるより、堅実にコツコツ稼ごうとまじめに働く道を選ぶんじゃないかと思います。

ここが面白いところなんですが、一旦「堅実にコツコツ」を選んでいるのにまたむくむくと思いがわいてくるのです。「秒で億を稼げたらいいなぁ」と。

本当は、ここで一発かけて投資したいけど、失敗したら怖いからそこへはぶっこまない。
そして、どうせ「アヤシイはなし」というレッテルを張って、自分の判断が正しかったと思い込みたいわけです。
自己分析した結果、そういう自己欺瞞が発生していたことに気付きました。

この文章を読んでくださっている方々は私より良識のある方が多いと思います。秒で億とかいう人ではないかもしれませんが、これをちょっぴり入れ替えてみましょう。会社の経営というはなしに置き換えます。

すると、親は会社を譲ってくれないとか、親は自分の思い通りやらせてくれないとかいう後継者・跡継ぎの方の主張はけっこう多いのですが、それは本当かどうかをまずはチェックしてみてはいかがでしょうか。実は、もう譲るよ、というシグナルを親は出している。なのに私たちがそれを受け取ることに不安を感じて、その申し出を無意識で拒否する。それでも少し時間が立てば、やっぱり「親は立場を譲らない」と不満を漏らす。そんなことがあったりはしないでしょうか。現実を遠ざけておいて、それが手に入らない、といぶかしむ。結構そんなこともあるように思います。

逃げ腰じゃないか?

もしかしたら、自分が少し腰が引けていることに気付いている人もいるかもしれません。多くの後継者・跡継ぎが「不安」という声をあげていることを考えると、それも理解できる話です。こういった場合、その不安を解消し、前に向いて歩きだすためのはじめの第一歩は、まずは「自分が感じている恐れや不安」を自分で気づくことではないかと思います。もしかしたら、二代目として会社を継ぐことから腰が引けてるかもしれない。それを恥ずかしがって認めないよりも、まずは認めたほうがいいと思います。不安だけど、できるかどうかわからないけど、とにかく一生懸命やってみる。こういう姿勢に立ち返ると、見える世界がこれまたずいぶん変わってくるんじゃないかと思います。今まで敵視してたものが、案外敵じゃなかったとか、今まである事に気付かなかったものが、手元にすでにあるじゃないか、とか。

まじめな人ほど「メンタルが変わっても現実は変わらない」と頭で考えがちですが、メンタルが変わると現実は変わるものなのです。それは、ある業界の人が特殊な物の見方で世界を見ているとか、ある立場の人が他の人とは違う視点で世界を見ているということと同じことで、違う視点を獲得すれば世界は変わります。しかも、行動は心から始まります。何よりその心の部分を変えることが、後継者・跡継ぎとしての実力を発揮する第一歩じゃないかと私は考えています。

 

 

 

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