この季節、移動をしようとすればあちこちで通行止め。
電車で移動すれば、思いがけず満員。
日頃とは少し違う人の流れを感じます。
その理由は、あちこちで「祭」が開催されるということ。
地方都市だけでなく、都会でも地域にはさまざまな祭があります。
一見ビジネスとは遠い場所にあるかに見える祭。
じつは今風に言うと、プラットフォームビジネスとは言えないでしょうか。
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後継者が親の会社を継いだ時、頭を抱えてしまう問題の一つに、事業の将来性というものがあります。
たとえば、自分の親の会社は、ねじの加工をし続けてきた。
しかしいまや、海外で安いものが手に入る。
価格競争では到底かなわない。
品質を訴えようにも、取引先はねじの品質を重視していない。
ああ、手詰まりだ・・・となってしまう。
かといって、何か新しい商品開発を、と言ってもコストや人員から考えても難しい。
そんな悩みを持つ人は少なからずいらっしゃるのではないかと思います。
さほど大掛かりではないことで、新たな一歩を踏み出すことはできないだろうか?
そう考えている後継者もいらっしゃるのではないでしょうか。
ところで、ここ数年、「プラットフォームビジネス」という言葉がよく耳に入ります。
この定義をいろいろ調べてみても、今一つしっくりくるものがありません。
学術的にどうかは置いておいて、私はこれを「ビジネスの”場”を提供するビジネス」と考えています。
たとえば、GoogleはGmailを一般顧客に無償で提供しています。
そこで集まったユーザーの一団を”場”としてとらえることで、広告を出したい企業が集まってきました。
まさに、広告出稿する”場”を提供したビジネスです。
同じ形をとったのが、Lineであったり、Facebookであったり、といった今を時めく企業です。
楽天もまたプラットフォームビジネスと言われます。
ネット上の仮想ショッピングモールを作り、集客する。
そこには小規模な店も含めて、さまざまな店舗が出店する。
まさに顧客とネット店舗が出会う”場”を提供しています。
こうやって見ていくと、IT技術に長けていたり、相応の集客コストを投下できる企業にしかできないようなビジネスモデルに見えてしまいます。
しかし、それは本当でしょうか?
じつは日本には全国各地で古くからこのビジネスモデルが存在します。
それが祭です。
人が集まる祭という”場”がある。
そしてそこに露店というビジネスが成り立つ。
こう考えると、ちょっとハードルがさがってきませんか?
といっても、地元の祭に参加してくださいと言ってるわけではありません。(もちろん、それも一つの方法でしょうが)
その祭は、別に花火を上げるとか、神社と組むとか、おみこしを担ぐとかいったありがちなものである必要はありません。
単に人が集まる”場”をつくればいいのです。
それは、別に老若男女問わず集めるものである必要はありません。
特定の業種の人や、特定の仕事をしている人限定のものでいいんです。
もちろん祭と言えるものであろうがなかろうが、どうでもいいです。
祭と言ったのはただの比喩ですから。
この時に気を付けたいのが、集めるのではなく、集まる、ということが大事です。
Gmailは、営業の人が無理やり使ってください、と強要したわけではないけどみんな使ってます。
楽天だって、出店者に営業かけまくったという話はあまり聞きません。(立ち上げ当初はあったのかもしれませんが・・・)
儲かりそう、楽しそうなど、何かしら集めたい対象の感情を刺激するものである必要があります。
はじめは、仲のいい人2~3人で始める定期勉強会でもいいでしょう。
地元の企業合同での何かしらの展示イベントでもいい。
とにかく、リアル・バーチャル問わず人が集まる”場”を作ってみることを意識する。
それこそが、あなたにとっての祭。
それがすぐさまあなたのビジネスになるかどうかはわかりません。
またそれなりに人が集まり始めるまでは、根気よくやり続ける必要はあるかもしれません。
目的を自社(を含めた地域や業界の活性化)としたうえで、やり始めていくとさまざまな気づきはあるものです。
また、どんな形であれ、「祭」的なことは社内外の一体感を作るのには悪くない方法です。
一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
私なりに感じているのは、人が集まればそこに必ずビジネスが発生します。
それを誰かがやるのをぼんやり眺めているのか、周囲に「なにやってるの?コイツ」と思われながらでもやり始めるのか。
そんな選択が、未来に違いを生み出すのではないでしょうか。
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【昨日のタムラ】
昨日は出張で日帰り東京。
ある団体で先月行ったイベントの反省会。
行きに乗った新幹線では、wifiリストになぜか
「橋本マナミのiPhone」なる表示が・・・
思わず、グリーン車くまなく見て回りましたが、
それらしき人は見当たりませんでした。
写真は、東京駅での恥ずかしい姿です。