後継者

コロナ禍において後継者が考えたいもう一つの問題

今、コロナに負けるな的大合唱が起こっています。
私たちは日ごろ、対面して行うことを、テレビ会議システムで代用し、
会社に集まってやっていたことを、自宅でやるように変更しました。

このコロナ禍が数週間で終わる話ならそれでもいいのですが、
どうもそういう雰囲気ではなくなってきました。
もはやコロナに勝つとか負けるとかいう話ではなく、今の状態が続く前提で生活やビジネスを考えなくてはならないような気もします。

そんな今、後継者として、私たちが果たす役割をどう考えればいいのでしょうか。

 

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コロナで忙しい仕事とそうでない仕事

一時的ニーズとコロナを機会に脚光を浴びたニーズ

今の状況下において、非常に忙しい会社とそうでない会社があると思います。
忙しい会社は、今だから一時的に忙しい業種と、今まで注目されなかったけど、こんな世の中だから注目された会社があると思います。
一時的ニーズが顕在化した業種はコロナ騒動が去ればもとにもどるか、事業は縮小化していくでしょうし、今まで注目される機会がなかったけどここにきて赤丸急上昇の会社は認知が広まり、その後も求められ続けるかもしれません。
具体的に言えば、前者はマスクメーカーや消毒液の会社で、後者は飲食のデリバリーや在宅業務の中で注目されたIT技術を持つ会社といえるでしょうか。

そういった特殊な環境下におけるニーズから外れた事業者は、多くの場合苦しい状況に追い込まれている可能性が高そうです。すぐに影響の出るところ、少し時差をおいて影響の出るところ、さまざまかとは思いますが将来の不安は隠しきれないものがあると思います。

緊急の対応と将来への打ち手

日々の資金繰りなどで手を打つことは現実的な問題として待ったなし。
後継者と先代はこんな時だからこそ、意見交換をしながら事に当たる必要があると思います。ただ、それとは別の次元でぼちぼち考え始めたほうがよさそうなテーマがあるように思います。
今のように、これまで集まってやっていたことを、ただ集まらずにできるようにしただけでいいのだろうか?ということです。

会議がZOOMなどでできるようになって案外悪くない、という感想を持つかもしれません。
それはたぶん、人が集まるということの意味を変えると思います。今までは声をかければ集まれた会合が、人がリアルに集まるということに相応の価値がなければ集まらなくなる、ということを示唆するように思います。

そうすると、リアルな集まる場所、といったもののとらえ方が変わるかもしれません。

飲食業の多くは今、デリバリーやテイクアウトでしのいでいますが、飲食店の価値はおそらく味だけではないと思います。そこで提供される空間も商品の一つとするならば、その環境を違った方法で提供する形に変化していくかもしれません。

正直私も具体的なイメージがあるわけではないのですが、単にリアルからヴァーチャルへの置き換えではなく、何かしら違う形での価値提供が求められる可能性はあるんじゃないかと思います。

なぜ企業に寿命があるのか

理論上永遠の命を持つ企業が、永遠に続かない理由

私の父の家業の業界(保険代理店)において、事業の多くは個人事業主が担っていました。
それがここ10年くらいで急速に法人化を果たした背景には、「法人にすることで得られる永続性」というキーワードがありました。
個人事業主がやっていれば、様々な権利も個人の死亡とともに消えていきます。
しかし、法人化すればそのような権利を法人として継承し、代表者を変更するだけで永続性が担保できる、というロジックです。

そんな「不老不死」の魔法も、実は幻で、いくら法人化しようとそこには確固たる寿命があります。
1980年代の調査によると、過去100年における日本の上位100社の平均寿命は30歳。
日本のトップを貼る企業でさえ、30年で生涯を終えるのです。
一般的にはその問題を、「後継者の資質」の問題とすることが多いのですが私はそうは思っていません。

数年分の社会の変化をコロナが数週間で実現してしまった・・・

会社に寿命がある背景には、主力商品やサービス、ビジネスモデルの寿命が色濃く関係していると私は考えています。
経営者の問題よりも重いのが、商品・サービス・ビジネスモデルの老朽化です。
となると、ここが正念場です。

さすがに鈍感な人でも、この数か月の間に、普通なら起こりえない変化が起こっていることは認識されている事と思います。
春休みが明ければ学校が始まるという常識は簡単に吹き飛び、
休日にはレジャーに出かけるという当たり前のことができなくなり、
すでに予定していた旅行はすべてキャンセル。
仕事にはいつもフルタイムで言っていたのに、ある日突然在宅ワークで、会社には人がいなくなりました。
廃墟のように静かになった都市にたたずんだとき、ふと思い返してみます。

去年の今ごろ、こんな事態を予測できたでしょうか?
10年前の自分に、今日の新聞を持って行ったら、10年前の自分は、その内容を普通に信じることができるでしょうか?
世の中にはあり得ないほどの変化が起き、一気に社会が変わるとき、一気にビジネスが風化する可能性も当然あるわけですから、まさに脳に汗をかくタイミングのような気がします。

いまはまだまだ「いつかかつての生活を取り戻せたら」という嗜好が支配的です。
しかし、そろそろ、この社会がこのまま続くとしたら、という思考で会社の将来を考えることが大事じゃないかと思います。

人生の優先順位

さらにいうと、こういった非常事態において、可能な限り会社を維持するというのはもちろん大事ですが、どうしようもない時にはそれをいったんリセットすることも頭の片隅に置いておく必要はあるのかもしれません。最悪のシナリオを覚悟しておけば大抵のことは冷静に判断できると思います。

会社の存続より大事なことはたくさんあるはずです。
その優先順位を誤らないでください。
会社に人生をささげるのではなく、人生を彩る一つとして会社への思いがある、というのが現実的な考え方ではないでしょうか。

今まさに、自分が歩むべき人生を決めるタイミングに来ているような気がします。
そんな事を、少し時間がゆとりのできたときに考えてみてはいかがでしょうか。

 そんな考え方の転換につかえる手軽な場として、後継者のみなさんが集える場所を作りました。
必要に応じて、直接アドバイスや相談もさせていただきます。
良かったら見に来てください。

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後継者ONLINE倶楽部

 

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