後継者

後継者は本当に今の状況を抜け出したいのか?

ときどき、「あれ?」と思うことがあります。
ツラいとか、しんどいとか、腹立たしいとか、いろんな悩みを抱えている後継者は多いと思います。
ならば、普通は、「そこから抜け出すにはどうすればいいか?」という事を、考え、調べ、実践するのが普通だと思います。
しかし実際のところ、それを行わない人はけっこう多いのです。

 

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色んな後継者・跡継ぎの方とお話をしていると、ほぼ例外なく親との確執めいた悩みを持っています。
しかし、それを解決しようという思いが意外と少ないような気がします。

たとえば、ゴルフが決定的に下手で、うまくなりたいと思ったとします。
普通、こういう方は例えば、ゴルフスクールに行くとか、
知り合いにコーチを頼むとか、
本やDVDなどを買って勉強するとか、
YouTubeでよさそうな動画を探すとか、
それなりに「よくなるきっかけ」を必死に探すのではないでしょうか。

しかし、一部の後継者の方は、そういった行動が見受けられないような気がするのです。
たとえば会社や自分の未来の不安を感じ、自信を失っている後継者は非常に多いのです。
じゃあそれを解消するのに何をしていますか?と聞くと、意外と何もやっていなかったりします。
これまでその問題を解決できなかった方法を毎回試して、やはり解決できていない、という人がすごく多いのではないでしょうか。

このブログを見られている方は、少なくとも「それっぽいキーワードで検索した」というだけ一歩前進しています。
しかし不思議なことに、多くの方はネット検索さえしないようです。

 

実はこれは、後継者に限った話ではありません。
例えば経営者においても、
「売上が下がってきていて大変だ」
といいつつ、新しい方法を試さない、検索しない、学ばないひとがほとんどです。

これは見ようによれば、そういった問題を解決したくないのかもしれない、とさえ思えるぐらいです。

 

さて、後継者の話に戻しましょう。
問題解決の方向に向かわないのには、二つの理由が考えられます。

一つは、今の日本の社会問題にヒントがあります。
一時期、過酷な労働環境の中にあって、自殺を選択するほどに追い詰められていたのに、会社を辞める事がなぜできないか?という問題がクローズアップされていました。
その理由は単純ではありませんが、シンプルに表現すると、長期的なストレスが原因で視野が狭くなってしまうことが考えられます。
人は危機を感じると、余計な情報をシャットアウトし、一点に集中するという脳の機能があります。
これは人が生き伸びるための機能なのですが、周辺情報をカットするだけに「一つの道筋」しか見えない状態になります。
その結果、逃げるように辞める気まずさから、辞める事ができなくなってしまいます。

もう一つは、嫌なこともあるものの、なんだかんだ言って居心地がいい、と感じる自分がいる場合があります。
表面的な親との確執や、今の立場、自分のモチベーションなど、表に見える部分だけを見てみるとネガティブな理由ばかりに見えます。
しかし一方で、裏の欲求が満たされているという事もあったりすることが多いのです。

たとえば、個性的な親をスケープゴートにすることで、自分の弱さと向き合うことを避けられているかもしれません。
親が引退しないことで、重責を担わずに済んでいるかもしれません。
会社の業績が下がっても「親が自分の意見を聞き入れない」という事を理由にできるのかもしれません。

この場合厄介なのは、自分のメンツは守れても、根本的な解決にはならないという事は明白だと思います。

 

私の見たところ、この二つの理由のうち、実は両方が絡み合っていることが多いと思います。
どちらがウェイトが高いかは、人それぞれだと思いますが、後継者という役割に腹を据えて向き合うことができていない人はけっこう多いように思います。
だから、ある意味、その覚悟ができてしまえば、後者の問題は霧散するように思います。

そりゃあ、怖いですよね。
私はテスト的に、ほぼ0円起業というのをやってみました。
今の時代そこそこ簡単に起業できるという噂ですが、例えばそれで食べていけるまでの売上にするのは決して楽ではありません。
そこに家族を養うとか、社員を養うとか、結構大変ですよ。

後継者というのはそういったものを、ある程度の完成形で引き継ぐことになるわけです。
不安にならないほうがおかしいでしょう。
だからまずは、そんな自分の不安と向き合ってみてください。
そしてその不安を味わう。
そうやって冷静に見たときに、「ああ、だから自分は親に対してこういう行動をとってしまうんだ」という事がわかるかもしれません。

 

この「わかる」「気づく」というのが結構大事で、気づかなければ手を打とうとさえ思わないのです。
第三者的に見ていると、同じところをぐるぐる回っている人のことは良くわかります。
しかし、実際に自分がぐるぐる回っているとき、自分ではそのことに気付くのがとっても難しいのです。
だから手を打たないし、手を打てないのです。
それはつまり、今の現状に変化が起こらないという事。
変化というリスクを避けて、ツラい、苦しい場所にい続ける。
こうやって構造を見ていくとなんとバカバカしいことをやってるのか、と思うのですが、繰り返しになりますが自分がそこにハマっていることに人はなかなか気づくことができないのです。

結局一周廻って大事なことは、「怖いとか不安とか言う場所に向かわなければ今の状況は変わらない」という事じゃないかと思います。
壁は人が成長するタイミングで現れると言いますが、そういう場所を抜け出すには、壁を越えなければなりません。
つまり、自分が一番恐れていることに向かうことで、今の状況が初めて打破できるわけです。

だからありきたりなアドバイスになってしまうのですが、結局は、難しい道を選んでみよう、ということ。
そうすれば、割とあっけなく、今の状態を脱することが出来たりすることも多いと思うのですが、いかがでしょうか。

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Tasos LekkasによるPixabayからの画像

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