後継者

後継者は社外で経験を積んだ方がいいのか?

親の会社を子が継ごうとする際、よく言われるのは「一度は外に出たほうがいい」という事。
結論から言うと、それはメリットもあるし、デメリットもあります。

今回は、そのメリットとデメリットを少し見ていきましょう。

 

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まず、きをつけておきたいのが、初めて経験する仕事場は刷り込みされます。
どういうことかというと、初めての職場が、自分にとっての「標準」になる、という事です。

たとえば、異業種で後継者が修行をしたとしましょう。
この場合、異業種の商習慣や、ビジネス環境といったものが、後継者自身のスタンダードになります。
これを経験して家業に戻った時、自分たちの業界の不可解な部分への違和感はぬぐうことが難しいし、ビジネスの仕組みも以前の勤め先の基準をベースに考えます。
社内においては、「自分がいた〇〇ではこうだった」という会話が多くなり、社員や親とのギャップはなかなか埋まらないと思います。
仲間意識の強い会社だと、こういった後継者を排除しようとする動きさえ出てくるかもしれません。

同業他社で修業する場合も同様です。
たいていは、自社より規模の大きな会社で修業することが多いと思われます。
後継者にとっては、その会社のシステムや、規律、考え方がビジネスにおける「標準」になります。
やはりそこと自社との比較になりますので、そういった摩擦は出る可能性があるかと思います。

これは継がせる側である親が認識しておくべき事でもありますが、後継者自身もそのギャップに苦しむことがあるので知っておいて損はないと思います。
長年自分の会社がスタンダードと思ってきた親と、違うスタンダードを持ち込む後継者。
そこに対立の構図ができることがある、という事を知っておいて損はないと思います。
知っておくと、「ああ、ここに書いてあったことが今起こっているんだな」と何が起こっているかがわかるため、対処がわずかばかりでも楽になると思います。

 

ただ、やはり違う世界を見ておくというのは、かなりメリットも多いのは間違いありません。
そもそもこういった摩擦が起きるというのは、「今までになかったものを持ち込む」という事です。
だから、親の会社に新しい風を持ち込むという事では、いい効果はあります。

また、外の世界を見ていない後継者は、傾向として独り立ちができていないケースも多いので自覚を持つ意味でも外を見ておくことは価値があると思います。

総合的に考えると、後継者はいったんは外の世界を経験したほうがいいと思います。
ただし、親の会社に帰ってきたとき、周囲からすれば異質な存在になる可能性があることは少し意識しておいたほうがいいでしょう。
特に、「以前の会社では〇〇だった」という言い方・考え方は、周囲の同僚や親にとってはあまりいい印象を与えません。
なにしろ、親の会社を全否定していることになるのです。
だから物の言い方、自分の考え方の表し方は、ある程度工夫が必要だ、という意識を持っておいたほうがいいと思います。
そういった気遣いをしておくのと置かないのでは、大きく結果が変わることと思います。

 

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Rudy and Peter SkitteriansによるPixabayからの画像

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